157380話 それでも……
5話投稿すると言ったな!
あれは嘘だ!
本日の6話目!
157380話 それでも……
「――と、割と本気で思うわけだが……シャレじゃなく、ガチ目に、しんどくて泣きたいんだが……」
センは息を整え、目を細める。
たまった愚痴と弱音を吐き終えて、顎をあげる。
その瞳の奥に宿るのは、
「けど……」
これまでに積み重ねてきた全て。
「それでも……叫び続ける勇気を……」
バチバチと、全身に電気が走る。
「ぶっ壊れて、歪んで、腐って……」
低く告げる声が、
「それでもなくさなかった全てを……集めて……」
戦場の空気を凍らせる。
パチパチとゆらめく。
絶対零度に溶けた灼熱よりも鋭利に、
センエースの全てが神々しく瞬く。
「奪い返すぞ……全てを……俺の命全部使ってでも……」
そうつぶやいた直後、背後から、
「――だから、死ぬなぁ言うてるやろ、ぼけぇ。分からん男やなぁ」
聞き馴染みのある声がして、センは振り返る。
そこには、トコが立っていた。
「生きとったんか、ワレェ!」
「いや、死んどるよ。ついさっき、ラストの中で、エンヴィーに殺された」
そう言いながら、ラストを指さすトコ。
ラストは、死者トコを警戒してか、セン&トコから距離をとっている。
センは、トコに、
「もしかして……ドラフト?」
「もしかしてってなんやねん。ノートに書いてたやろ……って、あんた、もしかして、最初のページしか見てへんのか? 何してんねんっ」
「…………俺は悪くない。政治が悪い」
「……はぁ。……2ページ目に、『あたしが死んだあと』のことも書いといたんや。この状況になるってな」
トコは、プロットだけではなくドラフトも併用してプライドを使っていた。
計算し尽くされた謀略。
トコは、
「あたし(生者トコ)を奪ったことで、ラストのメモリはもうない。これでようやく……あんたの翼になれる」
そう言いながら、『毘沙門天の剣翼』の中へと溶けていくトコ。
「センエース……あんたの底は、まだまだ深い……もっとある。あたしはそれを知っとるよ。あんたが積み重ねてきた全部は……ラストごときに負けるほど軽くない」
「……知った風な口きくんじゃねぇよ」
いいながら、センは、翼をはためかす。
――受け取った想いと、
注がれた愛が、
『熟成された経験値』と混ざり合い、
沸々と湧き立つ。
無限を超えていく。
『その程度で止まるんじゃねぇぞ』とシュプレヒコール。
心臓の韻律が光速を追い越していく。
『まだもう少し速くなれる』とアンコール。
陳腐で低俗なフロウで乱高下に罪を背負う。
大丈夫。
飛べる。
積んで、
積んで、
詰んで、
詰んで、
それでも折れずに重ねてきた狂気が、
今、ここで、遥かなる結晶へと昇華されていく。
奇跡を願ったワケじゃねぇ。
そんなもんにすがったことは一度もねぇ!
1+1の答えが2になるのはご都合主義じゃねぇ!
ただ、思ったより咲くのに時間がかかっただけの話!!
「……毘沙門天……限界を殺すから……手を貸せ」




