表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【コミカライズ】センエース~舞い散る閃光の無限神生~  作者: 閃幽零×祝百万部@センエースの漫画版をBOOTHで販売中
最終A章 太陽。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

6204/6233

85話 絶対に負けない。


 85話 絶対に負けない。


 テラスは血に濡れた地面を踏みしめ、呼吸を整えながら、正面のゼンドウを見据えていた。

 ゼンドウは、もはや立っているだけで奇跡に近い状態。

 装甲は砕け、肉体は裂け、存在値の揺らぎが視認できるほど不安定になっている。

 それでも、彼の眼は死んでいなかった。

 彼は絶対に自分の勝利と正義を疑わない。

 疑ってしまった瞬間に朽ちてしまうから?

 ちがう。

 マジのキチ〇イだから。


 ――ゼンドウの覇気に呼応するかのように、テラスの内側で、確かな熱が膨れ上がっていく。

 魔力の循環が加速し、思考が研ぎ澄まされ、戦場のすべてが遅く見え始める。

 ボルテージが限界域へと達した合図だった。


 ――ゼンドウは、口元を歪め、血を吐きながらも腕を掲げた。


「死ねよ、糞女ぁああああ!! 『カース・ナチュキ・フリーダム』ゥウウウ!!!!」


 次の瞬間、空間が歪み、無数の影が裂け目から溢れ出した。

 召喚されたのは……鼻から上がない女。

 禍々しい刀を装備したナチュキたちが、絶叫もなく大量に出現する。

 その一体一体がカスタム化された神獣カースソルジャーと融合しており、存在するだけで周囲の空気を腐らせていく。

 重苦しいデバフが波のように広がり、ホール全体の色が沈んだ。


 だが、テラスは一歩も退かなかった。

 迫り来る大群を前に、彼女は静かに手を広げる。


 魔力が、圧縮され始める。

 空間、熱、音、そして死の概念までもが、ひとつの点へと引き寄せられていく。



「――『弧虚炉・天螺・終焉加速』――」


 宣言と同時に、空間そのものが軋み、内側へと強引に折り畳まれた。

 視界が歪み、重力の向きすら曖昧になる。

 大量に召喚されていたナチュキたちは、抵抗の動作を取る暇すら与えられなかった。

 螺旋を描くように魔力へ引き寄せられ、存在値ごと圧縮されていく。

 刀が折れ、肉体が潰れ、呪いの気配が悲鳴の代わりに弾け飛ぶ。

 それらは一瞬でひとつの魔力塊にまとめ上げられ、次の瞬間、痕跡も残さず霧散していた。


 耳鳴りのような余韻だけを残し、衝撃波がゆっくりと収まっていく。

 闘技場の中心に残っていたのは、微動だにせず立ち尽くすテラスと、膝から崩れ落ちたゼンドウだけだった。


「ご、ゴミ女ぁ……」


 声はかすれていたが、その瞳から光は消えていなかった。

 肉体は限界を超えてなお、心だけが異様なほど強くしがみついている。

 決して心は折れていない。

 いまだ、ゼンドウは、自分を信じていた。

 その狂気的な信念と根性だけは、『センエース的』と言えなくもなかった。


「絶対に、僕はてめぇに負けないぃいい! 貴様のような悪は絶対に――」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
自作コミカライズ版深淵1話(37話)公開中!ここから飛べます。 『廃神~ぼくのループものクトゥルフ高校生活もついに100周目突入~』 また「センエースwiki」というサイトが公開されております。 そのサイトを使えば、分からない単語や概念があれば、すぐに調べられると思います。 「~ってなんだっけ?」と思った時は、ぜひ、ご利用ください(*´▽`*) センエースの熱心な読者様である燕さんが描いてくれた漫画『ゼノ・セレナーデ』はこっちから
― 新着の感想 ―
ゼンドウの「マジのキチ〇イ」っぷりが徹底していて、 逆に清々しさすら感じます(笑)。 心だけは折れずに自分の正義を叫ぶ姿、 確かにどこか『センエース的』な泥臭さがあるのに、 やってることが救いようのな…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ