表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ハンドメイダー異世界紀行⁈  作者: 河原 由虎
第二部 一章 寺院の修復とその裏で動く影
273/343

272.お久しぶりの舞子さん

挿絵(By みてみん)

「俺は荷物を片付けるから、藍華は冷蔵庫の整理、頼めるか?」


 わたし達四人は護衛の依頼を完了し、軽く打ち上げをする約束をして別れた。アグネスとフェイは宿の確保に行き。わたし達は帰る途中で軽く買い物を済ませ、喫茶店へ。


「了解です。ダメになってる物があったら出して、買ってきた物を入れておきますね!」

「あぁ。判断は任せる」


 大吉さんがそう言いながら店のドアを開けようとすると、聞き覚えのある声が……


「ちょっと! あなた達!」


 この声は……


「予定より遅かったんじゃない? 大丈夫? 元気だった?」

「舞子さん!」


 ちょうど通りかかったのか、大吉さんの幼馴染、舞子さんが駆けつけてきて、何故かわたしの両肩をがしぃっと捕んで言った。


「お久しぶりです。見ての通り、元気ですよー!」


 色々あったけど、と心の中で付け足しつつわたしは答えた。


「それなら良いけど……。あら、貴女……なんだか雰囲気が…………」


 そう言ってまじまじと頭から足まで眺められ、むず痒くなってくる。


「舞子! 早くその手え離せ……」


 そう言うと大吉さんが、わたしの後ろから舞子さんの両手を掴んで肩から引き剥がした。


「何よもぅ……」


 無理矢理引き剥がされると思っていなかったのか、舞子さんはそう言うと手を引いて、少し驚いた顔をして大吉さんをまじまじと見る。そして、再び私を見ると何かに気づいたのか、それまでとは声のトーンが変わった。


「藍華、シンプルで可愛い指輪ね、ソレ」


 左手の小指にはめている指輪を指して舞子さんがそう言うと、思わず顔が上気するわたし。それを見た舞子さんは、ニヤけたいじわるそうな表情をして、わたし達をジロジロと見た。


「はは〜ん……ほほぉ〜ん……あなた達。

 へーほー。そういうこと〜」


 いたたまれなくなってチラリと振り向き気味に見上げると、大吉さんは珍しく、ムッとした顔で舞子さんを見ている。


 店前の通りには、そこそこ人通りがあり。人の目のあるところでわざわざご報告することでもないしと、わたしがモジモジモゴモゴしていると、


「久しぶりー、舞子! 相変わらず詐欺ってんなぁ!」


 宿を取るため、先にホテルの方へと行っていたアグネスとフェイがやってきて、舞子さんに声をかけた。


 そっか、大吉さんの所でみんな繋がりがあるのか。


「コレが私のホントウでしょー? 何言ってんのよ!」


 舞子さんとアグネスが楽しそうに世間話をはじめると、「とにかく中に入ろう」と大吉さんに手を引かれ、店内へと入った。


「藍華の荷物も部屋の入り口に置いておくから、冷蔵庫の整理が終わったら自分の荷物を片付けてきな」

「はい、ありがとうございます」


 大吉さんの声が心地よくわたしの中へと響いてきて、何でもない会話なのに心が嬉しさを感じる。


 こんな日がいつまでも続いたら良いな…………


 しばらくすると、アグネスとフェイの二人だけ店に入ってきて、ちょうど冷蔵庫の整理が終わったわたしはアグネスに聞いた。


「あれ、舞子さんは……」

「蓮堂も連れてくる、と言って走ってったぞ」


 フェイの返答にアグネスが笑いながら合いの手を入れる。


「ものすんごい速さで」


 舞子さん。本当の姿は知らないけれど(※舞子はアーティファクトで見た目の姿を女性に変えています)、しなやかな体躯にしっかりとした筋肉の気配を感じるのよね、どことなく。さっき両肩捕まれた時も妙な安定感が…………


「どうしても知りたいってわけじゃないんですが……」

「なんだ?」

「お二人は舞子さんの本当の姿をご存知で?」


 あの女性の姿も美人さんだし、本当の姿もきっと美形に違いない。そう考えながら聞くと、アグネスとフェイは、揃って苦笑しながら言う。


「知ってるよ。大吉がクゥと出会う以前からの付き合いだからなー」

「大吉と二人並ぶと、ある種のお姉様方が湧いて出てきてたなぁ……懐かしい」


 ある種のお姉様方……?


 なんだか楽しそうに話しているから、深く考えるのはやめておいて。二人におしぼりとお冷を渡し、大吉さんと舞子さんの武勇伝のようなものを聞かせてもらった。

お久しぶりでございます!


リアルもちゃんと生きて、とハンクラと執筆も、全部やりたい!


そんな欲張りな自分です。お待ちいただいた皆様も、初めましての皆様も。よろしくお願いします!


月木の週2回更新しながら公募用も頑張って書きます_φ( ื▿ ื)





いつか皆様と紙面でお会いできます事を夢見つつ꒰ঌ(´ᵕ`*)໒꒱

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ