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ハンドメイダー異世界紀行⁈  作者: 河原 由虎
第一部 三章 “キョウト”へ
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077.結界実験



「藍華、森林ルートで気をつけなければいけないのはどんなことだかわかるか?」


馬車に乗り込み、出発して少しした時に問うてきた大吉さん。


「森林は隠れる場所がたくさんあるので。。。襲撃に気をつける。。。?」


「正解。あとは野生動物に気をつける。」


なるほど、深い森には危険な動物もいるのか。


「まぁ上手くすれば良い肉が手に入って食事が豪華になる。」


鞭で飴か。


森林ルートといっても整備された道ではないというだけで、幅広いガタガタした道がある。


舗装のひび割れた道路をその上に土がまぶされているような感じの道がしばらく続くようだ。


「こっちのルートを行くとなると、昼は大きな湖のところになる。川魚も食べれたらラッキーだな。」


出発したばかりなのに、食事に思いを馳せる大吉さん。


「楽しみですね。

ところで、ちょっと実験しておきたいのがあるんですけどいいですか?」


「おぅ、あれか?

ルーン文字アーティファクト“アルジズ”の?」


出発の前の日、話していたことを覚えていてくれたようだ。


「はい、持続時間とできたら耐久度を。あと、遠隔で使えるか。」


防御の壁は小石は防いでくれた。


「壁型はこぅ。」


大吉さんとの間に壁型で発動させる。


「ドーム型がこぅ。」


一間置いて、自分を囲うように発動させる。


「形は自在なのか。。。すごいな。。。似たようなレプリカをいくつか知ってるが、1つの形限定だったぞ。」


「レプリカだからじゃないですかねー。」


レプリカ特有の、効果の劣化で十分あり得そう。


「さて、ここからです。

今から大吉さんの周囲に張ってみますよ?いいですか?」


「お。。おぅ。。。」


ゴクリと軽く息を飲み頷く。


大吉さんの周囲に───展開!


防御結界(アルジズ)!」


ワンテンポ遅れて先ほど自分を囲ったのと同じ光の膜が大吉さんの周囲に展開する。


「やった!!遠隔可能!」


強度は───と、大吉さんに持てと言われて渡された小さめのアーミーナイフをカバー付きのまま構える。


「ちょっ!まてまてまてまて!!遠隔が可能なら俺が中に入ってる理由はないだろう?!」


めっっっさ止められたので、諦めて。2人の間に小さめの半球状に防御結界(アルジズ)を展開し、ナイフで上から刺してみる。


カキンッッッ!!トスッ!


刃は膜に当たった後、滑って膜横の木板に刺さる。


「ある程度の強さまでは防いでくれるみたいですねー。」


「刃物を防ぐか。。。棒で行ってみてもいいか?」


打撃に対する耐久を調べるのか。


「もちろんです。」


馬車に備えついている、掃除用の箒を取って、その持ち手の方を振り下ろす。


ゴッッッガガッッ!!


やはりすべって半球横の木板を打ち付ける。


「打撃もokと。」


「火とか水とかも防いでくれると万能防御のアーティファクトだな!」


ウキウキしながら言う大吉さん。


「あとはどれくらい大きいのができるのかと、持続時間デスネー。」


「?大きさはともかく、持続時間は発動時のみじゃないのか?」


ニヤリと微笑み、私は答える。


「アーティファクト電池のギミックを入れといてみました。多少は発動から自動で保ってくれます。」


クゥさんの手記。大いに活用させてもらいました。


「実際にコレももう発動してない状態です。」


言って指差す先ほど作ったソレ。


「クゥさんのアレからか?」


「はい。大吉さんは試してなかったですか?」


腕を組み目を閉じて必死に記憶を辿っているようで眉間に皺が寄っている


「材料の関係で粗悪品しかできなかったから諦めた部分だな。。」


「レプリカじゃ難しいってことですね。。。」


早急にレジンをなんとか手に入れる方法を考えないといけないかもってことだわね。。。


わたし的にはレジンがあろうとなかろうと、何か“作る”ことができるならば生きてはいけそうだけども。。


レプリカのあの特有の不透明度。アレの透明度を上げれたらどうなるのか知りたいところでもある。


「とりあえず、コレ、しばらくこのままでいいですか?」


防御結界(アルジズ)の半球を指して言う。







結果、1時間弱効力そのままに保たれていた。



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