75話 実際、すごすぎるゼンドウ。
75話 実際、すごすぎるゼンドウ。
「――なんでもかんでも複雑化しすぎだ……」
しんどそうにそう言ってから、ゼンドウは、
「永久閃光神化2」
自分の中に注ぐように、居所指定方式で、最終固有神化2を使用する。
その結果、ゼンの全てがドクドクと脈動し、禍々しいオーラに包まれる。
おどろおどろしいほどの『神々しい漆黒』が、鮮血よりも深紅な電流で満たされる。
センは、怪訝な目で、その様子を見届けながら、
「お前……なんで、『永久閃光』を使えんの? お前の固有は『道徳なんとか』じゃなかった?」
「僕ぐらいになれば、型落ちの神化をコピーするぐらい造作もない。ゴミ以下の君とは出来が違うんだ」
「へー、そっかー、すごいんでちゅねー」
などとやっていると、
ゼンとゼンドウの中の狂気が合致していく。
ゼンが金庫で、ゼンドウがカギ。
重なりって、原初の龍が始動する。
グググっと沸き上がる膨大なシルエット。
『ゼン』の中に刻まれていた『プライマルの種』は、薄く笑って、ゼンドウに身をゆだねた。
プライマル・センエース自身は、表に出る気が無い模様。
ただただ、自分という武器を、ゼンドウに貸し与えているみたい。
「はぁああ……」
プライマル・センエースと重なって、
その力の一部を手に入れたゼンドウは、
「あとは……シュブ=ニグラスの……自浄型破壊衝動の力があれば……僕が完成する」
そうつぶやき、
――ギラリと、『シグレ』を睨みつけた。
今もなお、センの呪縛で身動きできないシグレ。
ゼンドウは、流れのまま、シグレに襲い掛かる。
その初動を受けて、センも反射的に動き出した。
「それは流石に――」
許さねぇよ、と言いかけたところで、センの全身がビシリと固まる。
シグレにかけた呪縛を解く暇もない速攻の麻痺。
「ぁ?!」
理解できない謎の金縛りに対して、センは困惑するばかり。
「な、なんで――」
――ネタバレになるが、その原因は、センエースの中のプライマル・センエース。
プライマル・センエースは、ゼンドウに協力する形で、センエースの敵になる道を選択している。
――センは長時間拘束されたワケではない。
ほんの一瞬。
コンマ数秒の金縛り。
それでも十分だった。
ゼンドウはコンマの間に全てを終わらせた。
――シグレが状況を理解するよりも何億倍もはやく、
シグレをバクリと頭から丸のみしてしまった。
ゼンドウは、飲み込んだシグレを速攻で解析し、
シグレの要素をテキトーに排除した上で、
――彼女の中に刻まれた『シュブ=ニグラス』の力だけを丁寧に抽出して奪い取る。
一瞬のうちに行われた『それら一連』に対して、センは苦々しい顔で、
「おいおい……何もかもが随分とスムーズだな……」




