91話 (朝日以外)。
91話 (朝日以外)。
「一回でいいから、俺の神生を代わりにやってみやがれってんだ!! 全部、キッチリ、同じ目に遭ってみて、それでも、『気分のいい人生』って言えたなら、その時はてめぇを心底から気色悪がってやらぁ!」
罵声を浴びせられても、
バーチャの口角は、ゆっくりと吊り上がった。
アイテムボックスが開き、そこから一枚の魔カードが取り出される。
先ほど、蝉原から奪い取ったもの。
――原初魔カード『異邦』――
「苦しめ……センエース……」
ニタァと、粘つくような笑みを浮かべながら、
バーチャはそのカードを破り捨てた。
次の瞬間、空が歪む。
まるで世界そのものに穿たれた傷のように、巨大な穴が開いた。
そして、そこから……
人間が、降ってきた。
否、落とされてきた。
無数に。
センの目に映ったのは、見覚えのある……『家族の顔』だった。
「おいおい、マジでウゼぇことしてくれるじゃねぇか……」
――ゼノリカの天上・天下に属する者たち。
総勢、数百名。
アダム。
三至天帝。
五聖命王(朝日以外)。
九華十傑。
九華の第十席。
楽連。
百済。
沙良想衆。
200兆年という気の遠くなる時間をかけ、センエース自身が徹底的に病的に執念深く鍛え上げてきた超人たち。
最弱でも『存在値1000兆』を超える、常識外れの集団だった。
個々の戦力だけを見れば、間違いなく化け物揃い。
だが――
今のバーチャを前にして、正面から抗える者は、一人もいない。
バーチャの視点では、
ゼノリカの精鋭も、そこらを歩く一般人も大差ない。
等しく虫けら。
鼻息ひとつで殺せる、か弱い微生物。
「しゅ、主上……様……こ、これは……」
アダムが、センとバーチャを交互に見ながら、声を震わせる。
状況を理解しているわけではないが、
バーチャからにじみ出ている異常なほどの禍々しいオーラを前にして、
本能が恐怖を感じてしまっている。
アダムだけではない。
全員そう。
シューリも、ミシャも……
破格の剛毅を売りにしているカンツでさえ、
根源的恐怖を前にした震えを止めることができていない。
震える配下たちの前に立ち、センは一歩踏み出した。
その背には迷いも躊躇もなかった。
「ソウルフル・アマルガメーション!!!!!」
一切の間を置かず、
トウシへの確認も、冗談めいた軽口もなく、
センはトウシの手を強く掴み、自らの胸部へと押し当てた。
腹の底から、全存在を叩きつけるように叫ぶ。
次の瞬間、
目が眩むほどの、荘厳な輝きが爆発的に放出された。
世界そのものが白く焼かれたかのように、カッと、視界が塗り潰される。
光が奔流となって渦巻き、
やがて、急激に収束していく。
その輝きが完全に消え去った時、
そこに立っていたのは――
「異次元砲ぉおおおおおおおおおおお!!」
――センエースをベースとした『融合戦士センキー』の威容だった。
問答無用で一撃必殺の技を放つセンキー。




