表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ハンドメイダー異世界紀行⁈  作者: 河原 由虎
第一部 二章 そして事故?はおこった。
15/343

014.いきなりフルパワー?!大丈夫なの?!

「大吉さんのこのジャンプて!

 アーティファクトの力ですか!?」


 降下する時の風の音で声がかき消されそうだと、かなりの声量で聞く。


「そうだ! クゥさんの棒人間の指輪!」


 わたしを抱えながら器用に左手を見せてくれる。


 力を使用しているからか、指輪から発せられる光が強く眩しい。


 そうすると、羽付きのやつは空が自由に飛べたりするんだろうか?


「着地したらまたすぐ飛ぶぞ!

 歯ぁくいしばっておけ!!」


 三度の大ジャンプの後、目的の場所まで辿り着く。


「はぁっ……はぁっ…………!」


 なかなかに面白い道中だったけど!

 きっつぃ!

 すぐ気づいて、クゥさんのプレゼント指輪で体強化したから耐えれたけど!!

 生身にはキツイわ!!!


 わたしの手持ちのはこの指輪と、昨日もつけてたオマージュネックレス 、あと大吉さんに習って、ウォレットチェーンをズボンにつけて、キーホルダーやらストラップやらを、色々ぶら下げてみてはいるけれど……


「大丈夫か?」


「なんとか……! わたしは何をしたら?」


「自分が生き埋めにならないように瓦礫を退けつつ、人がいたら安全地帯までの誘導だ。

 そこらへんにいる奴らを使え!」


 言い終わる前に土煙の中に飛び込んでいく。


 見えてるのか、感なのかわからないけど。危険極まりない大吉さんの行動に、こういう場面に慣れているのだろうな、と勝手に想像。


 でも自分には無理!


 せめてこの土煙だけでもどっかに飛んでってくれたら……!!


 そう思った瞬間、ウォレットチェーンを押し込んであるポケットが光り、自分を中心として風の渦が起こる。


 チェーンを引き出して確認してみると、飾りの一つ、淡く銀色を纏う緑の水晶を模したものが埋めてある雫形のチャームが眩い光を発していた。


 風はどんどん強くなり、吹き荒れる。


「ちょ! 強すぎ‼ 土煙だけ飛ばして頂戴!」


 魔法世界とかだと呪文を唱えて力が顕現するじゃない! そういうのはないの⁈ この世界‼


 っていうか、自分でそう決めて意識すればいいのか?


「ストップ!」


 ピタッと止まる風の渦。


 面白い…………!


 頭抱えて感動のポーズをとってしまうが、すぐに平静を取り戻し、改めて手を前にかざして言ってみる。


「風の渦!」


 強過ぎず弱過ぎず、視界を開け!

 で、できたら遠くに、生活に支障のないようなとこまで運んでいって!


 自分を中心に起こった渦は、どんどんと視界を開けていく。土煙は空高く登って行き、海の方へと飛んでいった。


「視界良好! お次は人命救助!」


 またチェーンにつけた飾りが一つ反応していることに気づく。だが今度は淡く光るのみで何も起こる気配はない。


「生存者捜索」


 チャームから今度は力強い光が放たれ、瓦礫の何ヶ所かにその光が留まる。


 光のある所に生存者がいるという事だろうか。


「手伝う元気のある人たち!

 この光ってる場所を掘り返すなり瓦礫退けるなりして! その下にまだ息のある人がいるから!」


 多分!


 あやふやな単語はこの際飲み込み心の中だけで叫んでおいた。


 わたしは自分の後方に立っていた数人に声をかけて、一番力の必要そうな大きな瓦礫の元へと急ぐ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ