037.神の息吹
「コレで全部だ。」
到着した警察官の1人に、集めたアーティファクト等の袋をわたす大吉さん。
「あと、ここで一応報告しておくが、上の者に伝えてくれるか?」
「構いませんよ!」
笑顔で答える若い栗毛の警察官。
ここの警察官の制服はなかなかよろしくて、羽織りは桜の御紋入りで、他は自由になっているようだ。
その羽織がまたカッコイィ。
そして、全員が同じレプリカを持っているようだ。
ベルトに、大吉さんと同じようなベルトチェーンをつけていて、そこからのぞいているチャームが同じ。チェーンの先には違う物がついてるかもしれないけど。
《桜のチャーム:能力、通信》
「以前提出したアーティファクトで、何も反応を示さず俺のところに返されたやつが、どうやら特定の条件下で発動することが、分かった。もう少し条件を調べてから提出に行く、と伝えてくれ。」
「了解です!ちょっと中身確認させていただきます。」
ガサゴソと袋を確認する若い警察官。
「全部で15点ですね。。。」
いくつかを袋から出して確認する。
みるみるうちにその表情が変わっていく。驚愕の顔へと。
「殆どが“神の息吹”入りじゃないですか。。。!!
これが全部フェイクじゃなかったら、相当な資金力のある組織ってことになりますね。。。」
“神の息吹”???
なんか気泡入りの作品ばっかだなーと思ったけど。。。
もしかして。。。。。。
「まぁ殆ど発動される前に倒しちまったから能力の確認はしてない。ま、せいぜい頑張って調べてくれ」
大吉さんがニヤリと言う。
「えぇええ。。。まぁ仕事なんでやりますけど。。。」
袋を大事に抱え、他の警官達のところへふらふらと行く。
「“神の息吹”ってなんなんですか?」
一応聞いてみる。
「ん?あぁ、こう言うののことを言うんだ」
ベルトチェーンについてるアーティファクトの一つ、シンプルな空枠に可愛らしいおそらく青色だろうかすみ草の入ったレジン作品。
かすみ草と白とグリーンのシェルが入っていて、カラーリングはなし、あとおそらくスワロのABが入っていて、スワロの周りにおそらくシートかシールの枠がある。
そして。かすみ草のすぐ横に花の三分の一くらいの大きさの気泡が。。。。。
気泡が。。。。。
「中に気泡が入ってるだろ?こういうのが入ってるアーティファクトは力がものすごく強いことがあるんだ。」
うあああああああああああ
世の多くのレジン作家が、頑張って除こうと。。。
除去しようと。。。
頑張って除いてもオマエ何処から現れたああああああ!!!と、打ち拉がれる気泡が。。。!!!
ここではめっちゃ重用されて。。。。。!!!
めっちゃ打ち拉がれて立ち直るのにしばらくかかりました。
ちなみに大吉さんのかすみ草アーティファクトの能力は、傷んだ食材を食べれる状態に戻してくれるというミラクルな物でした。
気泡がなければ、せいぜい保冷剤程度の力なんだそうで。それでも十二分に役に立つ良いアーティファクトなのだそうだ。。。。。




