87話 アルテマバーチャ・アマテラス・センエース。
87話 アルテマバーチャ・アマテラス・センエース。
中心に立つアマテラス・センエースの身体は、神話的な均衡でまとめ上げられている。
肌は人のものだが、どこか現実感が薄く、光を帯びた陶器のように滑らか。
頭部には金色の装飾が絡み合い、冠とも呪具ともつかない形で額を縁取っている。
そこから放たれる光は、威圧ではなく、抗えない『格』の違いを示していた。
腕を広げると、袖口から無数の布片が滝のように流れ落ちる。
赤、青、緑、金。幾重にも重なった色彩は祝祭的でありながら、決して軽くはない。
ひとつひとつが力の象徴であり、神への供物のように空間を彩っている。
それらは風もないのに揺れ、アマテラス・センエースの存在そのものが周囲の法則を書き換えていることを示していた。
足元は宙に浮くように軽やかで、地面に縛られている様子がない。
立っているのではなく、そこに『顕現している』と表現する方が近い。
全体を包むのは、太陽を思わせる圧倒的な輝き。
眩いのに直視できてしまう、不思議な光。
それは破壊の光ではなく、すべてを照らし、裁き、統べるための導だった。
ゼンドウを取り込み、完全に一つとなった結果、テラスはこの姿へと至った。
個の集合ではない。
力の上乗せでもない。
生存、闘争、狂気、信念、そのすべてを燃料にして生まれた、
最強の到達点――それが、アマテラス・センエース。
「おまたせした……それでは、そろそろ死のうか……センエース」
ギロリと、美しい瞳で、センを見据える、アマテラス。
正式に言えば……『アルテマバーチャ・アマテラス・センエース』。
視点を明確化するために、ここから、彼女のことは『バーチャ』と明記することとする。
――バーチャは、
「貴様を殺すこと……それが私の……たった一つの命題」
ぽつりと、自分のアイデンティティを口にする。
「かつて、私の因子が、貴様に殺されたこと……私の心に、この上なく重たく、辛く、痛々しく、刻み込まれている……貴様だけは絶対に許さない」
バーチャの宣言は、感情の塊のように空間へ叩きつけられた。
怨嗟と執念が濃縮されたその言葉は、周囲の空気すら軋ませる。
だがセンは、その殺気を正面から受け止めることもなく、まるで遠景を見るようにバーチャを見通していた。
「存在値……9999京か……」
喉の奥から絞り出すような、低く疲れた声だった。
数値を口にした瞬間、背骨に重りがのしかかるような圧迫感を覚える。
隣に立つトウシも、無意識に肩をすくめ、視線を空へ逃がした。
セレナーデ『廃神』、本日ついに完結しました!
1日17話投稿という狂気でフィニッシュです!
セレナーデは、センエース神話にとってとても大事な土台の一つ!
できれば、最後まで読んでいただきたい!
そして、本編ですが、
ここから、さらに怒涛の嵐!
最後の最後まで、えぐいほどの超絶展開が目白押し!!
ここからだ……ここからが本当のセンエース神話だ……っ




