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ハンドメイダー異世界紀行⁈  作者: 河原 由虎
第一部 二章 そして事故?はおこった。
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022.ようやく開けたお店に

カランカラン〜


「大吉っちゃん、今日大変だったんだってー?」


本日1組目のお客さんは、ねじりはちまきのおじさんたち3人。大工さんだろうか、全員が鳶職の人達がよく着ているようなズボン(ニッカポッカ)にランニングを着ている。


「おー。おっちゃんたちの仕事が増えるぞー?

結構大きな陥没事故だったからな」


「聞いたぞ。

寺院が完全に埋まったってな。」


「寺院建て直すのは専門職を呼ばにゃならんよなー。」


「宮大工かー。京都の方に行かにゃならんな。まぁそこは行政が依頼しにいくだろうよ。

一応ここいらじゃ寺はあそこしか残ってなかったからな。」


「まぁ俺らはしがない下請け!

きた依頼をこなしていけばいいのさ。」


ワイワイ楽しそうに窓際の方の席につく。


「ん?そこの可愛いお嬢さんはー」


おじさんの1人が私に気付いた。


「先日からお世話になってます藍華です。ヨロシク♪」


「大吉っちゃんもとうとう嫁さんもらったのか?!!」


「違います!」

「違う!」


ほぼ同時に少々顔を赤らめて言う私たち。


「アーティファクトの職人見習いです。

よろしくです」


「若いがかなりの腕だぞ?

おっちゃんたちもメンテナンスの必要なやつがあったら持ってくるといい。」


まぁ・・・やっぱり普通に考えて1人暮らしの男の所に見知らぬ女が突然きたら、そういう感想になるのか・・・


「なんだー。とうとう大吉っちゃんにも春がきたかと思ったんだがなー。」


「ヨシさん、それ以上はいかん、セクハラになる。」


セクハラって・・・

この時代にも存在するのか・・・


「そうだそうだ。

ごめんな、藍華ちゃん」


「大丈夫ですよ、止めてくださったし」


実際そこまで気にしてないし、いやでもなかったし。


自分は何がどうセクハラなのかって、感覚が麻痺してしまっている気もするけど。


「すまんな。。」

ヨシさんが謝り、

「ありがとなー。」

窘めたおじさんがお礼を言う。


「大吉っちゃん、俺らまた作業に戻らにゃならんから、軽くメシ頼むわ!」


もう1人のおじさんは手早く注文を済ませ、出された水を軽く飲み、腕を組んで目を閉じ、天井を仰いだ。


「了解ー!」


いぃ匂いが食欲を刺激する。

コレはキツい・・・

良い匂いすぎる・・・・・・


ワイヤーの劣化した部分をパッチンパッチン切りながら、嗅覚全開でしばし耐える。


使われてるワイヤーの色等混ざったら面倒だなと思ったので、一本単位で仕上げていく。


天然石ビーズ は汚れを落とし、磨いていく。

チェーンも軽く拭いて汚れをおとす。


修復作業もなかなか楽しいものである。


カランカラン〜


「こんにちは〜!

大吉さん午前中はどこにいたの〜?」


今度来たお客さんは色っぽいおねーさん。


うわ、超美人・・・!!

服装がまたイィ。。。!


さらさらと流れるような肩口で揃えられた少し明るい茶色の髪に、星形の飾りのついたピンが1本。

浴衣っぽい色鮮やかな上着で肩を半分出している、したはヨガパンツのようなタイプのズボン。

腰には帯ではなく、スカーフのようなものを巻いて、右腰のあたりから垂らしている。

年はわたしより少し年上だろうか。


「お前は毎日暇なのか!昨日も喋りにだけきやがって。今日はコーヒーの一杯でも飲んでいけ!」


カチャカチャとコーヒーの用意を始める大吉さん。


「午前中はボランティアだよ。

橋の向こうで陥没事故あったの知らないのか?」


出来上がった料理を大工のおじさんたちのところに持って行きながら答える。


器用に4皿運び終えカウンターに戻ってくると、食後のコーヒーの用意を始める。


「しらなーぃ。だってわたしもお店の用意とかで忙しかったもの。」


こんな美人さんがいるお店ならば、差し障りなければわたしも一度行ってみたい。


「ところでそこのなんだかイモくさい子は??」


うっとり軽く見惚れていたところに飛んできた言葉に目は点になる。


・・・イモって・・・



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