王都の冒険者ギルドと決別
冒険者ギルドから、呼び出しを受けるヤマト。
朝早く、宿屋の主人によりヤマトは起こされた。
冒険者ギルドからヤマトの呼び出しの連絡が来たようだ。
『まだ、眠いのにギルドが俺に何の用だろう?やっぱり、ガルドたちは預かれないとかそういう話なんかな?』
眠い眼をこすりながら起きだし顔を洗い、ギルドへ向かう。
ギルドカウンターのノエルに
「ヤマトですが、呼び出しされましたので来ましたけどやっぱりワイバーンの関係ですか?」
「少々お待ちください。マスターに連絡を取ります。」
ノエルはそう返事して、ギルドの奥に入っていった。
「ヤマトさんどうぞこちらに来てください。応接室にご案内します。」
ノエルの後をついていき、応接室に通される。
『ほんと、俺ってギルドの応接室によく通されるな・・・』
ヤマトは、そんな考えをしつつ中に入る。
「失礼します。ヤマトさんをお連れしました。では失礼します。」
ノエルは、そう挨拶して部屋を出ていった。
中には、数人の立派な服装をした人間がソファーに座っている。
一人だけ別のソファーに座っている男がヤマトに話しかける。
「よく来たなヤマト。俺は、ここのマスターのヨシュアだ。まぁ、座れ。」
と自分の隣のソファーを勧める。
「それで要件なのだが、こちらにいらっしゃる貴族のマズクズ子爵、キットカス伯爵、ゴーイン侯爵がお前のテイムしたワイバーンとフレイムホースが欲しいそうだ。」
マスターが要件を前置きなしに伝えてきた。
内容は、子爵がフレイムホース1頭、伯爵がワイバーン1匹、侯爵がワイバーン、フレイムホース共に1匹づつという事らしい。
「申し訳ありませんが、どちらもお譲りするつもりはございません。テイムを解けば、魔物たちは暴れだすと思いますが大丈夫なのですか?」
「それなら、隷獣の首輪がある。それを付けることにより、魔物は言う事を聞くようになる。」
「そうですか。しかしながら、従魔をお譲りすることは致しません。」
ヤマトは繰り返しそう意思表示をする。
「お荷物職のテイマーごときが貴族に逆らうのか?」
マズクズ子爵が気色ばむ。
「そう仰られても、お譲りすることはできません。」
ヤマトも強気な返答をする。
「不敬罪である。わし等の言う事に聞く耳を持たぬ輩など衛兵に拘束させてやる。」
とキットカス伯爵が言いだす。
「マスター、俺は何か間違ったことを言ってますか?貴族様にお譲りできませんと断ることが不敬罪に当たるものですか?」
「不敬罪とは言わないが、侯爵さまたちに譲ることは出来ないのか?」
弱気な意見を出すヨシュア。
「冒険者ギルドは、冒険者を守るためにあるのでは?違うのですか?」
「確かにそうなのだが、この方たちはギルド設立時の出資者でもあるのだ。」
「俺には、そういう事情は関係ありません。そうですね。それじゃ、仮に俺が譲るとしましょう。その場合、フレイムホースは1頭につきプラチナ貨10枚、ワイバーンは1匹につきミスリル貨50枚でお譲りする事にしましょう。」
とんでもない条件を提示するヤマト。
「儂らを馬鹿にするのもいい加減にしろ!そんな金で誰が魔物を買うやつがいる?」
キットカス伯爵が大声をあげる。
「ふむ、君の発言はよく覚えておくよ。これから、王都でのんびりしていられると思うなよ?マスター君もだ。管理不行き届きだ。」
ゴーイン侯爵がそう言い、2人を連れて出ていく。
3人の貴族が出ていった後、ギルドマスターのヨシュアは頭を抱えた。
「どうして、穏便に済ませてくれなかったんだ。僕までとばっちりを受けてしまったじゃないか。」
ヨシュアは、ヤマトに文句を言う。
「マスターの考えはわかりました。ギルドの保護下にいても、意味がない事がわかりましたので俺自身で対抗ギルドを作ってやるとします。預かってもらった従魔も今引き取って行きますので今までありがとうございました。」
そう言って、応接室を出てカウンターへ
「ノエルさん、預かってもらってる従魔を引き取りますので今までの預り料金をお支払いします。」
そう言って、1プラチナ貨を渡す。
「多すぎます。こんなに受け取れませんよ。」
「いえいえ、構いません。俺は、もうギルドとは関係なくなるので迷惑料込ってことでお願いします。」
「何があったのですか?」
ノエルから問いかけられ、説明をする。
「なんて、ひどい・・・。ヤマトさんがギルドを作ったときは、私を雇ってくださいね。」
ノエルにそう言われてしまった。
「数日でしたが、本当にノエルさんにはお世話になりました。」
ヤマトは、礼を述べ従魔たちを引き取り王都の外へ
王都からかなり離れると、ヤマトは転移魔法を用いアイキナイトへ帰還。
「アイキナイトの入口で門番に従魔が増えました。危険はありませんので、通して貰えますか?」
と領主が後見人であるという証を見せる。
そして、好奇な目など様々な視線に晒されながら屋敷へと戻った。
「すまんが、屋敷の周りにこいつらを離しておくのでエサをやっておいてくれ。俺は、また王都に戻る。何かあれば、サーニャに連絡させてくれ。」
屋敷をでて、領主さまの屋敷に出向く。
「すみませんが、領主さまにお会いできないでしょうか?ヤマトが来たとお伝えください。」
領主は、忙しい中屋敷の入口まで出てきてくれた。
「どうした?何やら街が騒がしいようだが貴様のせいか?」
「はい。たぶん、俺が原因だと思います。フレイムホースとワイバーンをテイムしたので連れてきました。自分の屋敷の庭でそこから出ないようには言ってあります。」
「わかった。一応、街のものと衛兵にはその旨を周知させよう。神も大変な人物を紹介してくれたもんだ・・・」
領主は、若干頭を抱えながらも許可を出してくれた。
「ありがとうございます。これから、俺はまた王都に出向きますので何かあれば屋敷の者から連絡取るようにしていただきたいと思います。」
ヤマトは、領主にそう告げ冒険者ギルドへ行き、
「サーニャ、マスターに会いたいんだが都合着くかな?」
「大丈夫だと思います。こちらへどうぞ。」
サーニャにマスタールームに案内される。
「サーニャです。マスターに用事があるとの事なのでヤマトさんをお連れしました。」
「失礼します。ヤマトです。サーニャさんも一緒に話を聞いてください。」
そして、これまでの経過王都のギルド及び貴族とのトラブル、従魔を屋敷に連れてきた旨を説明。
「ということで、王都に戻り冒険者ギルドと店を作ってきます。迷惑かける可能性が高いと思われます。申し訳ない。」
「仕方ないな。好きにしろ。何かあれば、すぐに連絡をよこせ。俺にも貴族に伝手はあるからな。」
「ありがとうございます。では、ここから一気に王都へ戻ります。最近、転移魔法を覚えたので。」
「え?転移魔法?それは、失われた魔法じゃ・・・」
返事を聞かないうちにヤマトは王都の入口手前数キロの場所に転移した。
王都の貴族と冒険者ギルドとやり合う覚悟を決めたヤマト。どういう風に仕返しをしていくだろうか。




