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ハンドメイダー異世界紀行⁈  作者: 河原 由虎
第一部 三章 “キョウト”へ
98/343

097.今度は・・・

「藍華!!!!!」


「大吉さん・・・!!!」


走り寄り、めっっっっっちゃ思いっきり抱きしめられる。


「!!!?」


勢いに任せて手を回し、控えめにキュッと大吉さんの背中を抱きしめる。


これはいったい。。。

いや、めちゃくちゃ嬉しいんですけども。。。。。??


「生きててくれて良かった。。。。。!」



あぁ、そうか。。。大吉さんは相方さんを亡くしてたんだ。。。それでこんなに・・・


「・・・助けに来てくれてありがとうございます・・・!!」


1番言いたいことだけとりあえず先に言った。。


緩まないギュウに先に耐えられなくなった私は


「でも・・・どうやってここがわかったんですか?」


気になったことを聞いてみた。


「・・・藍華の連絡用アーティファクト。

アレに電池の仕組みを組み込んでただろ?」


小さなピアスとイヤカフにデザイン無視して無理やり押し込んだオルゴナイト部分。

デザイン的に不完全燃焼だけど、実用的にはなったと思ったあのコウモリセット。


「アレが動いてたらしくてな。もしかしてと思って使ってみたら。見事に方向を示してくれたんだ。

距離的には大体10キロまではいかないだろうと目安が立てられたから、なんとかここまでくることができたんだ。」


ようやく解放され、自分の蒸気した顔は治めようがなかったが、それでも顔が見たくて真っ直ぐと視線を注ぐ。が───


顔を両手で覆ってるけれど耳まで真っ赤な大吉さんがそこに。


まさか・・・・・

さっきまでとは違う意味で心臓がバクバクだ・・・!


「こ。。。今度距離も出るようなやつかんがえてみますね・・・」


そう言いながら自分の耳も真っ赤になっていそうだと思った。


「ところで・・・そこの尻あげて情けない格好のこいつは・・・?」


うん、私がのした男を指して言う。


「今の今まで私を尋問してた人です。。。」


そのまま言った。


顔の熱が下がったらしく顔から手を離し、私と男を交互に見る大吉さん。


「・・・!!その服は。。。?!」


今気づいたのか。

ガバッと両肩をつかまれて上から下まで見られる。


「・・・この男にナイフでやぶかれました。」


「な!破かれ?!

・・・他に酷いことはされなかったか・・・?」


「される前に大吉さんが来てくれました。。。!」


「その手のアザは。。。?」


「そ。。。そこに吊るされてたんですよー。。

擬態させてたアーティファクトだけは気付かれずに済んだんでパワー増強して引きちぎりましたが。。。」


「引きちぎった。。。?」


アンチアーティファクトのがなかったら、もっと早く脱してたとは思うけれど。。


「そこの格子もたった今ひん曲げて出てきたところです。。。」


言って力任せにひん曲げた格子を指す。


「棒人間の指輪じゃなくて。。。?」


「えぇこれです。」


いつの間にやら手に握られていたソレを見せる。


「藍華の作った方の。。。」


そう、碧空のレプリカ『棒人間の魔法陣』とでも呼んでおこうか。


「そうか。。。藍華とクゥさんに助けられたんだな。。。俺は。。。」


そう言って俯く。その表情はわからないが。。覗き込む気にはなれなかった。


「で、こいつはなんなんだ?」


「盗賊団の一員ではないみたいです。何か今回の?商隊襲撃を指示した人物らしいです。

大吉さんに何か借りがあるとか言ってましたが。。」


「・・・???」


「・・・多分、以前壊滅させたことのあるどれかの組織に関係してるんじゃないですかね。。。」


それを聞いて。。悲痛な顔になる。。


「・・・藍華が襲われたのは俺のせい・・・か・・・!」


・・・!


「・・・違いますよ。出だしは私のアーティファクトのクオリティとアーティファクトを扱う能力からでしたもん。」


全く思っていなかった言葉が聞こえてきて一瞬反応が遅れるが、キッパリと言い切る。


「出だしはって・・・」


「大吉さんの名前が出る前から何かはする気満々でした。」


怖かったし気持ち悪かったし、嫌だったけど。。

大吉さんは来てくれた。。。


「そう・・・か・・・」


少しの間に遠くで爆発音が響く。


「爆発。。。?」


「まずい、仕掛けてきたやつが連鎖で爆発する!

とにかくここから離れるぞ!!これを羽織っとけ。」


そう言って腰に巻いていた上着を渡してくれる。

そしてすぐその場から離れるのかと思ったら、


「とりあえずこいつの記録を取ってから急いで行くぞ。」


そう言って映像記録のアーティファクトでその恥ずかしい格好の写真をいろんな角度から撮りまくって。

その後私の手を握ってその場を後にした。

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