45話 武神、悪神、知神の、ズッコケ三神組。
本日の2話目です。
45話 武神、悪神、知神の、ズッコケ三神組。
諸々落ち着いてから、
汚い宿屋の一室で、
世界最高位の力を持つ化け物たちの会議が始まった。
全世界最高位の悪神蝉原が、
「どっちから未来について語る?」
そう切り出すと、
全世界最高位の知神トウシが、
「ワシが説明する。お前は大事なところで嘘つくやろ?」
「もちろんだとも。そうじゃなきゃ俺の存在意義がない」
黒く微笑む悪神蝉原を尻目に、
全世界最高位の武神センエースが、
「ぁ、ちょうちょ」
窓の外を見つめながら、アホの顔で、ボソっとそうつぶやく。
ちなみに、蝶々は飛んでいない。
『己以外に頼る相手がいないとき』は、魂を刃にして、無限の戦気で世界を穢す敵に狂気の牙を剥き続ける偉大な閃光だが……『頼りになる相手がいる時』の彼は、無気力でやる気のないアホの子に成り下がる。
トウシが、一度、ゴホンとセキをしてから、
「とりあえず、ざっくり説明する。まず、簡潔に結論から……次の『5次試験』では受験生同士で戦うことになる。普通にタイマンして勝ったら合格、負けたら不合格」
大事な説明を受けたことで、
センの顔が、多少はまじめなソレになり、
「シンプルだねぇ。試験内容を考えるのがダルくなったのかな?」
などという茶々にも負けず、
トウシはたんたんと、
「その試験で、『ゼンがセンエースに負ける』とシグレが死ぬ」
「……ああ、そういや、冒険者試験に不合格になるとシグレが呪い殺されるって話だったっけ……」
その話は、トウシから事前に聞いている。
センは、ダルそうに、ベッドに寝転がりながら、
「その点に関しては、俺とゼンが闘わないようにすればオールオッケーじゃね?」
「無理。何をしても運命のアリア・ギアスが働いて、おどれとゼンの闘いが始まる」
「あのさ、前から思ってたんだけど……運命のアリア・ギアスって、俺の事、嫌いすぎじゃね? 俺、もう、いい加減、運命と仲良くしたいんだけど。これまでは、ちょっとした誤解とすれ違いで、仲たがいしてたけど、話し合えば分かり合えると思うんだよねぇ……トウシきゅんさぁ……ちょっと、悪いけど、俺と運命氏の仲直りの場をセッティングしてくれない? 正装して、菓子折りもっていくからさぁ」
特に意味もなく場をかきまぜるセンの言葉を、トウシはガン無視して、
「ゼンがセンエースに勝つこと……これ以外に、絶望の未来を回避する手段はない」
「うざいねぇ。となると……負けるしかないか……めんどくせぇ……来年まで冒険の書はお預けくらうのか……だりぃ……つれぇわぁ」
しんどそうな顔をしているセンに、
トウシが、眉間にしわを寄せて、
「ここで、何よりの大問題。……センエースが『本気』でゼンと戦わんと、勝とうが負けようが、シグレが暴走してシュブ化する」




