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ハンドメイダー異世界紀行⁈  作者: 河原 由虎
第一部 三章 “キョウト”へ
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078.美味い肉


森林ルートは良い。


何が良いかって空気が気持ちいい。


昼休憩の場所に少し早めに着いたらしく、大吉さん、フェイさん、護衛チームから中堅の1人と商隊頭取が狩に行った。


護衛チームの残りの人は今キャンプ付近の警備をしてくれている。


「まさか“うまい肉とってくる”とか言って狩に出かけちゃうとは思わなかったわ〜」


ぶつくさ言いながら焚き火の用意をしているアグネスさん。


「森林ルートの楽しみの一つだって言ってましたよ。

もしかしてそのためにちょっと早めに出発してたんだったりして。。」


竈門もどきを作っているユウリさんのところに集めてきた焚き木を持ってきながら言うと、


「まさにその通りです。少し早めに出発した上に、ペースも少し早かったです」


少し怒り気味に言うユウリさん。

でも本気の怒りではないらしく、しょうがない、といった雰囲気。


「馬たちがかわいそうです。」


「まったくだ。」


3号車の御者のおじさんも焚き木を持ってきて頷いた。


「交代だ、ユウリちゃん、馬たちのケア頼むよ。」


「ありがとうございます、タイラさん!

では皆さん、あとはタイラさんの指示に従ってください。」


いい笑顔して馬たちのところへ向かうユウリさん。


「馬好きなんですね、ユウリさん。」


「俺たちみたいな商隊にとっては家族みたいなもんだからな。

嬢ちゃん、そこの池からコレに水一杯持ってきてもらっていいか?」


そう言って小さめのバケツを渡された。


「もちろんokです!」


綺麗な池のすぐ横にキャンプを張ったので、流れていく川の音も、空気も、本当に気持ちがいい。


水を汲んで持っていくと、火起こしをするところだった。


「じゃ、アグネスさん、お願いしてもいいっすか?」


タイラさんが即席竈門から一歩離れてアグネスさんに声をかける。


「オッケー!」


タイラさんは火打石をカチカチし始める。


アグネスさんは左手につけている燃えるような火の色の指輪をひと撫でしてから手を竈門に向けた。


「火よ!」


指輪はアーティファクトかレプリカか。

火打石で出している火花を操って火を起こした、ということか。


「やっぱりすごいですね、火のアーティファクト!」


タイラさんの言葉にアグネスさんが答える。


「精神力もそこまで必要ないからなー。長旅するならレプリカよりアーティファクトの方がおすすめだ。」


そうなんだ。。レプリカの方が精神力の消費が激しいのか。


「火力の増幅力も半端ないですよね!」


たしかに、操るだけではすぐに火は起きまい。


「タイラさん、水ですー!」


「おー、ありがとうなー!」


火の処理用の水らしく、バケツは竈門の横に設置された。


「もうちょっと薪足して、先にお湯を沸かしておこう」


タイラさんがそう言って薪を足し、火力が上がってきたその時。


割と近くで何かの獣の雄叫びが聞こえた。


ガオオオオオオオ!!



がおおおおおお

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