041.色々
「もちろんオッケーですよ。」
じっと短刀を見つめ、念じる。
光よ収まれ───
すぅぅっ、と光は消えていき、残ったのは見た目も普通の懐刀。
「・・・・・!!」
驚愕の顔の大吉さん。
「???」
訳もわからずその表情を見守るわたし。
「光を戻してくれ」
「はい」
すぅぅっ、とまた戻ってくる光。
するとまた難しそうな顔をして黙りこくる。
「あの。。何か問題でも。。。??」
「ん、あぁ・・・
通常アーティファクトは、その力を使う時どうしても光ってしまうものなんだ。」
え、そうなんだ。
「クゥさんのはどうですか?」
「試してみるか。
やってみてくれるか?」
「いいですけど。。」
大吉さんがやらないの?と思いつつ答える。
「で、そっちを俺に貸してくれ。」
懐刀を指して言う。
あぁなるほど。アーティファクトが原因なのか、それともわたしが原因なのか、か。
「わかりました。どうぞ」
懐刀のままわたし、クゥさんのを受け取ろうとすると、大吉さんがさっきよりも驚いているようだった。
彼の手には、わたしの手を離れても懐刀のままのアーティファクト。
「?!!!!」
懐刀を抜いてみたり、それでキャベツ切ってみたり(ぉい)しっかり拭いてまた鞘に納めて。
「なんで藍華の手を離れてるのに元の形に戻んないんだ?!」
「ぇぇえ、普通は手を離れたら元に戻るんですか?!」
「元に戻るというか、こういう遠隔系じゃないタイプのは、精神力というエネルギー元と離れた瞬間に発している力は消えるはずなんだが。。。」
「遠隔系?」
「使用者の精神力をある程度込めると一定の時間動き続けるのが遠隔系。
例えば俺は持ってないが、生き物系のやつだな。
蝶、鳥、トカゲ、猫、ウサギ、凄いものではドラゴンが召喚したりできるらしいぞ?」
そのラインナップでだいたい想像がついてきた。。。
どれもこれも、ハンドメイド作品によく見られる動物たちだ。
「使い道はよくわからないが、クラゲとか、ウミウシとかいうのもあったな。。」
自分の思いつく作家さんたちの作品を思う。
「じゃぁコレは遠隔系のアーティファクトってことになるですかね。。。??」
「そうかもしれないな。。。生き物系以外の遠隔アーティファクトなんて聞いたこともないが。。。」
ふぉん、と懐刀がアーティファクトに戻る。
「制限時間とか何かあるんですかね。。。?」
「通常の遠隔系には制限時間はあるらしいから、それにもおそらくあるだろう。」
「ちょっと待ってください、じゃぁ動力アーティファクトは?」
「あれはバッテリー系だ。1度起動するとしばらく動き続けるタイプだな。遠隔系ではないから、途中で止めることはできない。」
ふむふむ。
っていうか、アーティファクトにもできることとできないことがあるのか。
「おっとやばい、店を開ける時間がきちまうから、とりあえずさっきの1個だけ実験してみよう。」




