48話 ネタバレ。
48話 ネタバレ。
「――このとんでもないミッションをクリアするために……おどれは、これまで、100万回以上……2垓年以上にも及ぶ時間旅行を繰り返すハメになった」
トウシの説明に対し、センはしんどそうな顔で、
「その辺詳しく――」
「冒険者試験をクリアした結果もらえる『冒険の書(本免許)』を使って扉を開くと……その先で、おどれは『コスモゾーンダイアリー』っていう日記と、5つのカギを手に入れる」
「……くそみたいにネタバレの嵐をくらいまくってんだが、シナリオ的に大丈夫?」
「週刊連載の漫画やったら大問題やろうけど、これは現実やからな」
「……そうですか」
センはベッドに寝転がったまま、視線だけを天井へ泳がせた。
「言葉だけで説明しても分かりづらいから、映像で見た方がええな」
そう言いながら、トウシは片手を軽く掲げた。
指先に集まった魔力が空間を撫でるように広がり、センの目の前で収束する。
次の瞬間、宙に半透明のエアウインドウが展開された。
枠も装飾もない、純粋な映像投影。
そこに映し出されたのは、冒険者試験に合格した直後の光景だった。
――冒険の書を使って開いた扉の先。
映像の中の世界は、白一色だった。
壁も床も天井も判別できず、距離感すら意味を失っている。
穢れという概念そのものが削ぎ落とされたような、特殊な時空。
音はなく、風もない。
ただ、視界だけが、無言の圧をもって広がっていた。
そのど真ん中に、一冊の本が置かれていた。
他には何もない空間に、ぽつりと存在する異物。
表紙は質素で、余計な意匠は一切ない。
だが、そこにあるだけで、否応なく意識を引き寄せられる。
見ようとしていなくても、視線が吸い込まれてしまう。
そんな、説明のつかない存在感を放っていた。
本の周囲には、5本の鍵が散らばっていた。
金属の色は黒に近く、鈍い光を反射している。
形状はそれぞれ微妙に異なり、用途の違いを示すかのようだった。
そして、どの鍵からも、共通して漂う気配があった。
胸の奥がざわつき、理由もなく落ち着かなくなる。
ただ眺めているだけで、本能が警戒を訴えてくる、まがまがしさ。
「この5本のカギの用途は……」
トウシの声が、映像の上から重なる。
説明口調だが、どこか慎重さが滲んでいた。
映像を見つつ、トウシが適宜解説をはさむ。
5本のカギの用途は以下の通り。
・第十アルファにいる過去の自分の腹に埋め込む鍵(のちのち蝉原に破壊される)。
・超苺の前で落とす鍵(過去の原初世界にタイムスリップする用)。
・トウシの前で落とす鍵。
・ザンクの前で落とす鍵。
・第十アルファに飛ぶための鍵。




