051.恐怖の三日間
蓮堂さんが、まだ仕事があるからと、帰っていった後に。
「こんなに急に休んじゃったりして、お店の方は大丈夫なんですか?」
「まぁいつものことだから、常連の連中はわかってるし。休業の連絡だけだしとけば店の方は問題ない。」
わたし的には売上とか、防犯のことも気になるのだが。
「来月には大口の動力アーティファクトの注文が入ってるから、生活の面も心配はないぞ。」
カップをキュッキュッと磨きながら言う大吉さん。
「お店の防犯の方はどうなってるんですか?」
◯◯ムとかがあるわけではないだろうこの世の中、アーティファクトという値の張る物品を扱うこのお店、どういう風に防犯対策をとっているのか気になる。
「アーティファクトの1つで、結界系統の物があるんだが、それで対策はとってるぞ。」
そういえば出かける時いつも何かしているな、大吉さん。
「もしここに侵入できたとして、逃げ切るのは不可能だろうな。。。」
青い顔して呟く。
「・・・何が仕掛けてあるんですか」
「クゥさんがな。。。」
あ。。。なんとなく察し。。。
「許可なく侵入した時点で、侵入者はある場所に閉じ込められる仕掛けをしていってくれてな。。。
閉じ込められた者は俺の持つこの店の鍵でしか出してやれない。」
そう言って店の入り口に取り付けられている飾りを指す。
「藍華の部屋にもあるだろう?」
碧空さんの作品の中に『妖精の涙』と名のつけられた、小さいけれど模様のついた玉に蝶が入っている作品がある。さながら模様の籠に蝶が入っているかのような。
わたしの借りている部屋には、デスクライトのようにして置かれていたが。。。やっぱり碧空さんの作品だったのか。。。。
「大きさが結構あるのでレプリカかと思ってたんですが。。。アレもクゥさんの作品だったんですね。。。。」
「あぁ。。。
許可なき侵入者はアレの作り出す擬似空間とでもいうのか。。。そこに飛ばされて向こうからは出てくることは不可能だ。。。おそらく。
少なくとも俺の手持ちのアーティファクトやレプリカでは無理だった。。。。。。」
。。。。。。
「アレの中に入ったことが。。。。。?」
「。。。。。事故だ。。。
俺はちゃんとノックして入ったんだ。。。
クゥさんも返事したんだ。
ただ、できたばっかで。。。“鍵”ができるまで出られなかったってだけで。。。。。」
。。。。。。。。
「何日かかったんですか。。。?」
「。。。3日。
あの時ほど遺跡探索用の非常食を常に携帯しててよかったと思ったことはないヨ。。。
中の空間は薄明るい虹色な感じで。上も下もなく。
時間の感覚も何かおかしかったな。。。
藍華の時計のアーティファクトだけが頼りだった。。。心の。。。」
何という。。
まさか経験者だったとわ。。。
しかもわたしの作ったやつが(B品だけど)心の頼りだったて!!
嬉し・・・・・
「・・・時々外の音が聞こえてたのもすくいだったな。。。」
「無の空間って感じですかね。。。?」
「そこから改良してな。ひとまず外は定期的に見えるようにはなっている。」
食の問題は。
「食事は。。。。。運だ。。。。
まぁ幸いこれまでに侵入できた者はいなかったから。」
「あれですね、もしかしたらその空間に送られたときに知らせてくれるような機能とか、あったらいいなって感じですかね。。。
一回入ってみたい気もします。」
すぐ出して欲しくなるかもしれないけれどw




