エリュゼの森
「よし、ここを拠点とする」
エリュゼの森。
クインズタウンのすぐそこにある森だが、冒険者が近づかない森。
さらにはここに来るにはかなりのギルドの手続きが必要になる。
なぜか?
ここにいる強い魔物自体がグリード城の防壁として機能しているからだ。
各3国。
グリード
アバレー
ミクラル
の均衡を保っているのは戦力も均衡だからだ。
その内の1つ。
グリード国のグリード城はエリュレの森のどこかに光学迷彩魔法で存在している。
そこを攻めようとなると場所の特定、そしてその場所へ行くのにダイヤモンド冒険者以上でも対処の難しい魔物達。
そして極め付けは周りより発展している魔法の数々。
それらが要因で他の国からは攻めづらい。
「うんっ、じゃぁこれっ」
みやは1つの大きな魔皮紙を取り出し、俺と2人で持って大きくする、ブルーシートを広げている感覚と思ってもらうとわかりやすいだろう。
広げ終わり魔力を通すと結界が広がり、その中に組み立てられたテントが出てくる。
テントの見た目は貧相で小さいが中に入ると空間魔法制御でそこら辺の一軒家よりも大きい。
ぶっちゃけ今住んでるボロ家よりこっちの方が高級住宅だ。
「さて、と、これで用意は出来たな」
「それでっ、どこから探すっ?」
「城の方向はこっちだろうからその方向へゆっくりと探索していこう」
当然、半騎士の俺は機密情報である“グリード城”の位置を覚えているので有効活用させてもらう。
もっとも、向こうも此方の事情を知ってるのでここら辺を彷徨くのは想定内だろうから遠慮なくさせていただく。
と、思って走り出し10分も経たないうちに魔物の気配を感じとる。
「リュウトっ、さっそくだねっ」
「……囲まれてるな」
木々の上に潜んでいた“それら”がわずかに羽音を立てた。
黒く細長い影が、木陰で揺れる。鋭利な爪と鉤爪状の羽根を持つ異形の魔物――シャードクロウ。
要は1匹1匹が鷹くらいデカいカラス。
その赤い瞳が暗闇から、俺達を獲物として見下ろしていた。
「数はざっと30匹か」
「じゃぁ。ぃくよっ!」
みやが軽くステップを踏んだ瞬間、足元から風が巻き起こった。
白い気流が彼女の周囲を渦巻き、ふわりと身体を持ち上げる。
――空気の流れが、変わる。
シャードクロウたちがその異変に気づいたときには、もう遅かった。
「ストームポイント」
短く告げると、彼女の前方に竜巻が発生する。
それは瞬く間に巨大化し、木々をへし折り、周囲のシャードクロウたちをまとめて飲み込んでいった。
逃げ場を失った魔物たちは、渦の中心へと強制的に引き寄せられていく。
「せーのっと」
その言葉と同時に――
竜巻の真上から、巨大な石塊が落下した。
轟音。
風と衝撃が重なり合い、まとめて魔物たちを踏み潰す。
「良くやった、みや」
「えへへっごほぅびのキスっ」
「よし、アオイさん捜索続行だ」
「むぅ〜っ」
待っててくださいねアオイさん!
今俺が助けてあげますから!
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魔物名【シャードクロウ】
闇に潜む鋭翼の捕食者
•種別:飛行魔物/獣型
•生息地:薄暗い森林など日光が届かないエリアに多く出没
•体長:約1.5m(翼を広げると3m程度)
•習性:群れで行動し、高所からの奇襲を得意とする
・討伐推奨ランク:プラチナ〜(群れの規模による)
・10匹以上の群れを見たら必ず逃げる事。
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