034.本当に以下略アーティファクト
岩の出っ張った部分を打ち抜き、響き渡る発砲音は海に、砂浜に、吸収されて消えていくようだ。
だが耳は、痛くなるほどではないがビリビリする。
次出す機会があったら消音器かイヤマフも一緒に出してみよう。。
「・・・すげぇ・・・」
鳩が豆鉄砲食らったような顔でそう呟く大吉さん。
「まさか、のイメージ通りだったことにびっくりです。。。」
そうするとこの『手に丸い何かを持っている棒人間』は。。。。。。
「大吉さん───」
待てと、くちに人差し指を当ててこちらを見ている。
はっと私も周囲を警戒してみると。
大吉さんの後方、砂浜に1番近い近くの廃墟の方からキラリと輝く何かが確認できた。
「んーじゃぁそろそろ帰りますかー?」
「そうだな、あらかた試しは終わったしなー」
多分力の加減は可能と分かったし、後はなんとか喫茶店上の借りてる部屋で。。。
やったらダメかな???
中断されてしまった実験だが、分かったことがいくつかある。。。
これはかなり危ないものであると。。。。。
帰りはまたのんびり、自分のうろ覚えの街とこの街の違いを眺めて帰ることにした。
「廃墟が結構多いんですね。。。」
「ここらへんはそうだな。藍華は多分大丈夫だろうが、1人でこういうところを歩く時は気をつけるんだぞ?」
大丈夫っていうのはやっぱりコレか。踊る棒人間の指輪。
「そうですね、十分に気を付けます。」
チラッと大吉さんがこちらを見る。
「逃れる時は逃げ。
逃げれない時は思いっきりブチのめす。
ぶちのめした時は必ず証拠としてそいつのアーティファクトかレプリカを奪え。
警察にはソレの使用記録を見るためのアーティファクトがある。」
どこからか見られている気がするのは気のせいではないと、大吉さんの仕草からわかる。気がする。
「1個質問。羽は使いますか?」
クゥさんのアーティファクトを使用するかを聞いてみる。
「いや。必要は、ない」
やっぱりひとまず秘匿することに決めたのね。
了解。
「じゃぁ、私が使います。」
ジャラッと胸元からクゥさんのアーティファクトを元として作ったレプリカをだす。
「!!昨晩やってたのか。。。だが気を付けろ?基本は相手が使う前にぶちのめせ、だ。」
そんなこと言われても。。。
喧嘩自体したことないのに。
できるかしら。。。??
「頑張ってみます。」
私の作ったレプリカがどのくらいの力を持つのかは不明。とりあえず武器を出して対応してみようか。
大吉さんが歩を止めるのに合わせて私も止まる。
すると、前後を塞ぐようにガラの悪そうな連中が現れた。
次回は木曜か金曜あたりに。。。




