15話 こんな性格でさえなければなぁ……
本日の5話目!!!
15話 こんな性格でさえなければなぁ……
センはわざと間延びした口調で返す。
冗談めかしてはいるが、その奥には本心が混じっていた。
「はは、御謙遜を」
蝉原は軽く笑う。
「さっきからずっと思っていたが、お前の嫌味のキレ、前と比べて数段伸びているな。どうした? ダイジョ〇ブ博士の手術でも受けた?」
ため息交じりにそう言ってから、
センは続けた。
「てか、世界の王になってくれるなら、殺されてやってもいいんだが。俺を殺し、俺を喰らって強くなれよ。そして、トウシを宰相にして、その力とカリスマとトウシの頭脳で世界を完成させろ」
「その冗談は聞き飽きたよ」
「人の懇願を冗談でくくるな」
「……何度でも言うけど、君が死んだら、俺は世界を壊すよ。世界なんかどうでもいいけど、そうじゃないと君が本気で俺の遊び相手になってくれそうにないからね」
「……はぁ……なんで、こいつ、こんな変態なんだろ……こんな性格でさえなければなぁ……」
センは頭を抱え、心底うんざりした様子で呟いた。
「眉間にブーメラン刺さってますよ」
微笑み、蝉原は一歩踏み出して、
「というわけで一時休戦だ、センくん」
手を差し出した。
握手の意思を、あからさまに示す。
センはその手を一瞥し、腕を組んだまま、
「面倒事を処理するために共闘するってのは、たった一つのさえたやり方だが、同行するのは勘弁してくれや。……異世界を旅する時はね、誰にも邪魔されず自由で……なんというか救われてなきゃあダメなんだ。独りで静かで豊かで……」
「無理だね。俺は君の大ファンだから、一緒に行動したい」
「マジかよ……普通にヤダな……鬱陶しいな……殺そうかな」
「悪人みたいなこと言っちゃだめだよ、センくん。君は世界一のヒーローなんだから。世界一のヒーローは、『殺す』なんていう、物騒でコンプライアンスに引っかかることは言わない」
「……『行くぞ、〇〇、殺してやる』ってのが、俺の決め台詞の一つなんだけど……」
「センくんは、そんなこと言わない」
「いや、何回も言っているんだが……お前に対して、何回も何回も……」
「公式が解釈違い。センくんは美しくなければいけない。美しくないセンくんなんていらない」
「厄介ファンェ……」
センは深くため息をついた。
心底うんざりした様子で、肩の力を抜く。
「つぅか、確か、『魔王だらけの世界』に火の玉状態で飛ばされる前の段階で、『全世界の生命が皆殺し状態になっていた』と思うんだが……あの辺の設定はどうなったんだ? 今のとこ、普通に全世界から生命の息吹を感じるが……」




