71話 基本的に、ずっと、数字の桁が大きすぎてピンときません。
71話 基本的に、ずっと、数字の桁が大きすぎてピンときません。
「……めちゃくちゃなことばっかり……言ってくれるなよ……こちとら、ちょっと前まで、ただの中学生だぜ……それなのに……世界最強の神様に勝てなきゃ、世界が終わる? おいおい……えぐいにもほどがあるぜ……」
「その程度の難易度でごちゃごちゃ抜かすな。こっちは、その面倒事を処理するために2垓年も駆けずり回ってんだぞ」
「……さっきから、なんだよ、2垓年って……数字がでかすぎて、ピンとこねぇんだよ」
「俺だって同じだ。俺は雰囲気で2垓年という数字を使っている」
センエース同士、お互い、辟易した顔で、どんよりしていると、
――そこで、
ゼンの中にいる『ゼンと融合した蝉原』が、
(もし、こっちをメインにしてくれるなら、可能性は残るけど?)
と、脳内で直接声をかけてきた。
ゼンは、
「本当に? 別に、もう、全部をお前にあげるのはいいんだけど……本当に勝てる? 無理じゃない? あれに勝てるって本気で思う?」
そこで、センが、
「お前が喋っている相手……もしかして蝉原か?」
「え、あ、うん。さっき、蝉原と合体して……」
「蝉原はなんて言っている?」
「……蝉原をメインにすれば可能性は残るって」
「いい度胸じゃねぇか。よし、ゼン、蝉原と変われ」
ゼンは、困惑を全面に押し出すように、眉間にしわをよせて、センに、
「こ、ここまでのあれこれから推測するに、たぶんだけど、あんたって、未来の俺的なやつだろ? 過去の自分が蝉原に乗っ取られるのは別にいいの?」
「蝉原なら別にいい。あいつは有能だ。俺は詳しいんだ。少なくとも、お前よりはな」
「……うっぜぇマウントの取り方……」
そこで、ゼンは、蝉原に全てをたくすことにした。
実際、ゼンも、自分より蝉原の方がうまくやってくれるんじゃないかと思ったから。
センエースという個体は、ガチで、中学の時から、蝉原のカリスマに心酔している。
「ぅぅ……うぅううう!!」
ゼンの中で、何かが変わっていく。
骨格から何から、一度バラバラになって、
そして、再構築されていく。
その結果……
「……えぇ……」
センは、思わず苦い顔をする。
新しく構築されたゼンの姿は……
センの記憶に深く刻まれている例の正義マン、
――『ゼンドウトクシン』のものだった。
「……は? どういうこと?」
疑問がそのまま口を突いて出た。
そのままセンは、彼に、
「蝉原をメインにしたんじゃないの?」
問いを受け、ゼンドウは一度、肩を回した。




