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ハンドメイダー異世界紀行⁈  作者: 河原 由虎
第一部 三章 “キョウト”へ
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『外伝』090.連れ去られる藍華


一方、アグネスとフェイも結界が消えたことには気づいていた。


「はああああぁぁぁ!!」


ドガッッッ!!


長槍で鋭い突きを繰り出し小さくはない体の盗賊を盾ごと吹き飛ばす。


「こいつらしつこいなっ!!石弾(ストーンバレッド)!!」


(まと)を1つに絞って撃たれるそれは、一撃必殺だった。


「ただの荒くれどもとは違いそうな感触はある、な!!」


フェイの両手には美しい曲線の白銀の刃。

刀身は1メートルくらいで龍の模様が入っている。


「白龍の爪!!」


フェイが刀を振ると、剣戟(けんげき)が飛んで盗賊の1人を十時に切り裂く。


「フェイ!結界が消えた。藍華に何かあったんだ!」


長槍でまた別の盗賊を牽制しながら言うアグネス。


「あぁ。。。!」


ギィンッッ!!


大振りのシミターを2本の剣を交差させた根元で受け止めながら返事をするフェイ


だが、2人ともまだそこからは離れられそうにはない。








「野郎ども!!」


盗賊の頭が声を張り上げ隠れていた岩の上に簀巻(すま)藍華(あいか)を左肩に担ぎ立ち上がった。


「?!!」


「撤退するぞ!用意しろ!!」


「藍華!!!」


見えているのは後頭部とポニテ三つ編みだけ。

1番早く反応したのは大吉だった。


「動くな!天雷の。この娘が大事なら、な」


「貴様、藍華をどうするつもりだ?!」


アグネスの問いに、盗賊の頭は


「さぁてね。ひとまず人質にさせてもらうが、

商隊の積荷と交換するなら考えてもいいぞ。

明日のこの時間に、返答を聞こうか。連絡手段はコレだ。

大事にするこったな。」


そう言ってレプリカの鳥模様の入った根付けを大吉に向かってなげる。


パシっと受け取るも盗賊の頭から目は離さない。


(かしら)の懐のアーティファクトが光り始めるのと呼応するように、盗賊たち全員がなにかのレプリカの光に包まれる。


ここから藍華のところまで飛んで奪い返すにも対峙している六剛(りくごう)からも気は逸らせれない。。


湧き上がる怒りを隠すこともなく垂れ流す。


「・・・そいつに指一本でも触れてみろ・・・お前ら全員命はないと思えよ・・・!!」


頭を睨みつけているその顔は、超極悪で。

その迫力はアグネスとフェイもが恐怖を覚えるほどだった。


「・・・丁重に扱おう・・・あまりこの場から遠くにいかないことだけ勧めておこう」


そういうと、アーティファクトとレプリカの光が増し、盗賊たちは全員その場から消えていなくなる。




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