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AM ‐ アンミとミーシー ‐  作者: きそくななつそ
288/289

サブ出題②『峰岸ミナコはどのようにして、アンミの逃げ込む先を予見したか』

作中の不親切描写を解説するコーナーのテスト投稿です。


(このコーナーは宣言なく削除するかもしれません。ご了承ください。)




本編の出題とはあまり関係がありませんが


ネタバレが嫌な人は、『峰岸ミナコがどのようにしてアンミが村から出た後向かう先を予見できたか』分かった後に読んでください。


難易度:★★☆☆☆


正確に解く必要はありません。


Q『ミナコはどうして健介を?』


一度考えてみて読んでいただくとより楽しめるかもしれません。






第一話『アンミとミーシー』

AM










最終話『全て語られた。』



『とある医学者の嘆き』


日本でいくらも発見された特質症の人々が、今日まで他国で見られなかったのはどうしてだろうか。

少なくとも現時点で、このような遺伝性疾患が、特定の人種のみに多発するような推測は立てられない。


①正しく分類群を決められるほどの高度な診断技術がなかった。

特質症の発見に関しては、高田誠司による空間電位変動のみが有名ではあるが、それよりも前に数名の研究者が動物で電位共有を記録していた。


我が国ドイツにも、限定呼応症状(テレパシー)の観測を成功させた研究者がいる。高田誠司におよそ120年先立って発表された論文を、覚えている人などいないだろう。


猫のアビーは人との意思疎通をこなしたが、その論文は前途ある若者のそれまでの研究成果を吹き飛ばしただけでは飽き足らず彼に狂人のレッテルを貼り付けた。

(彼の本当の名前は何だったろう。私は学生の頃に彼の論文の紹介文を読んだ。ナツメソウセキという蔑称だけがいやに心に残っている。)


テレパシーを研究していたのは、なにも彼のような無名な学者やうさん臭いインチキ学者だけではない。人の脳波の発見者であるハンス・ベルガーもまた、その研究成果を無視され続けた一人である。


結局、ハンス・ベルガーは、心や精神の観測にまでは至らなかったし、時代が悪かったとはいえノーベル賞を授与されることもなかった。

(その存在を信じ続け、生涯に渡って研究を続けていたというのに、彼が発見できたのは『退屈なほどの安定に、落胆を禁じ得ない』、ベルガー波だけだった。)


科学史を知ればそれらは当然といってしかるべきなのかもしれない。彼らの生きたその時代には、その特質を、電気的に解析できる高度な設備が存在しなかった。


では、現代に目を向けてみるとどうだろう。ドイツは医療後進国でもなければ科学後進国でもない。どうして特質症が、医学者の注意を惹かなかったのか。


赤毛の(黒髪以外の)アジア人は、おそらく出生直後に、少なくとも幼少期に遺伝子異常を疑われる。これが特質症の発見率で他国を大きく引き離した理由の一つではあったろう。


そして仮にだ、ドイツで赤目の子が生まれたとして、『それは命に関わる病というわけではないから』と、治療は後回しにされる。救命に重きをおいた弊害ともいえる。


二十一世紀のノーベル生理学医学賞の国籍の欄を眺めると、ドイツは『医療先進国ではあるが、医学先進国とはいえない』、そんな時代が続いているとの感想が漏れるのもやむを得ない。


②特質症の人々はおそらく統計的には短命であった。


故に特質症の人々を長期に渡って観察する環境がなかった。これはドイツはもちろん、日本においてもそうであったろうし、また途上国でもそうであったろうと思う。


先程挙げた理由と矛盾していると思うだろうか。


特質症の人々は色素の生成が十分でない場合があり、たとえば、多少、皮膚ガンになりやすい。弱視であったりもする。


ただ今日において、『通常』、そういった治療方法が確立されている病が人を死に至らしめることは稀であろう。医療先進国であれば完治させることがほとんどであるし、途上国においてはむしろそれよりも深刻な病が人々を殺し続けていたりする。


特質症の動物と、そうでない動物とで観察実験を行えば、こういった他の疾病率が有意な差となって平均寿命に現れたかもしれないが、私の知る多くの疫学統計の専門家は、『風邪を引いたことがある人の平均寿命など知らない』。


特質症の人々は人知れず、医者にかかることなく死んでいく。

向き合える医者がいないのだ。向き合おうと思う特質症の人々がいないのだ。単なる風邪であろうと、彼らを容赦なく殺すものかもしれない。


文化的な背景による部分もある。その風貌は悪霊による呪いであるなどと迷信が跋扈し差別、暴力を受ける似た病の人々がいる。生まれたその時に、『なかったことに』されてしまう子どももいる。普通の見た目と違う。まあ、それだけではないにせよ。


……ただし、想像するのも難くないだろう。特質症の、死因のトップは、言わずもがな、自殺である。


人々が特質症を恐れ、特質症は人々を恐れる。


果たしてこればかりは、日本の、高田誠司が幸運だったのだと白旗を上げるしかあるまい。


もしもドイツで、特質症を恐れない例外の医学者が、特質症の子を、一人……、いや、何人かは欲しいところであるが、十分な研究施設で保護できていれば、日本やアメリカに後塵を拝するようなこともなかったであろうに……。


挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)


峰岸ミナコ

『そうでなくても、見つけました』




‐‐‐‐‐‐‐‐‐




これが、峰岸ミナコが高橋健介を見つけられた理由。


高橋健介が峰岸ミナコと共にいた理由。




けれど、最後まで、ミナコは自身が特質症で、健介や陽太や店長が『例外だから言葉を交わせた』のだと、伝えられなかった。



『そうでなくても、見つけました』


いいえ、そうでしたか?


あなたが一体、誰と心を通わせましたか?

研究所の例外、佐藤?牧野?


けれどあなたが一時期いたお店に、誰が残りました?


『友達になろう』と言って、誰があなたの目を見つめました?


あなたはもちろん、『優しくて、『例外の、『高橋健介が、『アンミを助けてやりたいと、『あなたを受け入れたのと同じようにしてくれるはずだと『知っていたでしょうけど、『けれどあなたは、あなたが特質症でなくて、健介が例外でなければ、やはり高橋健介を見つけることなどできなかったでしょう。』





‐‐‐‐‐‐‐‐‐




最後まで読んでくれた猛者がいたので、こういう形式で解説を入れてお茶を濁すというのはどうでしょうか……。ご意見ください。(二回目)(るぅき……、お前と遊びたいんだ、私は……、(ストーキング))



ヒロインはピンクの髪をしていても不思議じゃないという普通の感性を心理トリックに用いる割と不親切な難問。

ミーシーが市倉絵里の存在に気づくまでの間、市倉絵里の情報源となる事態では、髪を隠していたという描写から推理してください。(それ、きそくななつそのさじ加減じゃん……)


日本人名なのに、(峰岸ミナコにせよ、緒方マナにせよ)、金髪碧眼であることが、常染色体性特質抑制遺伝性疾患の身体的特徴であることを推理してください。





正確に解く必要はありません。


Q『ミナコはどうして健介を?』


A『会えば例外が分かるから』

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