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ハンドメイダー異世界紀行⁈  作者: 河原 由虎
第一部 二章 そして事故?はおこった。
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057.辛子氏の嗅覚レベルは・・・




アーティファクトへと戻ったそれを智さんに手渡す。


「他の棒人間はまだ使用してないが、コレらは腕力強化するものと、脚力強化のものだろう。

1つコレだけ。分からん。」


そう言って、手に丸い何かを持っている棒人間を指す。


わたし的には魔法とか使えたら楽しーなくらいに思っているけれど。


「研究期間に丸投げしよう。解明し、役立つようにしていくのが奴らの仕事だ。

まぁ、レプリカの方で何か新しいことが分かったなら教えてくれると嬉しいが。単なる興味本位だから無理はしなくていい」


小百合さんがどこからか鍵付きの箱を持ってきて、智さんは受け取ったそれをそこに入れて鍵を閉める。


「護衛の依頼を受けてると言ってたが、“きょうと”行きのやつか?」


「そうだ。商隊の護衛だそうだな」


「じゃぁついでに研究期間にコレを届けてくれ。

依頼料は前払いと後払い、半々で渡す」


そう言って鍵をかけたばかりの箱を大吉さんに渡す。


「・・・いやまぁたしかに研究所にも顔は出すが。。。

まさかそのまま渡されるとは思わなかったぞ。」


「面倒ごと・・・もとい、貴重なアーティファクトは一刻も早く研究機関に届けた方がいいだろう。どのみちここの研究所では足も手も出ない。

何せ“踊る棒人間の指輪”のオリジナルは“きょうと”にあるからな。」


例のクゥさんがゴリ押し提出したやつ。。。!


「依頼、たしかに引き受けた。」


「小百合、この金額を。」


そう言ってサラサラ〜っと金額とサインを書いた紙を小百合さんに渡す。


「わかったわ」


受け取りすぐに部屋を出る小百合さん。


「さて、気になっていたんだが。」


カチャリ


わたしはずーっと気になってますそのメガネ。


「君は・・・」


改めて、まじまじと私を見る智さん。


「もしかして碧空と同郷か?」


「!!?」


別に知られてはいけないことでもないと思っているからそこまでではないが、ビックリ。


「何故わかった。。。?」


大吉さんが静かな声で問う。


「雰囲気と匂い。。。?」


あえていうならーっていう感じに答える智さん。


「別に隠してるわけではないが、一応“きょうと”の出だってことにしてる。」


「・・・いいんじゃないか?

ちょうど俺もそう思ってた。

同郷か、きょうとの方の研究期間に近しい所の出か、と。」


それって何か特殊な感じなんだろうか。。。?


「そして、ただ聞いてみたかっただけだ。

俺のカンが正しいのかどうか興味があったんでな。」


割とあっさりした理由だった。


「まぁなんだ・・・

力になれることがあったら言ってくれ。

碧空のクゥさんにはお世話になったし、できるだけ善処しよう」


そう言ってカチャリとまたメガネを鳴らす。


「そして───できるだけ沢山良いものを作っていってくれ」


満面の笑み、というにふさわしいのだろう。

なるほど。

それなりの下心はある、と。


「藍華は作るためにここにいるんじゃない。クゥさんと同様でなぜどうやってきたのかもわかんないんだ。」


大吉さんは少しムッとした感じで言った。


「いいじゃないか、ここにいる間だけでも色々作っていってくれたって。」


「まぁまぁ、大吉さん。

何もなく親切にされるより分かりやすくていいじゃないですか。」


後から無理難題を吹っかけて来られるより全然マシ。


「ただ、わたし碧空さん程の者ではないのでそこだけ覚えていていただければ。」



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