044.買い物上手な
カロンカロン〜
ベルの音と共にやってきたのは舞子さん。
「こんにちは〜♪
今日は1番乗りね!」
「ホントに暇だなお前。。。」
大吉さんがドアの鍵を外した直後に入ってきた舞子さん。
「暇じゃないわよ!
きてあげてんじゃないの!
それに、うちの仕事は夜だから朝ごはん食べるのにちょうど良いって言ってるじゃない。
もうボケちゃったの〜?」
そう言いながら大吉さんの頬を人差し指でグリグリする。
「こんにちは、舞子さん。」
よっこらせ、と作業台に座りながらご挨拶。
「こんにちは、藍華ちゃん〜!
ねぇ、あなたわたしの朝ごはんが終わったら一緒に来なさいな!」
「へ?」
「だってあなた、またそんな古臭いファッションの服着てー!今の時代、肩隠さないほうが流行ってんのよ〜?
絶対に可愛くなるから!ね!」
肩。。。
イヤ。。。別にわたしはコレ結構気に入ってるんだけど。。。。。
ピコーん!!
あ、イケナイ。。。思いついちゃった。
あたらしい作品。。。。。。
肩出しでも、ずり下がらないように、糸とビーズ でストラップ。ワニクリップ使用の取り外し可能グッズ。
大きなスカーフのような物をそのまま簡易ワンピースのようにして着るってどう?!
っていうか舞子さんに着てもらいたい。。。。。
夏場のビーチ、彼とのデートにいかがですか・・・?
「───か・・・藍華・・・?」
遠くから聞こえた声に、意識を取り戻す。
「大丈夫か?藍華?」
「あ、はい!大丈夫です!
あの、大吉さん。
舞子さんと一緒にちょっと行ってきて良いですか?」
ボーッとしてた上に突然の提案にしどろもどろ答える大吉さん。
「あ・・・あぁ。。。
大丈夫だが・・・藍華は大丈夫なのか・・?」
「・・・?大丈夫ですけど??」
何が???
「あ、すみません、お金貸してください!!
服とか色々多分買ってきたいので!!」
「おぅもちろんだ!」
わーぃ!お買い物〜!!
昨日も来た工事現場のおじちゃんたちが来た頃に、舞子さんと2人、ショッピングへと繰り出した。
連れて行かれたのは喫茶店からそう遠くない商店街。
「さー!買うわよ〜!!」
「舞子さん、予算がこれだけなので。
この範囲でお願いします。」
そう言って借りた財布を渡す。
「ちょっ!なにこれ!
しけてるわねー!!」
中を確認して言う舞子さん。
しけてる。。って言葉ここでも使うんだ。
というか、通貨とか物価の話全然聞いてないや。
ま、舞子さんが一緒だし大丈夫かな。。?
「これじゃ5着くらいしか買えないわよ!!」
「ひとまずそれだけ買えれば十分ですよ。ここらへんの物価とかわかってないので、助けてもらえると嬉しいです」
キャイキャイ話しながら一軒の店の前に到着。
二階建てっぽい木造建物で、一階には所狭しと並んでいる服。二階の窓からも服が確認できる。
「ここなら色んなジャンルの服があるから気にいるのが見つかるはずよ!入って入って!」
完全に女子高生なノリで店に突入。
店の人と知り合いな舞子さんのお陰もあって、格安で購入させてもらうことができた。
メモ
とりあえず、控えめに肩の出るシャツを1着とサイズの合った下着類、動きやすいジーパン等を購入してきた。
あと、大判のスカーフを1枚。




