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七十七話 やっとクッキング開始ですよ! 1

 実体のない私は直接料理できないわけなのですが、果たしてこのメンバーでまともな料理を作れる方っているんですかね?


 そんな心配もありましたが、まずはメニューを決めていきましょう。ものによっては、そこまで難しくないのでなんとかなるはずです。


「えー、ではなにか食べたいものがある人――」

「満漢全席食べたいッス!!」


「却下です。というかそんなに作っても食べきれませんし、絶対すごく時間かかっちゃいますよ。もっと手軽に作れるものでお願いします」


「むぅ……センパイ、ケチッス」


「ケチとかそういう問題ではなくてですね……」


 満漢全席作ろうぜ! とか言われても、あっさり作れる人ってどれくらいいるんです? 一般人にはハードルが高すぎます。


「わらわは肉が食べたいぞ!」


「お肉はたくさんありますから問題はないですが、具体性には欠けますね」


 選択肢が多すぎて、しぼるのが大変です。お肉を使った簡単な料理と言えばステーキですが、ステーキと付け合わせだけってなんかこう……主食がほしくなりますよね。


 よく見て見れば、私たちが集めて来た食材の中にお米やパンが見当たりません。一応、小麦粉らしき粉はありますが……イーストがないのでパンが焼けません。できても時間がやたらかかった記憶が。となると、もっと別のものがいいですね。


 やはり実体がないと食になじみがないのか、精霊であるシルフさんとシェイドさんには食べたいものというものがないようです。


 と、そこでうんうんうなっていたルナちゃんが元気よく手を挙げました。


「あ、じゃあじゃあ、あたしお好み焼き食べたいッス!!」


「これまた変わったメニューがチョイスされましたね……」


 お好み焼き美味しいですよね。ですが問題は、ここにあるメニューで作れるかどうか、です。


「小麦粉はありますし、キャベツっぽい植物もありますから、大枠はできるでしょう。普通は豚肉使いますが、鳥肉でもできなくはないと思います。先に焼いておかないと、火が通ってないのがあったりするのが怖いですが。魚介類……はなぜかありますね」


 これはタコ……じゃないんですかね? 足が十二本ありますし、色が真っ白です。それにタコだとしても足に吸盤が一つもなく、代わりにウロコが生えていました。


「あ、それはわたくしたちが近場の川で捕まえた一年ダコです」


「一年ダコ?」


「はい。およそ一か月で足が一本ずつ生え変わり、一年後にはすべての足が一年前とは別物になっていることから、そう呼ばれます」


 ようはちょっと変わったタコってことですね。見た目はともかく、味がおおよそタコやイカであるなら問題はないでしょう。


 その他にも、色は緑色ですが紅ショウガに似た味の『リョクロク』という植物の漬物や、ソースに近いような遠いような樹液を出すクフトゥオという樹などを見つけ、それっぽいような物体ができそうな気配がしてきました。


 本来でしたら、かつお節や青のりがほしいところですが……まあ、さすがになかったです。磯カビと呼ばれるものが見た目は近かったのですが、いくら美味しくてもカビを食べるのは勇気がいりますのでやめました。


 話を聞いていると、青のりの仲間っぽくはあるのですが……いくら近くても、ショッキングピンクって時点で食欲が失せます。と言っても、私食べられないですけど。


 そんなこんなで、私たちはお好み焼きを作ることに決定しました。決定はしましたが、ここで次なる問題が。


「ところでセンパイ、この世界って鉄板とかフライパンとかあるんスか?」


「あー……フライパンはあるでしょうが、ねぇ……」


「?」


 ルナちゃんは知りませんが、私は火にちょっとトラウマありまして。あんまり使いたくないんですよ。というか長時間見つめたくないです。とすれば、どう調理すればいいんだって話になります。


 すっかり忘れてましたよ……そうですよね、料理する時ってだいたい火を使いますもんね……どうしましょう、まさかこんな形でピンチになるとは。


 普通でしたら適当にその辺の砂鉄を集めて板にし、その下に火を焚けばお好み焼きはできるでしょう。ですが、問題はずっと火を見ていなきゃいけないところです。


 かと言って、ルナちゃんに丸投げも心配ですし……そもそも、この子に料理ができる気配がないんですよね。いやまあただの偏見で超料理上手かもしれないですよ? 知れないですけど、任せたくはないです。


 ならやっぱり私がやらないといけないわけですが、それはちょっと勘弁願いたいです。


 かくなる上は……!!


「あれですね、IH調理器があればいいんです」


「え、この世界にそんな便利アイテムあるんスか!?」


「いえないです」


「じゃダメじゃないッスか!!」


「大丈夫です。なんだかんだ言ってますが、つまりはフライパンの分子を振動させて熱を作り出してたはずです。磁気がどうとかも言っていた気がしますが、うろ覚えです。ですが分子が振動すれば、熱が生まれるのは変わりません。電子レンジと似たようなことをすればいいんです!!」


 熱くなればいいんですよ、熱くなれば。火を使わずとも、分子操作ができる私なら本気を出せばこれくらいいけるはずです!!


 電子レンジは水分子をマイクロ波で振動させて熱を作ってますが、魔法なら鉄の分子を一個単位で振動させることも可能です。電子レンジとまったく同じ方式にしてしまいますと、レンチンのお好み焼きとは呼べない物体が生まれてしまいますから、注意せねば。


 他の方たちはよくわからず首をかしげていましたが、ルナちゃんだけが微妙な表情で私のことを見ていました。


「まずは、鉄板を作るところからです!!」


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