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九十八話 次のお相手は誰でしょう?

 ルナちゃんが降参を認めた直後、シュルシュルと音を立てて元のサイズにまで縮みました。


「……はっ!? あたしはいったいなにをっ!? というかここどこッスか!? しかもやたらと服がびしょ濡れなんスけど!?」


「やっぱり洗脳系でしたか……」


 記憶が書き換えられたせいで、あんな行動をしていたのでしょう。巨大化していた間のことは、覚えてないみたいです。


「つい今しがたまで、ルナちゃんは巨大化して私と戦っていたんです。それで私が魔法を使ったせいで、そんなに濡れてるんですよ。そのままですと風邪ひいちゃいますから、乾かしますね」


 水分だけを狙って操ると、あっという間に服も髪もキレイに乾きました。これで風邪をひく心配はないでしょう。


「ありがとうございますッス! なるほど、あれッスね。よくある敵に回っていた時のことだけ覚えてない的な、都合がいいパターンッスね!」


「あなたが自分でそれ言いますか……」


「あ、でも記憶ないのはホントッスよ!?」


「それを言うことによって、ムダに怪しくなりましたが」


 まあルナちゃんの場合、本当に覚えてないんでしょう。ウソ吐いたら簡単にわかりそうです。


「とにかく、私たちは進まないといけないわけですが……困ったことに、なにを探せばいいのか見当もつかない状態で」


「あ、そういやあたしなんか持ってるッス!!」


 そう言ってルナちゃんが懐を漁って取り出したのは、手のひらに乗るほどの大きさの球でした。色がミントグリーンな部分を除けば、占い師が使う水晶玉にソックリです。持ってみると、意外と重いところも似ています。


「なんですかこれ?」


「さぁ……? あたしにもよくわかんないッス。気がついたら、なんか入ってったッス」


「まさかこれがナノさんたちの言っている宝なんでしょうか? それだと、色々辻褄合っちゃうんですよねぇ……」


 あとの二人。ウィルちゃんとクロノスくんがそれぞれ一つずつ同じような宝を持っているとすると、しっくり来ます。ただそれだと、別の疑問が湧いて来るんですよ。


 ルール的に、宝を三つ集めただけでは出られないんですよ。集めた三つを、どこかにはめなければいけません。ですが、なににはめるのかわからないうえに、ルナちゃんが持っていた宝が緑色っていうのも問題です。


 てっきり、赤青黄の三色だと思っていたのですが、しょっぱなから違います。緑ですよ緑。三原色かと思ってましたが違うようなので、他二つの色が想像できません。色がヒントなのに、むしろ余計に混乱を招く事態に陥ってます。


 ルナちゃんにそのことを説明すると、私と同じく首をひねっていました。


「わけわかんないッスねー。緑、丸い、三つ……あ、お団子じゃないッスか!? あれ、白とピンクと緑ッスよ!?」


「なるほど、その発想はありませんでした。お団子ですか……ただそれだと、ヒントの文言がおかしくなります。お団子ならはめると言うより、刺すじゃないですか? 串に刺したらクリア、みたいな」


「ナノちゃんたちって、日本語適当なんスよね? なら間違えただけじゃないッスか?」


「ナノさんたちならやりかねないと言えばやりかねないですが……どうもモヤモヤするんですよねぇ」


 奥歯に物が挟まったような、気持ちが悪い感覚です。しかも、楊枝で取ろうとしても場所が悪くて届かないみたいな、妙なもどかしさがあるのです。


 やはり、情報が不足しています。次に何色が手に入るかで、多少はわかるでしょう。でも次に来る色が、灰色とか肌色とか、金色銅色なんかだった場合ホントどうしましょうね? なにをすればいいのか、まったく見当つかなくなります。


 次でなにかわかるような色が来ますようにと祈っていると、ふと辺りの景色がおかしいことに気がつきました


「破壊した跡がない……?」


 ルナちゃんは巨大化していましたから、動くだけで周りにけっこうな被害がありました。なるべく最小限にとどめる努力はしたのですが、それでも仕方がなかった部分はあります。


 そんな風にあきらめていた箇所が、全部キレイさっぱり直っているのです。


 ということはここには自動修復機能のようなものがあるのでしょう。ならここで多少暴れたとしても、まだ見つかっていないウィルちゃんやクロノスくんに被害が及ぶ恐れはほぼなさそうです。だからといって、辺り一帯更地にするような攻撃は、控えないといけないですが。


「とりあえず、ここで座り込んでいてもラチが明きません。その辺うろついていれば、そのうち向こうから見つけてくれるでしょう。ルナちゃんさっきと格好は同じですが、同じようにバフかかってますか?」


「え? あ、大丈夫っぽいッス! 身体は軽いまんまッスよ!!」


 なら二人のうちどちらが来たとしても、そうそう遅れをとることはないでしょう。


 そんなことを考えながら動き始めた、その矢先のことでした。


「見つけたでありますよ、ミーシャ様!!」


 声の聞こえた方をとっさに振り返れば、そこにいたのはなぜかクロノスくんでした。


 こちらを敵視するような目をしているのは洗脳系の魔法のせいだとして、さっきとはまったく違う姿をしているのです。だからと言って、別にルナちゃんのように巨大化していたわけではありません。ああいえ、大きくはなってますが。


 最初にクロノスくんの声を聞いた時に、誰なのかわからなかった理由。それは、クロノスくんが大きくなっていたのです。ルナちゃんのようにサイズが大きくなった、というわけではなく。


 成長していたからです。これまでの姿からは、想像できないほどに。


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