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ハンドメイダー異世界紀行⁈  作者: 河原 由虎
第二部 一章 寺院の修復とその裏で動く影
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284. 可愛い桜の絵

 程なくして大吉さんが、日本酒と器を持って戻ってきた。


「高いものじゃないし。コレは俺からの奢りだ」


 そう言って三人の前に、なんだか木の枝の絵の入ったおちょこのような器を置いて、そこに持ってきた日本酒を注ぐ。


「コレは……レプリカか?」


 喜光さんは器を手に取り、中身がこぼれない程度に回しながら言った。


「レプリカとも呼べないただの器だよ。昔キョウトで親父たちが飲んでたのを思い出しながら作ったんだ」

「一杯目で器の枝に花が咲き、二杯目で具現化するっていう、あのアーティファクトか?」

「そう。飲める年になった時にな。作ってみたが、絵を描くっていうのは俺には無理な作業だった」


 苦笑しながら大吉さんがそう答える。


 わたしが少し身を乗り出して見てみると、喜光さんの器には何やらピンク色が浮かんできて、しばらくするとそれが何なのかハッキリ見えてきた。


「うわぁ、可愛い桜の絵が!」

「子供の落書き……?」

「酒を入れると浮かんでくる仕様か……」


 わたしに続いて、雷喜さんと康介さんが言った。


「捨てるのも勿体ないんで、日本酒飲む時に使ってる」


 そう言いながら大吉さんは、少し茶色がかったサイコロの様な四角い何かを小皿に乗せて三人に出した。雷喜さんだけ一粒だった。


「チーズの醤油漬けだ。日本酒にも合うんで、アテに」

「お前達は、飲まないのか?」

「あぁ、この後藍華と二人でアーティファクト製作作業するんでな」

「カタイな、相変わらず!」

「買い手の気持ちを考えるとな、自然とそうなったんだよ。元々得意時なわけじゃないってのもあるし、俺がそう思うってだけの話だ。

 それにそもそも、俺はどこかの芸術家気質なおっさんみたいに、酒飲みながら良い物は作れん」


 大吉さんのその姿勢は、とても素敵と思う。わたし自身は飲んで作業すると目測を誤るので飲まないのだけど。


 わたしと大吉さんは、お酒の代わりにほうじ茶を入れて飲んでいた。コーヒーもだけど、ほうじ茶もあちらと変わらず。その香りと味は、心を落ち着けてくれる。


「ならばあまり邪魔しないよう、早めに引き上げるか」

「えー」

「了解」


 喜光さんは一杯目をクイっと飲み干し「おかわり」と言って杯を大吉さんの方に出した。大吉さんは「はいよ」と言って二杯目を注ぐ。


「ところで大吉、もしよかったら最終的な地盤の鑑定頼まれてくれないか? 遺跡発掘とかで慣れてるだろう?」

「メンバーにはいないのか? そういう鑑定士」

「鑑定のような事ができる者はいるが、専門じゃない。それに手持ちのアーティファクトでは鑑定し切れないようなんだ」


 鑑定アーティファクトにも鑑定できる種類というものが存在するのか。


 まだまだ知らない知識が多いんだと二人の話を聞きながら痛感する……。


「なんで政府は地盤の専門家をよこさなかったんですかね!」

「……まったくだ」

「大体、陥没って言われてる時点で地盤担当もよこさない上の者がおかしくないですか?」


 雷喜さんと康介さんが口々に言う。


「お前らなぁ。地盤のことまでやれて一人前の宮大工だ。まぁ、その中でも専門性は出てくるし、担当も決まってくるんだが。

 一通り出来るようになってようやく、お前らの親父さんのような宮大工に近づけるんだぞ」


 二人のお父さんも宮大工……世襲制だったりするんだろうか?


「でも喜光さん、うちの父さんはアーティファクトのことなんかよく知らないだろ? 根っからの大工気質で昔ながらの方法のが最高だって話しか聞いたことがない」

「……うちもだ」


 はっはっはと大口開けて喜光さんは笑った。


「そりゃぁ親父さん達が昔ながらの方法のが好きだってだけだろう。リスペクトしてるのさ……昔から存在してる技術や宮大工達を。お前らもどんどん経験積んでいけばきっとわかる。親父さん達の気持ちが」


 そう言うとお猪口の中身を再び飲み干した。


 その様子を笑顔で見ていた大吉さんは、頬をぽりぽりかいた後腕を組んだ。


「じゃぁ、その消失した部分を埋めるアテはあるのか?」

「あぁ、一応だが担当の者も一人いるし、そういったアーティファクトは持ってきている。俺も他の者もある程度は扱える。規模が大きすぎて時間はかかるだろうがな」

「じゃあ、面倒だろうが政府通して依頼出してくれ。その方が何かあった時、こっちにもそっちにも保証が出るから」


 何でも屋として引き受けるつもりなのか、大吉さんが言った。


「もちろんだ。昔馴染みとはいえお前に迷惑はかけられん。これから物入りになるだろうしな」


 お猪口を口元で止め、目を細めて言う喜光さん。


「…………」


 大吉さんはというと。無表情、というかジト目で喜光さんを見ていた。


 物入り……? 何か新しいことでも始めるんだろうか、大吉さん。


「……いつ頃になりそうなんだ?」


 軽くため息をついてから、大吉さんが口を開いた。


「一週間後くらい。向こうからの応援がいつ来るかにもよるが」

「了解した。明後日藍華と一緒に行く見学の方が先だな。何でも屋の方も……またはじめてるから。他にも何かあったら言ってくれ」

「よかったら、わたしも手伝いますので!」


 ほどほどに。


ハンドメイドにまつわるアレコレを少しづつ入れていこう。


という初期の目的に少しづつ手をつけれるようになってきましたので、少し(?)後書にて独り言を置いていこうと思います。


以下は作者『河原』の意見であって、全ての方に通ずるモノではありませぬのでそこだけはご了承ください。


(ちょうどX上で似たような話題を目にしたので自分の考えを記しておきます)


自分は、買い手としては、

『製作時何を聴いていようが何を飲んでいようが、出来上がったものが素晴らしいなら良い』派です。


ただ、それは感じ方は人によって違うでしょう。購入される方が判断すれば良い事と思ってます。


ただ、それを聞いてお客さんがどう思うか。

良いと思わない方ももちろんいると思うので、


そこを考え、作り手としては

『試作や練習時は飲んだりもするけど、販売用と決めた物は朝作る』派です。


あと、実際細かい作業、飲んでからは無理!筆がどっか飛んでっちゃう!


飲んでからは販売用を作らない。

(なので、作れる数は多くはありません。よく飲んでるのよ宣言)




じゃぁ実際作ってる時はどんな感じなの?と聞かれましたら。

作る時は脳内で執筆してますなぁ_φ( ื▿ ื)


というか作ってるとストーリーが湧き出てくるので(ง ื▿ ื)ว


BGMはかけることもあります。基本雑食です。クラッシック、アニメ曲、JPOPも聴きまする。


なんなら祝詞、般若心経、真言(マントラ)、グレゴリオ聖歌も流したりしてます꒰ঌ(´ᵕ`*)໒꒱


アニメは流せませんwなぜかと言うと、意識をそっちに持っていかれちゃうからwww

同じ理由で小説を朗読してくれるアプリも開けませんwww



色んなハンドメイダーさんがいらっしゃると思います。作家さんも然り。


どうか、みんなが楽しく制作活動ができますように꒰ঌ(´ᵕ`*)໒꒱


どうか、ハンドメイド作品を手にする方々が幸せになりますように꒰ঌ(´ᵕ`*)໒꒱


眠気とたたかいながら書きましたこの後書き。すぐに消去するかもしれませんがここまでお付き合いくださった方がいらっしゃいましたら、ありがとうございますヾ(๑⃙⃘´ꇴ`๑⃙⃘)ノ


おやすみなさい=͟͟͞͞ (¦3[▓▓]

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