6話 興味ないね。
明日、大晦日と明後日お正月にちょっとしたイベントをします。
規模は……今日と明日の頑張り次第……っ
色々とギリギリすぎるので、あまり大きなことはできない( ;∀;)
6話 興味ないね。
蝉原は腕を組んだまま、モニターから視線を外さない。
まるで説明相手がネブミではなく、世界そのもののよう。
ネブミは短く鼻で笑い、
「分割って……人格を増やす、ってことか?」
「人格、意識、役割……呼び方は何でもいいよ。俺の中に『複数の蝉原』がいる。ここで喋っているこの俺は……いわば『全てを狡猾に計画する蝉原』って感じかな。で、ラストに襲われたのは、何も知らない蝉原……純粋蝉原だね」
さらりと言ったその言葉。
ネブミの眉間が自然と寄る。
どこまでが本気で、どこまでがいつもの気色悪い言葉遊びなのか。
蝉原は、その疑念すら見透かしたように続ける。
「センくんは存外疑い深くて慎重で他者を信じない。ヒーローにあるまじき態度だけれど、まあ、事実なんだから仕方ない。俺がどれだけ狡猾に計画を練っても、察しのいい彼は『悪の匂い』を嗅ぎ取る。その辺はまさにヒーローって感じだね」
「ヒーロー概論に興味はない。話だけ淡々と進めてくれ」
「狡猾な俺だけでは勝てない。本気で勝つためには、純粋な俺が必要になる。――『作戦を知らない俺(純粋蝉原)』――『利用されているだけの駒(蝉原ユウガ)』……」
ネブミはアホを見る目で肩をすくめて、
「……自分を、よくも、そこまで、雑な道具として乱用できるな……俺にはできないことだ」
「できるんじゃないかな、君なら」
「俺は俺が大好きだから出来ないだろうぜ」
「ああ……そういわれると、そうかもね」
蝉原は、少し笑う。
そして、指先だけで空中を撫でた。
それに反応して、いくつかのモニターが同時に切り替わる。
そこに映るのは、過去の場面の断片。
戦場。
混乱。
――『純粋蝉原』が翻弄されている映像。
蝉原は、『分割された自分』に対して、純度の高い『興味の無さ』を示す。
必要だから用意しただけ……だから、愛着とかはない。
たとえ『自分自身』であっても興味の対象外。
蝉原の関心はセンエースだけで埋まっている。
「……『何も知らない蝉原』は、いわば撒き餌だね。戦って、怒って、焦って、慌てる。滑稽で愚かで愛らしい……センくんに愛されそうで羨ましいぐらいだ」
「撒き餌の自分を『純粋蝉原』って呼ぶのが……なんともお前らしいな。皮肉しか口にできない病気。正直気持ち悪いし嫌いだ。俺より強い上司じゃなかったら殺している」
「ふふ」
ネブミの『まじりっけのない本音』に対して、蝉原は興味なさそうに笑う。
『興味ないね』とクールに言い捨てるよりもはるかに高次の『興味のなさ』を体現。
配下にも自分にも興味がない。
センエースだけを熱烈に狂気的に盲目的に愛する狡猾な獣。




