33話 人類補完計画。
33話 人類補完計画。
「よっと」
センは、『風で飛ばされた帽子』でも掴むみたいに、
斬り飛ばされた頭部を、片手でサっと回収すると、
特に魔法を使うこともなく、
気合いのオーラだけで頭部を頸部に接合し、
「泣いて喜べ、シグナルズのスーバン。お前を再連に入れてやる」
「……ぁ?」
残身の姿勢から、剣を構え直し、センから絶妙に距離をとる。
『間違いなく首を斬り飛ばしたのにピンピンしているセン』に対して戸惑いが隠せないが、そんな事に驚いている余裕はないといった様子。
頭の中がぐちゃぐちゃで、とにかく、『どうにか殺さないといけない』という気合いだけがシナプスを加速させる。
ちなみに、センの足元で、センのイカれた不死身ぶりを見届けた店主は、今にも気絶しそう。
というか『この悪夢、はやく醒めてくれ』という顔で失神寸前。
そんな、こんがらがった状況で、センは、
とうとうと、
「俺は、ゼノリカという組織でお飾りのトップを担っている。あくまでも、お飾りにすぎないが、最低限の人事権はあるんでね。お前を正式にスカウトしてやる」
「ゼノ……リカ……お前が……」
上層部から、『秘密結社超魔王軍ゼノリカ』に関する話は聞かされている。
ピースメイカーの面々を震え上がらせた巨大テロ組織。
――間違いなくこの世界の上澄みである『超エリートのスーバン』から見ても、ピースメイカーのメンバーは雲の上の超人たち。
存在値80前後の凄まじい力を持った怪物ども。
スーバンは、シグナルズに入団する際、面接兼試験として、ピースメイカーのセレーナと剣を交えたことがある。
セレーナの強さは異常だった。
スーバンですら手も足もでなかった。
ぶっちゃけ、セレーナは、魔王国の女王リーンよりも強い。
そんな彼女が、ぶるぶると震えあがるほどの組織……それがゼノリカ。
スーバンは、さらにぐちゃぐちゃになった脳を必死にまわして、
「お前が……人類最大の敵、ゼノリカの頂点……ウルトラバイオレット・ゼロゼロナインなのか……」
「ん? あー……そうか、そういう計画だったな、そういえば……」
「なるほど。合点がいった。だからこその狂気……」
スーバンは、自分の中の情報と、その目で確認したセンの異常性を合致させると、
「貴様らの『人類補完計画(現地人を皆殺しにして、その血を生贄に、ゼノリカの上層部を神にする計画)』は……絶対に阻止させてもらう……」
「どうしようかなぁ……んー……ま、その辺の説明は、配下に任せようかな。めんどくせぇ」




