4話 チーム蝉原は解散して、全員でゼノリカに就職しよう。
4話 チーム蝉原は解散して、全員でゼノリカに就職しよう。
ネブミが語った数値の羅列は、冷静な分析の証。
そして、その結論は絶望的。
蝉原は丁寧に微笑みを浮かべてから、ぽつりと、
「数字が無意味ってことはないよ。というか、もはや『数字に極振りすること以外』で挑むのが何よりの愚策と言えるだろうね。『本質の闘い』を挑んだらワンパンされて終わってしまう。センエースと正々堂々戦うのは、この世で最も愚かな暴挙の一つだよ」
「……」
「これから先、究極超神化9に慣れていけば、センくんの数字はどんどん上がっていくだろう。そして、彼は、数百京という領域に到ってなお、自分より10倍ぐらい上の数字の敵が相手ならワンパンできるだけの『超越的な戦闘力』を持つ……」
前提によってもちろん色々と変わってくるが、
『存在値1』で『1億』を殺すよりも、
『存在値100京』で『1000京』を殺す方が、
実際問題、難易度は高い方が多い。
そこで、ネブミは乾いた笑いを漏らし、
「事実を陳列されているだけでリンチを受けている気分だぜ……これ、どうするんだ? このままだと、俺ら、ワンパンで殺されるだけだぜ。センエース殲滅チームは解散して、ゼノリカに就職した方がよくねぇか? 俺らぐらいの実力者なら、天上待遇で迎え入れてくれると思うぜ」
冗談めかした口調だが、半分は本音だった。
正直、戦意はだいぶ削がれている。
そのぐらい……究極超神化9に覚醒したセンエースは別格だった。
ニタニタと皮肉の笑みに溺れて言葉をこねくるだけのネブミに対し、
蝉原は、それ以上に皮肉な笑みを浮かべて、
「行きたければどうぞ。止めはしないよ」
「…………はっ」
ネブミは一度吐き捨てるように笑ってから、
「……実際どうなんだろうなぁ……お前は俺がゼノリカにガチで行こうとしたら止めるのかな……それとも裏切り者として殺すのかな?」
「ガチで行こうとしたら、殺すかもしれないね。……いや、どうかな……『不和を撒き散らかす無自覚な獅子身中の虫』になってくれそうだから……殺さずに送り出すかも」
「これは……ある意味で評価されている……と判断していい……のか? んー」
などと軽く自問自答してから、
視線を戻し、
「で、実際、どう対応するんだ?」
蝉原は、その言葉を待ち構えていた。
わずかな間も置かず、
ためらいなく、即答する。
「――『存在値1垓』を目指すよ」
あまりにも大きな目標。
まさしく文字通り、桁が違う。
その異次元を、心の夢にとどめるのではなく、明確に、チームの目標として設定していく。




