157358話 超越固有8(インフィニットコール)。
157358話 超越固有8(インフィニットコール)。
トコからすべてを聞き終えたセンは、短く息を吐き、
「なるほど……超越固有化させた究極超神化8のアンリミテッドバージョンか。17段階目のインフィニットコール。ファンタスティポだな。心躍るし、アンコール沸かすぜ」
軽口に聞こえるが、その声音の奥には状況の重さを理解した冷静さがあった。
「あんたでも……勝てんかった……あんたは必死に抵抗したけど、あたしをかばって……グラトニーに奪われて……」
前の周で見たセンの『最後』を口にすると、
センが、
「あほ」
と、それなりに本気の声音でトコを叱りつけた。
「そこから先が俺の真骨頂なんだよ」
「え」
「奪われるとか、殺されるとか……そんなもんは慣れっこだ。むしろ、そこからなんだよ。俺が輝くのは」
その言葉には、『実感のこもった重み』があった。
膨大な質量を感じさせるブラックホールみたいな言葉。
「……」
「つぅか、わざわざ説明しなくても知っているだろ。お前は俺の道程を書いてきたんだから」
「……」
確かに、知っている。
けれど――
『目の前でヒーローが死ぬ』という出来事を実際に経験すると、どれだけ知識で理解していても、心が追いつかなくなる。
狂気的な恐怖に殺されそうになる。
トコは肩を震わせた。
そんなトコに、センは胸を張り、堂々と言い放つ。
「黙って見届けろ。例え何を奪われようと……俺なら、その先で、必ず勝利に辿り着く。ぶっちゃけ、力や体や記憶や心を奪われる程度の絶望なら、これまで、ガチで、何度も経験してきたからな。間違いなく処理できる」
「ほんまに……いけるん?」
「ああ。なにをどうすればいいかさっぱり分からんが、たぶんいける。お前が言うような化け物にどうすれば勝てるのか、まったく想像もつかないし、普通に小便ちびりそうだが、しかし、間違いなく勝てる。俺は詳しいんだ」
「……」
支離滅裂で、意味の分からない強がり。
トコの心中で不安だけが泡立っていく。
彼女の視線の先で、センはさらに続けた。
「実際、ぶっちゃけ、だいぶ厳しそうだが……まあ、『全生命』をかければいけんだろ。俺の命の全部で殺す。最後は脳筋でクリアするのが俺の信条。心配するな、必ず道連れにしてやる」
「……」
重く、荒々しく、しかしどこか安心させる声音だった。
「よく頑張った……お前はもう十分頑張った。もういい。あとは俺がやる」
「……いやや……あんたが死ぬんは…………イヤやぁ」
トコは、力のない指先でセンエースの袖をつかみ、ぽろぽろと涙をこぼし、必死に首を振った。
クリスマスとお正月に、イベントを行う予定です。
とりあえず、複数投稿とイラスト投稿、あと、これまでの『まとめ』を投稿しようと思っております。
『それさえ読めば、ここまでの流れが完全に把握できる(2万字前後、所要時間20分ほど)』という形に仕上げております。




