アーシュまだ8歳、宿屋始まりました
今日4話目です。
宿屋の準備はできたが、4の月から始めるつもりだ。
「おい、お前ら」
「おい、お前ら」
え、私たちですか。
「わかってやってるよな」
ギルド長にそんなこと、するわけがないですよー。
「まあいい、客だぞ」
え、4月からの予定ですが。
「もう泊まれんだろ」
それはそうですが。
「E級パーティ、5人組だ。お察しの通り、駆け出しの貧乏だ。よろしく頼む」
わかりましたよ。
「セロ、マリア、いい?」
「こうなるとおもってたから」
「アーシュって、変なところで見通し甘いよな?」
ところで、E級とは、どの程度か。ギルドのランクが、最速で上がるとどうなるかを見てみよう。
12歳から始めて、F級スタートだ。一定量の魔石を納めると、E級にあがる。1年間は、その先には上がれない。13歳になると、D級の試験が受けられる。1年間は上がれない。14歳になると、3人のC級以上の推薦で、C級の試験が受けられる。1年間は上がれない。15歳になると、3人のB級以上の推薦で、B級の試験が受けられる。1年間は上がれない。16歳になると、A級以上の3人の推薦でA級の試験が受けられる。S級は王国が認めた人のみ。
D級だった父ちゃんはおして知るべしなのである。
さて、教会までちょっと遠いのが難点だが、そのパーティは、結局、ご飯やお風呂、寝心地のよさに感動し、3週間滞在したのだった。
これを皮切りに、
「もうひと部屋あったよな?」
と、もう1パーティ泊めることになった。
さすがに、人手がたりない。奥さんネットワークで、2時間ほど働ける人を何人も雇い、宿屋を回すことになった。朝の訓練を休むことはセロが絶対に許さないので、市場や解体所に顔を出すこともなく、マリアとソフィーとマルとで必死に働き始めた。
宿泊者が増えるということは、朝食もランチも需要が増える。各10ずつ増やしてしのぐ。
それどころか、
「相部屋でいいから」
というソロやパーティも増え、そうすると予備の部屋も使うようになり、結局、3の月は1日平均10人泊まる状況だった。
宿泊費のうち、食事代が1000、利益は500、宿泊費1000はそのまま収入だ。雑費や人件費を引いても、1人あたり1200ギルほどの利益になる。
3の月は、宿屋で32万稼ぎ、ランチでさらに、2万よけいに稼ぐことになったのだった。これをマリアたちと半分にして、17万の収入となったのだった。
ところが、これでは終わらなかったのだ。




