12話 蝉原のアニキは博識でカリスマでスマートで大人。
本日の2話目!
残り3話は午後に投稿します(*´ω`)
12話 蝉原のアニキは博識でカリスマでスマートで大人。
蝉原の説明には無駄がなく、冷酷なほど整理されている。
そこで、センは頭をボリボリとかきながら、
「……ちなみに、他の2人は? 龍牙峰と久剣……あとショデヒがどうなったかも教えて、博識な蝉原のアニキ」
ナメた口調で冗談っぽいが、センの中には、
『敵意』以上に、『認めざるを得ない評価』がまたたいている。
センは蝉原を『ヤバい敵』だと間違いなく認識しているが、
『蝉原は最高クラスに有能なやつ』だと、誰よりも認めているところもあるので、
常に心のどこかで、『普通に味方になってくれねぇかなぁ』と、
真剣に思っていたりもする。
「ショデヒと龍牙峰は俺が回収したよ。ショデヒは言うまでもなくこっち側だし、彼女もこっち寄りだからね」
さらりと告げる。
まるで当然の処理結果のように。
「ショデヒはそうだろうが……龍牙峰は、別に悪人じゃなくね? 善人ではないだろうし、レディースのヘッドではあったけど、根はただの一般人な気がするんだが?」
彼女について詳しいところなど何もないが、
高校時代の諸々や、ディメンション・クラッシュを食らった際のあれこれ、
そうした断片的な情報から垣間見えた人間性を総合的に判断するに、
『蝉原サイドではないんじゃね?』というのが、センの最終結論だった。
「……『こっち側』にも種類ってのがあってね。彼女は悪人と悪人の橋渡しをするのがもっとも合っている人材なんだ。男女関係なく『ヤンキー』に好かれるし、不良どもを統率する能力に長けている。彼女はこっち側で管理すべきだと思う」
蝉原は言葉を切り、センを一瞥し、
「返せって言うなら返すけど……君としても、彼女はこっち側に預けておいた方がいいと思うなぁ」
提案のフリをした結論。
センはため息交じりに、
「……あ、そう。まあ、博識なアニキがそう言うならそうなんだろう。アニキの中ではな」
肩をすくめて、
「ま、俺の中でも、そんな気がしなくもないから、あいつのことは任せるわ。正直、どうでもいいし……で、クツルギは?」
「彼女は元の世界に返したよ。彼女の役目は輝木を煽ることと、輝木を殺すことだからね」
淡々と続ける。
「別に久剣が輝木を殺したってわけでもないけれど……一応、役目はすべて終わっている。もうこの世界に存在する意味はない。意味がないどころか、いても邪魔なだけ」
「すげぇ雑な扱い……」
「まあ、もとから彼女はそういう存在だからねぇ……」




