35 パパとママ
パパが国境まで来たと知らせを受け、ママと一緒にスオウとマロンの背に乗り国境へ移動した。
「ママ、大丈夫だよ?
パパはね、ずっとこの日を待ってた。だからね、パパの顔を見たら胸に飛び込んじゃえばいいよ!」
「ルナ……ありがとう。
ママは泣いちゃうだろうけど、嬉し泣きだから。パパのこと愛してるから大丈夫よ」
「うん、なら良かった」
パパはママを見て「リビア!!」と、大声を出し呼んだ。
ママは駆け出しパパの胸の中へ飛び込み泣いていた。
2人は抱きしめ合いながらお互いの名前を何度も何度も呼びながら泣いていた。
今の私にはあの中に入れない。
夜は……私がいたら遠慮しちゃうよね。
レンに伝言を残し、エメルロ侯爵家へ勉強の為に少しの間滞在する事を話した。
「レン、あのね。パパとママを2人きりにしてあげたいから、少しの間エメルロ侯爵家へ行くことを伝えてもらっていいかな?」
「それは、いいが。ルナ……あの中に入りにくいのか?」
「……それもあるけど、夜はさ…なんて言うか……2人が遠慮しちゃうでしょ?
それにね、パパがいたら……ノワール公爵様に会えないから。だから行くのっっ!」
レンは微笑んでうなずいてくれた。
「なるほどな。その前に、お姫様。俺の腕の中に来てくれないだろうか?」
「レン、うん!」
マロンの背から飛び降り、レンの胸に飛び込んだ。その後、ギルドのみんなとハグをし、ライラとローランにも伝え。この場をあとにした。
エメルロ侯爵家の長の屋敷へと来ていた。
「おじい様にお話があり参りました。
わたくしを少しの間ここへ置いてくださいませんか?」
おじい様は目を大きく見開いた。
「どうしたんじゃ?
ギルドの方で何かあったんか?」
フルフルと顔を横に振り。
「パパとママは何年も会えないままでした。パパの方はママが亡くなったと思ってたから……そんな2人を少しの間でいいから新婚のように過ごしてもらいたくて。もし、不都合がありましたら別の場所へ……」
「駄目だ、ダメ!
ルナたんはここにいなさい!
さぁ、じぃじのお膝においで」
執事さんの方を見て、恥ずかしくてモジモジしていたが。これもおじい様孝行よ!
「おじい様、重くありませんか?」
すっごいニコニコ顔で「ルナたん」と言ったあと。
「羽のように軽いぞ?
お菓子もあるからな、何でも食べてくれ。
今日からワシの横で寝るか?」
「ルナたんは、わたくしの隣で寝るのです!」
乱暴に開け放たれた扉のあと、おばあ様が参戦です!
「何を言うか!
ルナたんはワシの隣じゃあ!」
こんな状況なのに、スオウとマロンは寝てるし。
「あ、あの!
大きなベッドでおじい様とおばあ様の間で寝ると言うのはどうかと?」
「いいわね!」
「ワシも賛成じゃ!」
私は今日から少しの間、おじい様とおばあ様、エメルロ侯爵家の皆様と生活することになりました。
時には騎士団へも通いますよ!
「おじい様、おばあ様。今から騎士団の鍛錬所へ行ってまいります。
夕刻までには戻ります」
「まあまあまあ。もしかしてルナたんはノワール公爵に恋をしているのかしら?」
「わたくし、前の世界で恋をしたことなくて、どこからが恋なのかも分からないのです。
ノワール公爵様を見てるだけで胸が苦しくなったりドキドキしたりするのです。わたくしは何かの病気なのかも知れません」
おじい様とおばあ様は顔を見合せて「くすくす」と笑ったあと、おばあ様に教えてもらった。
「その、胸が苦しくなったりドキドキするのが恋の始まりなのよ。
病で例えると、そうね。
恋の病かしら」
「ルナ、恋はいいものだ。
それにな、縁談相手にもいいからな!」
顔がだんだん熱くなるのが分かる。きっと、真っ赤な顔になってるはず。
「さあ、行っておいで」
「はい!
スオウ、マロン行こう」
『行こう、行こう!』
『うむ、ワレの背に乗るがいい』
騎士団へと飛び立った。スオウやマロンに乗ってるとあっという間に着いちゃうのよね。
「ごきげんよう。
こちらで見学させていただいてもよろしいでしょうか?」
振り向くノワール公爵様、今日も凄く素敵です!!
「エメルロ嬢、こんにちは。
見学ですか?」
「はい!」
颯爽と走って来る団員からの伝令でローバルから送られてきた暗殺者を3人のうち1人を逃してしまった為、私はしばらくの間保護されることに。
『ワレとマロンがいるから大丈夫だが、ルナの為だ。
ここはレンルールに守られてればいい』
レンルールって誰よ。
「スオウ、レンルーク様だよ?」
『呼びにくいのは好かん。
ワレはルークと呼ぶぞ』
「はい、大丈夫です」
ノワール公爵様は寛大な心をお持ちなのね。
早く成長したいわ。
「さあ、エメルロ侯爵家へ行きましょう。
私はそこでエメルロ嬢をお守りするよう王から任されたので、しばらくは一緒に行動するかと」
「わ、わたくし、嬉しいです。
自分が狙われてますのに不謹慎だと分かっていますけど、でも一緒にいられるのが凄く嬉しいのです」
「ありがとうございます」
エメルロ侯爵家へ着き、一族のみんなが集まり警戒をしていた。
その時だった!
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