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ハンドメイダー異世界紀行⁈  作者: 河原 由虎
第一部 二章 そして事故?はおこった。
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048.蓮堂さん




カロンカロンカロンカロン!


乱暴ではないけれど強い力で開けられた扉は、ドアベルが大きな音を奏でることで来客を教えてくれる。


「よぉ!大吉!!」


大柄な男の人、短髪に黒のタンクトップ。惜しげもなく出している二の腕は良い筋肉がついていて、上半身だけ見たら、どこのヤクザが殴り込みに来た?!ってところだけれど、朝も見た桜の御紋入りの羽織りを腰につけていたので、一応警察関係者とわかった。

一応。


「おぅ、やっぱりお前がきたか。蓮堂れんどう


「襲われたって聞いたら仕事じゃなくとも来るにきまってるだろう?

それに大吉関係は俺が担当するって決まってるようなもんだしな!」


ガハハハ!と豪快な笑い方をする人だ。


「で、そこの子が嫁だって?」


「ちがいます!」

「ちがう!」


何故嫁。

ぃや、こそばゆいしちょっと嬉しいのは認めよう。

認めるけども


「大吉さんのところでアーティファクトの職人見習いさせてもらってます。よろしくです!」


にっこり笑顔で手を出す。


「よろしくな!」


ガシッと握手して、舞子さんの定位置の1つ横に座る。


「とりあえずコーヒー頼むわ。」


「了解」


手にしていたアーティファクトをポケットに押し込み、カウンター内に入る大吉さん。


わたしは修復の必要なもの箱の中から数点持って、店内の作業スペースに座る。


「押収したアーティファクトはほぼ『神の息吹』入りの本物だ。取り調べは──まぁ数日ないには終わるだろうが。。1人護送中に逃走した。おそらくリーダー格の者だ。」


「・・・何やってんだ警察は・・・

今は俺1人じゃねぇんだ。。そう簡単に納得できねぇぞ・・・」


怒りを抑えながらあらわにする大吉さん。


「申し訳ない。ここらの警護を少し強めていいか?」


「しょうがないだろぅ。」


あれだよね。。。わたしの為に怒ってくれているのだよね。。。


「一応聞いておくが、狙われる心当たりは?」


「・・・ありすぎてわからんな。

1番最近では遺跡探索時の盗賊とやりあったやつか。。?

だがリーダー格の奴の言葉では、特殊なアーティファクトを見つけた──といっていたから、多分違う。

探索時に特殊なアーティファクトは発見していないからな・・・。」


たしかに『特殊なアーティファクトを発見したようだな』と言っていた。


やっぱりあの碧空の棒人間の魔法陣、踊る棒人間の指輪がトリガーになって力を発動するあのアーティファクトのことだよね。。


「そうするとあれだな。。

ずっと張られてた可能性が高い。。。

発掘後のアーティファクトの力の確認のためにいつも砂浜で試しをしてるから。。。。。」


コポコポと音をたてながらコーヒーがカップに入っていく様を眺め、ガックリと項垂れる。


「俺のせいだな───」


「そんなことないです!!

わたしも調子に乗って色々やっちゃいましたし。。。!!!」


大吉さん1人の責任ではないだろう。アレは。

ガタンっと立ち上がって言うわたし。



「何か特殊なのを見つけたのか?」


「以前発掘して提出したやつでな。。

光りはするが何の力もなく、手元に戻ってきたやつなんだ。

それがあるアーティファクトとペアでようやく力を示す事がわかってな。」


「そりゃー・・・確かに特殊な部類に入るな・・・!

提出はいつするんだ?」


「三日後くらいを予定してるが。。。

ただ俺の常用のアーティファクトとセットで提出しないとならないなら拒否権を使用せにゃならんかもしれない。」


「拒否権??」


その話はまだ聞いていない。


「生活において、仕事などに必須なものとか、代々受け継いできたものなど、必要に応じて提出を免れる物があるんだ。そう言った物は提出拒否の手続きが一応できることとなっている。」


それならクゥさんのアーティファクトもそれで手元に置くことができるのでは??


「常用してる棒人間の指輪は以前同じものを提出したから今手元にあるが、もしもう1度提出はしないといけないなら、その間無防備になるのがな。。。」



なるほど。




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― 新着の感想 ―
[良い点] 蓮堂さんもなかなか良いキャラしてますね。 しかしアーティファクトだけでこれだけ話を 書けるのは、作者さんのアーティファクトに対する愛を感じます♪
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