16話 原初魔カードは、どれもヤバすぎる。
16話 原初魔カードは、どれもヤバすぎる。
「今のとこ、普通に全世界から生命の息吹を感じるが……」
周囲の気配を探るように、センは視線を巡らせる。
センサーの範囲を拡大させるまでもなく、あちこちで人の気配がする。
「あんなシャレ、その場限りの嘘に決まっているだろう」
「ぇえ……」
「まあ、正確に言えば、原初の世界そっくりの無人世界を創造して騙しただけなんだけどねぇ……原初魔カードの力を使えば、そこまで難しくもなかったよ」
嗤っている蝉原を尻目に、
センは、ボソっと、
「……ま、ぶっちゃけ、そんなところじゃねぇかなぁ、とは思っていたけどな。……いやぁ、しかし、なんでもできるんだな、原初魔カード……俺にも2,3枚くれない? ほら、俺達って無二の大親友だろ? 心の友だろ? だからよこせよ。もしくは永遠に貸してくれ。あと、買ったばかりのバットの殴り具合を試させろ」
「親友の頼みじゃ断れないね。はい、どうぞ」
「え、マジでくれんの?」
センの声が裏返った。
思考が一瞬、完全に停止する。
差し出された原初魔カードを、センは恐る恐る受け取った。
蝉原は終始ニコニコしている。
まるで駄菓子でも配るかのような軽さ。
センはカードをじっくりと観察する。
そこに描かれているのは、意味不明な模様だけ。
効果説明も、注釈も、数値表記も存在しない。
強いて言えば、トレーディングカードのエネルギーカードに近い。
「蝉原さん……これ、どういう効果があるのか教えてくれませんか?」
「原初魔カード『地獄』……使うと、全人類が死ぬ。最悪F魔法『みんな死ねばいいのに』の超絶上位互換だね」
「やばいんですけどぉ。自爆型テロリストの手に渡ったら終わりの魔カードなんですけどぉ……」
「使用するために必要な魔力量がハンパないから、その辺の雑魚では使えないよ」
「……魔カードって、MPないザコでも魔法が使えるってのが最大の利点なのに……」
センは警戒しながら、解析魔法を発動させ、原初魔カード『地獄』の内部構造を覗き込もうとする。
だが、何も見えなかった。
情報は一切返ってこない。
まるで、カードそのものが解析という行為を拒絶しているかのようだった。
「俺の解析を弾くか……んー……」
少しだけ悩んでから……
「ま、もし、9に変身することで、永久2の時みたいに禁獣化が起こったら、その時はまたタイムリープすればいいか……」
と、つぶやいてから、
「――究極超神化9」
簡易変身をぶちかます。
存在値が暴力的にぶちあがっていく。




