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番外編 ② (エクリプス国)

東に進み【エクリプス国】へとやって来た。


ここは住み心地は凄く良く、住民はみんな温厚な方々ばかりで言うことなしだった。


数ヶ月いるつもりだったのだが、今日で7歳になりました。出発する前日が誕生日だったのもあるが、私のお金で贅沢を満喫中なの。


でもね「ルナのお金を使うのは気が引ける」とか「女性にお金を出してもらうのは」なんて言うから「生きてるうちに使い切れない」って言ったら渋々だが許可してもらえたんだ。


ここの宿ではベッドが2つある2人部屋か3つある3人部屋以外ないとのことなので、2人部屋を2部屋借りようと思っていたんだけど。


「お嬢さんが誰かと一緒に寝るのはどうかね?」


私は顔を縦にブンブンと振り。


「はい! ルーク様と寝ますっ!!」


「これが鍵だよ」


「おう、ありがとう」


部屋へ入るなり、私を抱えて壁際のベッドへ連れて行かれ。パパに「ルナは俺と寝るんだ!」なんて言うものだからママまで入って来て……潰れる!!


「はい、無事保護しました」


「ル、ルーク様!」


ルーク様にギュッと抱きついて「ルーク様と寝たい!」と言うとママは「えぇ、毎日一緒に寝なさい」と言われる始末。


パパは……いじけてる。けど、ママが頬にキスをするとパパってば顔を真っ赤に染めて、2人ともいつまでもラブラブでいてほしいな。


「さぁ、寝るわよ。


テオルは扉の方側のベッドを使ってね。ルナとルークは壁際のベッド。


私は真ん中のベッドを使うわ」


「愛しのリビア。


いい夢を(チュッ)」


子供の前で頬ではなく口にキスした!


「では、俺も……愛しのルナ。


いい夢を(チュッ)」


い、い、今キスを、キスをした!


口にキスした!


まぁ、おやすみの軽いキスなんだけどね。パパが大きな声で。


「キス以外は許さないからなっ!!


ルーク! 分かってるよな?」


再び満面な笑みで。


「はい。もっと絆が深まるように毎日キスすることにします!」


「な、オーマーエーー……。


ルークは俺と寝ろ!」


「はぁ!? 嫌ですよ!


俺はルナ以外と寝たくない!


いや、女はルナ以外いらない!!」


「……ルナを大切にしてくれるんなら……何も言わねぇよ!」


「テオルってば、素直じゃないんだから。


スオウとマロンは、今日は誰と寝るの?」


小さな姿になっているスオウとマロンは目配せをしたあと。テオルのベッドへはスオウが行き、リビアの枕元へ行ったのはマロンだった。


『ワレは旅の間はテオルと寝るぞ』


『ボクはリビアと寝る』


賑やかな私達家族だった。


このあと、パパとママは明日行くショッピングのことで言い合い? 違うな、ママが何度もパパに言い聞かせてる。


けど、私とルーク様はそんな2人を放置して眠った。





今日はママとショッピングするんだよ。楽しみだなぁ。


「ルーク様、パパ。今日はママと2人でショッピングして来るね」


「し、しよぴん……?」


「俺らには聞きなれない言葉だよな。


買い物や物を見て歩くことらしいぞ」


バタバタとママが走って来た。


「この格好は大丈夫かしら?


変じゃない?」


「ママ、大丈夫だよ。凄く綺麗な格好だし、それに凄く美人だから何着ても似合うよ!」


パアァァァっと表情が笑みに変わり「早く行きましょう」と言って、私の手を握り外へと出た。


「なぁ、俺らも……」


「テオル! 昨夜は何度も何度も言ったわよね?


私は娘と2人きりで買い物に行くのが夢だったの!


男同士で次の行き先でも相談してなさい。マロン、あとはお願いね」


マロンは羽でビシッと敬礼し『了解だよぉ』と言う仕草が可愛いの!


今、胸がキュンってしちゃったよ。


「ママ、行こう!」


「スオウ、私と娘をよろしくね」


『うむ。ワレも了解したっ!』


スオウまで翼を広げてカッコイイポーズしなくていいから。でもスオウもマロンも可愛い。



『着いたぞ』


人々が笑い合い、平和って感じで居心地良いな。それに、いろんな露店があって何度見ても飽きない。


「ママ、あのアクセサリー可愛いよ。ママに似合いそう!」


ニコッと笑って話しかけてきた店員のお姉さん。


「いらっしゃいませ。お母さんと買い物に来たのかな?」


「はい。ママ美人でしょ?


似合うアクセサリーがあったら贈り物として買いたいの」


お姉さんは驚いた顔をし、口に手を当てていた。それと同時にママも同じ反応だった。


「ルナの気持ちは嬉しいけど、私はいいのよ?」


「駄目よ。ここは娘の私に贈り物をさせて。感謝の気持ちを込めてだから」


お姉さんは「コレとコレがセット」「これなんかもオススメよ」「女性に人気のネックレスなの」といろんなアクセサリーの説明をしてくれた。


そっかぁ、大切な人の瞳の色の石をアクセサリーにしてペアで付けるカップルもいるのだとか。私も買いたいな。もちろん、ルーク様の瞳の色をね。


アクセサリーはママが似合いそうなのを何点か購入し、あとはプレゼント作戦よ!


チャームのようなアクセサリーもあったので、スオウとマロンの瞳の色の石を入れてもらった。これをスオウとマロンの脚に付いてる足輪? にアクセサリーを付けてあげるの。


ママとパパ、ルーク様と私、の瞳の色のネックレスと、スオウとマロンの瞳の色のチャームを購入したあと、アイテムボックスに入れた。


「ルナ、露店のお料理を何種類か購入して、帰って食べましょう」


「うん。パパとルーク様が食べそうな物がいいね」


何種類か購入し、私とママは宿へと帰って来た。


「ただいま。喧嘩はしていないわよね?


マロン、2人は大丈夫だったかしら?」


『大丈夫だよ。次の行先も決めたよ』


ママはここでも「まぁ!」と驚き「明日は災害が起きるわね」なんて不吉なことを言って笑ってた。


「ママ、パパ。


これプレゼント!


いつもありがとう」


包装してもらっているプレゼントを震える手で持ったパパは、嬉し泣きで顔がヤバいです。イケメン顔で泣くのは止めてよ。


「ルナ……あ、ありがとうぅぅぅぅぅ!!」


「ルナ、ありがとう。


大切に使わせていただくわね」


「うん!」


ママも涙目だ。私はルーク様の方へ移動し、ドキドキしながらプレゼントを手渡した。


「俺にも贈り物を?


嬉しいな、みんなとお揃いなんだね。


家族って感じで凄く嬉しいよ。


ありがとう!」


「うん!」


最後に、スオウとマロンの足輪にチャームを付け。


「スオウとマロンも私達の家族だよ」


『ルナ、ワレも家族と言ってくれるのか?


今までの主の中でルナが一番好きだぞ!』


「ふふふ、私もスオウが好きだよ」


『ルナ、見て見て。可愛い?


ボクはいつまでもそばにいるし、ずっと家族だよ』


「うん、可愛いよ。


マロン、ありがとう!」


みんなで一緒のアクセサリーを付けると家族の絆がグッと縮まった。ルーク様も……家族だよ。


「パパ、ママ、ルーク様、スオウ、マロン。


家族としてこれからもヨロシクね」


パパは泣きながらうなずき、ママとルーク様も涙目でうなずいた。スオウとマロンは小さくなって私に飛びつき感謝のスリスリをされてモフモフに癒された。

数多の中から読んでいただきありがとうございます。


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