62話 全力中の全力。
62話 全力中の全力。
センエースの煽りを受けて、
ゼッキは一度、
ギリ、と奥歯をかみしめた。
そして、
「これで終わりだといつから錯覚していた?」
テンプレを吐き捨てるように口にし、
「……開け、殺神遊戯モード」
強化モードを起動する。
稼働時間が極端に短くなる代わりに、
スペックを爆発的に引き上げる積み技、
『殺神遊戯モード』。
さらに、間を置かず、
「開け、天影太陰モード」
宣言の直後、
ゼッキのエグゾギアは翡翠の粒子に包まれた。
同時に出現した複数のジオメトリから、
蒼黒のオーラを放つゼッキの影が生まれる。
8体の天影が、
ギッと、センエースを睨みつけた。
終わりではない。
8体の天影と、ゼン本人の全員が、一斉に叫ぶ。
「「「「「「「「「オーラドール・アバターラ」」」」」」」」」
最高峰の分身魔法が発動する。
結果として、
そこには180体のゼッキが出現した。
180体のゼッキは、
出現と同時に、
一斉に右手を天へ掲げる。
「「「「「「「「「「「「「「「「開け、烈空閃光モード」」」」」」」」」」」」」」」」
宣言と同時、
180体のゼッキが鋭い閃光に包まれた。
強烈な発光。
すべての闇を引き裂く極大の輝きは、
在る瞬間をもって、一斉に霧散する。
――光が晴れた後に残ったのは、
「……あんたの底が見えない以上……手抜きはできねぇ」
深きオーラに包まれた、『独り』だった。
「マジの全力中の全力でいく……殺してしまうかもしれないが……あんたが強いのが悪い。こっちも命がけなんだ……死にたくないなら、今すぐ降参してくれ」
すべての天影とオーラドールを飲み込み、
存在値を劇的に底上げした、
聖なる殺神アスドラ・ゼッキ・ミラージュ。
その存在値は『5000億』。
それを見たセンは、優雅に、
「余計な心配するなよ、ボーイ。ここだけの話だが、俺の全力は、今のてめぇの『700万倍』以上ある」
「ああ、そうかよ……すごいね、大したもんだ」
と、まったく信じていない声でそう言う。
ここまで散々チートな成長で爆裂強化の連鎖をかましてきたゼンも、流石に『いくらなんでも、そんなわけはないだろう』と思ってしまう。
この期に及んで、まだ、常識の中に囚われているゼンは、
「だったら、殺してみろよぉおおお!! 全開中の全開の俺をぉおお! オーバードライブッッ!! サイコッッ!! ジョォオカァアアアアアア!!!」
叫びの直後、
ゼッキの全身が、それまでとは異質のオーラに包まれる。
エグゾギアの全駆動領域が、ギュンギュンと音を立てて、
胸の中心部にあるコアが、太陽のような強い光を放つ。




