074.初めての夜警
夜警はキャンプ地からほんの少し離れた全体が見渡せる場所に焚き火を焚いた状態でするらしく。
全員が寝静まる前に、折り畳み椅子を持って火の前に来た。
「あ、大吉さん。これユウリさんが飲んでくださいって。」
持ち運びできるポットを渡されたので、そのまま持ってきた。
「お、ありがたいな。ここらへんは夜は冷えるからな。」
ポットを受け取り、ベルトチェーンのアーティファクトを1つ取り出して発動させる。
白く光った後青く光り、大吉さんはアーティファクトを再びポケットに収める。
「今のは?」
「んー色々に多用できるが、いわば危険探知機だな。
遺跡なんかでは道が分かれてる時に使用する。どちらの道が安全か。安全なのは青く光る。」
「・・・なるほど・・・」
ユウリさんから渡されたものでも、いや多分わたしから渡されたものでもそうやって確認するのだろう。
「ひとまず今日は一日無事に済んだな。
どうだった?」
「どうだったと言われても。。。
馬車に乗ってるだけで、特に役立ってることもなくて申し訳ないなーとしか。。。」
こういう馬車での移動が初めてで何がおかしいのかもわたしには気づけない。
「ユウリさんと話ししたり、冷蔵アーティファクトの管理で十二分に役に立ってたぞ?」
あ、そうか。
わたしは普通のアーティファクトを何時間使用してても大丈夫だけどこちらの人はそうじゃないのだった。
「それなら良かったです。」
「俺でもアーティファクトの12時間連続使用は無理だからな」
「そうなんですか?」
「ガス欠になる前に精神を休める癖がついてるからなー。物によって耐久時間は変わるが、冷蔵アーティファクトでも5時間連続が限界かな。」
パキッと小枝を火に放り込みながら言う。
「まず使いすぎっていう感覚がわからないんですよね。。」
「前も少し話したが、藍華の時代とこの時代の人間は何かが違うのかもな。クゥさんも底なしだった。」
「具体的にどんな症状になるんですか?」
「人によって多少変わるらしいが、俺の場合は体がだるくなってきて、限界越えると眠る。」
「意識を失う、じゃなくて眠る、ですか?」
確か前は倒れるとかなんとか言ってたような。
「多分リミッターが働いて精神とか身体に後々不具合が出ないようになってるんだろな。俺の体は。」
あはははと説明してくれる。
「まぁずっと同じ症状とも限られないから十二分に注意する必要はあるんだが。」
ずっと同じ症状とも限らない、変化していくものなのか。
「今日移動開始してからずっと冷蔵アーティファクトを発動してただろ?身体に何か違和感はないのか?」
「・・・」
目をつぶって何か感じようとしてみたりするものの、特に何も感じず。
「これといって何も。。。あえて言うなら運動不足かな、って言うくらい??」
ずっと座っていたのでお尻痛いとか。
「じゃぁ今のうちに身体伸ばしておくか」
その結果。
焚き火のすぐ横でラジオ体操してみたり、筋トレの真似事してみたりする変な2人組と化するたわたしたちだった。
あ。。。!up時間がごめんなさい遅くなっちゃっっっ




