37話 というわけで、正式に4次試験合格!
37話 というわけで、正式に4次試験合格!
「……」
ミハルドは言葉を失ったまま、しばし硬直した。
彼への視線を外し、センはハルスへと顔を向ける。
「俺のラッキーマンぶりを甘くみるなよ。俺が誇る最強のプラチナスペシャル『ラッキーニルヴァーナ』の前では、どんな難問も意味をなさないのだ。まあ、仮に、それがなかったとしても、俺が誇るもう一つのプラチナ『オーバージーニアス』をフル稼働させれば、運に頼ることなく、秒で龍紋を見つけることができただろう」
胸を張って豪語するセン。
場の空気との致命的な乖離が、逆に異様さを際立たせていた。
言うまでもないが、センは、ラッキーニルヴァーナもオーバージーニアスも持っていない。
――と、そこで、ミハルドが、わなわなと震えながら、
「……シグナルズのメンバーがその場にいたはず。……彼に認められなければ龍紋を店から持ち出すことはできない……はず……運だけでは、この試験は絶対に……クリアできない……」
「ん? ああ、スーバンはんのこと? あの人なら、『お前は強いから合格』って言ってくれたよ」
「……」
その返答に、ミハルドは完全に黙り込んだ。
やがて、意を決したように通信の魔法を展開する。
クローンスーバンとの回線が繋がり、短いやり取りが交わされた。
返ってきたのは、淡々とした報告だった。
――『177番は問題なく合格』。
「……信じがたいが……どうやら……177番の発言は全て事実らしい……」
深く、重い溜め息をつく。
理解も納得も追いつかないまま、判断だけが下される。
「もういい。了解だ。ここにいる全員、4次試験、合格」
その宣言に、場の空気が一瞬揺れた。
それまで黙って様子をうかがっていたゼンが、間の抜けた声を上げる。
「マジで? え、マジでいいの? 俺ら、この3次試験と4次試験で、ほぼなんもしてねぇけど」
頬をぽりぽりとかきながらの発言だった。
事実、3次試験が始まって以降、ゼンがしたことは、ほぼゼロ……というかゼロ。
ハルスが他の受験生をボコボコにしているのを眺め、
その後、ハルスが『裏の情報屋』から『ターゲットの情報』を聞き出しているのを眺め、
その途中で、センから『ターゲットを始末した』という報告を受け、
慌ててこの会場へ戻ってきた――それだけ。
……マジでなんもしてねぇ。
ゼンに続き、シグレが、
「あのニーサン、すごいな……まあ、もう、正直、すごいんかどうかすら、ちょっと、よぉ分からんレベルやけれども。……二週間かかる試験を数十分でクリアとか……」




