代官の仕事 -レーカの場合-
レーカが着任したときの模様です。若い彼女に待ち受けるものは?
レーカは、旧ゴーイン侯爵が治めていた街ベリルの代官として着任する。
若干15歳でありながら、重責を負わされてしまったのだった。
しかも、爵位まで・・・
彼女を補佐するのは、サルバドールとマルセイユである。
サルバドールは彼女よりかなり年上の25歳、マルセイユは19歳である。
サルバドールは、もともと別の街で代官候補として代官を補佐していた経験を持っている。
マルセイユは、サルバドールより若干能力が落ちるけれども代官候補としても優秀だったようだ。
そんな中でなんで私が代官をしているの?という疑問を持っているレーカ。
着任にあたり、ヤマトよりテレホーンという魔道具を与えられた離れていても通話できるものらしい。
『なんだ、ただの携帯電話じゃん』
と思ったのは内緒。
ベリルに到着して最初にしたことは着任の挨拶。
『えー。わたし、そんな事したことない・・・どうしよう』
と思っていたら、サルバドールが大まかな原稿を作成してくれていた。
本当にこんな優秀な彼が私の補佐官でいいの?と思ってしまう。
大勢の街の住人の前で私は自己紹介をする。
「この度、ベリルを治めることになったレーカ・フォン・ベリル子爵です。まだまだ若い若輩者ではありますが、精いっぱい頑張ります。」
なんの威厳もない普通の挨拶・・・
続いてこれからの方針を住民に話し、どういう風に変えていくかの説明。
住民は言われた事がすぐには理解できないようだったが、これは仕方ないと思う。新しい試みにも挑戦していくんだから!
私の挨拶が終わったあと、補佐官のふたりの挨拶。
やっぱり、サルバドールさんの挨拶は精練されてうまい。
マルセイユさんは、まだ慣れてないのかつっかえながらも必死さをアピール。
全員の自己紹介や今後の方針を周知したことで終わり。
次に待っていたのは、街の有力者との会談。
有力者たちは、自分の利権を守るためにゴーイン元侯爵にしたように賄賂を贈ろうとした。
そこで、レーカが
「賄賂は、お受け取りできません。ご自分たちの利権を守りたいのであれば、相応の努力を致してください。もちろん、賄賂という形の努力は認めません。」
はっきり有力者たちに伝えた。
「何を言っておる、小娘ごときが!我々を守らずして、誰を守ると言うのだ。このことは、領主さまに直々に伝えさせていただく。」
有力者を取り仕切っている代表が脅しをかける。
「そうですか。少々、お待ちいただけますか?席をしばし外させて頂きます。」
そう言って、補佐官を残し退出するレーカ。
そして、ヤマトに連絡し事の次第を報告。
「その件については、レーカが好きにしたらよい。その有力者たちを排除するのであっても構わない。」
ヤマトは、それだけ言って通話を終了する。
レーカは、会合の場に戻り
「考えをお改めになりましたか?そうでなければ、退去命令をだし領内の各街に事の次第を報告させていただきこの領内での活動を制限させて頂きます。」
強気な発言をするレーカを横目に
「補佐官殿、代官にそこまでの権限がございますか?領主さまもこのような暴挙を許そうはずはない。」
「代官のレーカさまの決めた事でございます。私ども補佐官は、それを補佐するためにいます。街の不利益になる事でも命令に従います。」
「使えぬ。補佐官め!」
そういうやり取りをして、有力者はすぐに領主さまに連絡をとれ代官を罷免するように進言しろと付き人に命令。
そこで姿を現すものがいた。ヤマトである。
「ふむ。俺に何か用かな?街の事は、レーカに好きにするように命じてある。俺は口出しはしないぞ?」
アマツ公爵の発言である。
「成り上がりの公爵ふぜいが!」
ヤマトにまで食って掛かる有力者たち。
「ここまで、腐っていたのか・・・ ゴーイン元伯爵の統治能力は、ゼロだったな。」
飽きれた表情で言う。
「では、レーカの代わりに命ず。本日より10日以内に我が所領からの退去を命ず。商業資格のはく奪の上、財産を没収。既定の期日までに所領から出ていない場合は拘束のうえ強制労働を科す。」
ヤマトは、レーカの言ってた事以上の命令を出す。
「そんな横暴が許されるのか?」
「許すも許さないもここは我が所領、自治権は俺が持っている。わかったなら、早々に立ち去れ。」
ヤマトは、有力者たちだったものが出ていくの確認し
「とりあえず、邪魔になりそうな者は排除した。補佐官と協力し、街を発展させてくれ。」
レーカにそれだけ言うと部屋を出て行った。
そして、城塞都市に戻りマリアとジュビアに王と王都の商業ギルドにその件を報告するように命令し通常業務に戻るのだった。
レーカだけでは事態の収拾はなりませんでした。ヤマトが命令を下し、不安要素を一掃してしまいました。これからの彼女の活躍に期待したいものです。誤字脱字等があれば、報告お願いします。




