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ハンドメイダー異世界紀行⁈  作者: 河原 由虎
第一部 三章 “キョウト”へ
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093.目を覚ますとそこは...

ぼーっとする頭で、薄く目を開けると。


何やら牢屋のような格子が見えた。


灯りは少なく、朝なのか昼なのかもわからない


ここはどこ? なんでこんなとこに?


目を閉じて思い出そうとするが、いまいち思い出せれない。


記憶が飛んでる…………?


思考力が少し戻ってくると、気づいた。

自分が縛り上げられて吊るされていることに。

あと猿轡(さるぐつわ)もされている。


…………イヤー二十五年生きてきて初体験。


どういう風に縛られてるのかは目視できないのでわからない。何せ足が地面に届いてないので、自重で上が向きにくいし、わざわざ確認する気力もない。


アレって手が痛くないのかとか、考えたこともなかったけれど。意外と痛くない。


でも長時間は嫌だな…………


などと考えながら自分が意外と冷静であることを自画自賛する。


偉いぞ私? 取り乱していない。


そしてだんだんと思い出してきた。


商隊が襲撃を受けて、戦闘がはじまって。

大吉さんの戦闘に見惚れてた時に後ろから殴られたんだ。


しかしそれにしては殴られたはずの頭が痛くない。


身代わり守りが働いたのかな……?


グッジョブ私。


まぁでも、普通に考えてまずいんだけどね、この状況……


人の気配は、多分ない少なくとも今のところ近くにはいなさそう。さっき薄目開けた時も人影はなかった。


意を決してもう一度薄目を開ける。

見える範囲には誰もいないようだ。

そのまま目を開け、見える範囲の物を確認する。


顔はあんまり動かせない。


灯りは火ではなくレプリカランプのようだ。

壁の高いところに、長いロープに一定の間隔で(くく)り付けられている。


この牢屋内も同じタイプのものがつる下げられている。


ところで。腰につけていた上着がない。

ベルトも無くなっている。


やっぱりベルトごとアーティファクトつけたベルトチェーンも持ってかれてるか…………


頭をもにもに左右に動かして、耳の感覚を研ぎ澄ませてみるが、ピアスもはずされてるようだ。


抜かりがない。


私をここに連れてきたのが盗賊なら。

よっぽど頭のまわる人員がいるということだろう。


う…………こんな時に背中が痒い。

何故だ……!

届かないと思うと余計に痒いのなんで…………!


もじもじ動くと、やはり縛られた手が痛くなってくる。

その時、あることを思い出して目をしっかり開き虚空を見ながら念じてみる


“こっそり小さく、発動!“


音は実際しないんだけども。


見た感じ、ジジジジジっという音なイメージで出てくるそれ。


やったぁぁぁぁぁああ‼


心底嬉しかった。

全て取り上げられたと思ったら、実験中のソレが運良くまだ手元にあったのだから‼

髪ゴムに擬態させていたレプリカアーティファクトはそのままだ!


素っ裸だと思ってたらレザーコートまでしっかり着込んでたくらいの安心感だ。(どんな例えよ?)


嬉しさ百倍なところ、今まで動かなかった空気が動くのを感じたのと、何か扉が開く音が聞こえたのはほぼ同時だった。


“ストップ”


手元にまだアーティファクトがあることを知られてはいけないと、とっさに起動したそれを止める。


この牢屋、外へ通じる出入り口からは遠いのか。ドアの開く音がして、その後コツン、コツン、と複数人がこちらにくる足音が聞こえる。


今気づいたけど、掘りっぱなしの洞窟ではないようだ。

舗装もなされている。


とりあえずまだ寝たふりしとこうかな…………


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