023.イモ呼ばわりされたけど
イモって・・・・・・
確かに今日チョイスした服ではちょっと子供っぽいところもあるかもしれないけれど・・・・・・
できるだけ自分からはかかわらないでおこう・・・。
とか思いながらも、ここは喫茶店、おいてもらう限りはきっちりやりましょ接客業。
「はじめまして、藍華です♪
アーティファクト職人の見習いです。
よろしく。」
控えめ笑顔で自己紹介。
しばらく自己紹介の日々が続くわね。
何せ昔バイトしたことがあるような、不特定多数が入り乱れるチェーン店ではない。
地元密着型の常連が多く通うようなお店だと思うし。
そういえばどこから来た、とか聞かれたらどうしたらいいんだろうか??
「腕は確かだから、お前も何か頼むなら今のうちだぞ?」
「へ〜そうなんだ!
大吉さんがそういうならかなり上手ってコトね!
近々修復頼みたいもの持ってくるわ。
わたしは舞子。
ヨ・ロ・シ・ク♪」
そう言ってバッチン!とウィンクをくれる。。
美人さんにウィンクもらって悪い気はしない。
イモ呼ばわりも悪意あってのものではないみたいなのでわたしの中では帳消しだ。
っていうか、イモと言われてもあまり腹が立たないのは女捨ててるからというわけではないけれど、
人と争うこと、化粧だとか、女子力だとか、そういうことに興味がないからなのだと、自身で再認識。
あちらでは面と向かって何か言ってくる放胆な人物は、少なくとも自分の周りにはいなかった。
「毎日来たっていいじゃない。
幼馴染みの様子見にきて何が悪いってのよ?
まぁ今日はコーヒーでもいただいとくわ。
ついでに何か甘いものお願い。」
ほー、幼馴染みなのか。
「今日は作り置きのしかないぞ?」
「それでいいわ」
カチャンとカウンターにコーヒーを置き、すぐに冷蔵庫を開きタッパーのようなケースに入ったクッキーを2、3枚可愛いピンクの桜型のお皿に乗せて出す。
舞子さんはカウンターのところに座り、軽く小指を立てつつコーヒーを口に運ぶ。。。
1つの違和感と疑問が頭をよぎるが横に置いておく。
ふと気になっていたので、舞子さんの星形ピンをもう一回見てみると、おそらくレジン製、歯車が半分飛び出るように付いていて、そこからチェーンと丸カンで小さなチャームが付いている。
そのチャームのマルカンが少しずれて外れそうになってることに気づいた。
「舞子さん、その星形ピン、チャームが外れそうなんで、直しましょうか?」
『!!!』
その場にいた全員が凍りつく。
「???」
訳もわからずに、わたしも静止する。
な・・・何かまずいこと言っちゃった・・・・・・?!
「い・・・今はちょっとやめておこうかしら・・・
藍華ちゃんびっくりして気絶したらいけないから・・・・・・」
少し申し訳なさそうにそう言う舞子さん。
「・・・説明しておいていいか・・・・・・?
後で」
凍りついていたわりに、苦笑しながらそう言う大吉さん。
ホント訳がわからない。
「ヨロシク頼むわ・・・。」
そして店じまいの時に衝撃の事実を知ることになったわたしであった。
衝撃の事実とは。。。。?!!
気になっちゃった方は是非次回も読んでください(^^)




