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番外編 ④ (クロートフ国)

ノーストリ国から北へ移動した私達は【クロートフ国】の宿へ来た。


が、真っ先に口を開いたのはスオウだった。


『ルナ、ノーストリで惨いものを見せて悪かった。


だが、神獣の主として見届けなければならなかったんだ。


ルナ、もう泣いていいんだ。我慢してはならない』


私の目にはいっぱいの涙が溜まり、今にもこぼれ落ちそうになっていた。それでも頑張ったが、パパに抱っこされ背中を撫でられた瞬間に涙腺が崩壊したかのように涙がポロポロと流れ落ちていった。


「偉かったな。ルナは頑張ったぞ?


大人の俺らでも惨い光景だったんだ。もう大丈夫だからな?」


「ひっく、ひっく……ぅわあ"あ"あ"あ"あ"あ"ん!!


き、今日は……うっ、うっ……パパと…ひっく……寝たい!


ルーク、様、今日だけ……パパと……」


(せき)を切ったように大きな声で激しく泣く私をルーク様は、ソッと優しく頭を撫でてくれた。


「うん、いいんだよ。


甘えることも大切なことだよ」


小さくなったマロンが私の肩まで飛び乗り、ずっと頬をスリスリしてくれていた。少し温かい気持ちになり、泣き疲れて眠ってしまった。





ノーストリ国の残酷な光景から月日が経ち。あれから2年近くにはなるが、いまだに次の国へ行こうと言わないスオウとマロン。


だって、ここでは神獣様と女神の眷属様の信仰が凄くて、スオウとマロンは今日も大聖堂へ餌という名のご馳走を食べに行ってるのよ。


餌に釣られた神獣と眷属ってところかしら。私昨日で9歳になったのよ?


楽しい時ほど時間が過ぎるのが早い。けど、ここでの暮らしは快適で、ご飯も美味しいからずっとここにいたいくらいだ。それに、この国は昔から結界が張られているらしい。マロンに聞くと、何百年か前にスオウが自ら張った結界だと教えてくれた。スオウが張った結界が破られないのは凄いよ。


「ルナ、この前欲しいって言ってた服を買ってきたわよ。


あと、リボンもね。これでツインテールにしましょう」


そう、この服可愛いから着てみたかったのよね。現代ではゴスロリ・クラロリ・甘ロリ・華ロリといわれる服で、ルルナのように可愛い女の子なら着てみたいと思ってたのよ。


「そう、このクラロリな服を着てみたかったの!!」


早速試着し、髪もツインテールにフワフワなリボンをつけ。ママに見せると、悲鳴をあげ思いっきり抱きしめられた。


「きゃああぁぁぁぁぁっ!!


可愛い!! うちのルナは世界一可愛いわっ!!」


ドタドタと走って来たパパとルーク様。私を見たパパは抱き上げ。


「可愛い妖精さんがいるぞ!


くぅーーっ! 俺の娘は世界一可愛い!!」


(ママとおなじこと言ってる)


ルーク様を見ると真っ赤な顔をして微笑み。


「ルナ、凄く可愛いよ。


可愛すぎるから、出かける時は誰かと一緒に行くこと。いいね?」


「(こくり)1人でこの部屋からは出ないと約束します」


みんな心配性なんだから。私、強いんだよ? なんてったって賢者だから!


心の中で自慢しても仕方ないけど。


「ルナ、今日は俺とデートしないかい?」


「はい! デート行きたいです!!」


ルーク様の手を握り、出かけようとしたがパパが私達の前に来て腕組みをしていた。それも強面な顔で目を見開いてだ。


「な、なに! デートだと?


この天使のような可愛いルナとデートするだとぉぉぉ!!


ルーク、婚約者だからと……ぐふっ!!」


ママが肘でパパの横腹を小突いたよ。勢いよく強い力でね。


「うふふっ、パパったらどうしたのかしらねぇ?


何か拾い食いでもしてお腹を痛めたんだわ。私達のことは気にしないで行ってきなさい」


『おぉぉ、テオル……弱いな…… 』


『リビアからの愛情表現だ。良かったね!!』


マロン、あれはママの愛情表現ではないよ。ただ、黙らせるために肘打ち……エルボーをしたんだよ。


目の前に差し出された手を取り。ルーク様とデートへ出かけた。


出先では紳士的な対応で乙女心が更に急上昇した。人が多い場所では肩を抱き寄せ、私にぶつからないようにしてくれたり。『フラッフィー』という甘いクリームとフルーツをクルクルっと巻いたクレープのような食べ物を購入し、ベンチに座る際もハンカチを敷いてくれて、愛されてるなって実感したよ。


「ルーク様。今日はとても楽しかったですわ」


言葉一つ一つに微笑んでくれるルーク様。


「俺も楽しかったよ。


またデートに誘っても良いかい?」


何度も頭を縦にコクコクと頷き。


「はい!


わたくしもルーク様とデートへ行きたいです!!」




それから、デートを何度も楽しみ。そろそろ旅立たないとだ。


この国でもっとゆっくりしたいけど、他の国を回らないといけないし。


『明日の朝、次の国へ出発するぞ?』


「うん、分かった」

数多の中から読んでいただきありがとうございます。


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