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ハンドメイダー異世界紀行⁈  作者: 河原 由虎
第一部 二章 そして事故?はおこった。
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054.辛子智





ボランティアの審査は15分くらいで完了した。



「奮発してきたな。思ってたよりずいぶん多い。」


「そうなんですか?」


「多分重要度と死者が出なかったことが関係してるのかな、貴重な寺は建物が全壊してるが坊さんたちが助かったのも大きかったんだろう」


寺関係からも資金がきてるってことなのかな。。?


「さて、呼び出しはまだだが、上の階に移動しておくか」


そうして、

アーティファクトの査定のためのフロアへ移動しはじめた直後、丁度呼び出しがかかった。


『アーティファクトの査定でいらしてる大吉さんー

担当者が戻りましたので4階受付までお越しください。

アーティファクトの査定でいらしてる大吉さんー

担当者が戻りましたので4階受付までお越しください。』


拡声器のようなアーティファクトもあるんだろうか。

建物全体に響くアナウンスの声に、どんなアーティファクトが使われてるのか興味津々。


「ちょうどよかったですね」


「そうだな。。。

さて、どう出てくるか、な・・・」


気の重そうな声で言う大吉さん。


役所で働いている典型的なタイプだと苦手そうだなーとか考えながら後についていく。



階段上り切るとすぐに、先程の小百合さんがいた。


「お待たせ!会議室どうぞ〜!」


そう言いながら、三階の奥の方へと通される。


「兄さん、入るわよー!」


ノックも何もなしにガバッと扉を開け、中へと入っていく。


「ヨォ、久しぶり。」

「お邪魔しま〜す。」


わたしが入ると小百合さんが扉を閉めてくれる。


「で?足を洗ったんじゃなかったのか。。。?」


少し下がってきていたメガネをカチャリとなおし、キラッと光らせながら長身の男性、智さんが言った。


黒いスーツに髪は短髪引っ詰めで、見るからにお堅い職員な雰囲気を醸し出している。


「遺跡の方は行ってないぞ。

護衛とかの依頼はまだ受けてるけどな。

今回は以前発掘したやつの能力がわかったから来ただけだ。

ただ、特殊な状況で使用できるもので、俺の生活に必須なアーティファクトでもあるから全部は提出はできねーぞっていうご報告もな。」


「以前の。。。?

もう提出査定済みか。。。

まぁとにかく座れ。そちらのお嬢さんもどうぞ。」


促され会議テーブルの端に並んで座る。


「3年前くらいだったか、遺跡探索の時に発見したアーティファクトで、俺が持つと淡く光るが何も起こらないやつがあったのを覚えてるか?」


「あぁ。貴重な碧空の作品で状態もいいのに。。。

まさか。。。!!使用方法が分かったのか?!!」


食い入り気味になる辛子さん。

メガネが光って目が見えない。


「偶然な。藍華のおかげでわかったんだ。」


「藍華・・・さんの。。。?」


再び眼鏡の位置を直す辛子さん。

あとで調整させてくれないかな。

気になってきた。


「俺のコレと同じタイプのものを持っててな。」


そう言って大吉さんは首のチェーンから指輪を外す。


わたしは手につけているそれを辛子さんに向けて見せる。


「通常アーティファクトは2つ同時に使用することは禁忌に等しい。だがコレと同時に使用することで、力が発現するんだ。このアーティファクトは。」


例のアーティファクトをチェーンから外してテーブルの上に置く。



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