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ハンドメイダー異世界紀行⁈  作者: 河原 由虎
第一部 四章 キョウトにて
142/343

141.初体験(空間移動の)

 政府機関の建物群を後にして、適当な食堂で昼ごはんをとったわたしと大吉さんは、次の目的地へと出発した。


「さて、あらかた予定通りの時間だな。」


 そう言って大吉さんが手にしている時計のアーティファクト。

 時間は二時三十分くらいをさしている。


「これからみっちゃんのお姉さんの所へ行くんでしたよね?」


「・・・・・・・・・うー・・・あぁ。」


 とても乗り気でなさそうな大吉さん。珍しい。


「あんまり行きたくないんだがな。。。。」


「苦手なんですか?」


「そうだな・・・・・・何というか・・・・・・いっつも痛いところをついてくるのがな・・・・・・」


 ふっと立ち止まったのでつられて立ち止まるが、ヒョイっと見上げると目が合って一瞬心拍が跳ね上がる。


「何でも見透かされて、わかってるのに一歩踏み出せないでいるところを思いっきり崖から突き落とされるっていうかなんて言うか・・・・・・」


 視線を行き先に戻して


「言われること全てが正しいから怖いというか・・・・・・

 クゥさんとはまぁ気が合ってたようだな・・・・・・。

 みーばぁの方が百倍優しいイメージだ。」


 そこまでいうとまた歩を進め始めた。


 いまいちピンとこない説明だったけれど、まぁとにかく“苦手”ということなのだろうか・・・?


 やってきたのは、こぢんまりした神社で、鳥居と社、その横に一本の木と賽銭箱くらいしかない。


「え、ここなんですか?」


「ここは入り口みたいなもんだ」


 楽しそうにそう言うと、社の横に生えている木に手を合わせて軽く拝んでから葉を2枚取る。


何をして・・・?


「ここから行くのは初めてだけどな。

 みーばぁから貰った巾着持ってきたろ?」


 取った葉を自分のウェストポーチに入れながら問うてくる。


「はい、もちろん。」


 みっちゃんお手製の巾着。しっかりとわたしの持つ貴重品の筆頭となっている。


「まずこの札を先に賽銭箱に入れる」


 そう言って自分のポーチからお札を二枚出す大吉さん。一枚をわたしに渡して説明を続けた。


「そして、小銭を出して賽銭箱に入れてから二礼二拍手、一祈りするんだ。すまないが俺にも1枚貸してくれ」


 ウェストポーチから巾着を取り出し、そこから1枚大吉さんに、もう1枚を右手に握り巾着をポーチに戻す。


 2人で同時に札、小銭を賽銭箱に入れ、言われた通りの動作をすると────




 社の中から光が溢れ、こぢんまりとした神社は眩い光に包まれる。

 思わず目を固く瞑ってしまうくらいには眩しく、光が収まったと感じてそっと目を開くと同時に、周りの空気がガラッと変わっていることに気づく。


 目を開いたらそこは、緑深く空気の濃い、森の中のようだった。


「?!!!?」


 目の前には、拝んだのとは少し年代も形も違いそうだけれど、同じくらいのサイズの社があり、その前には小さい賽銭箱。


そしてすぐ横に大きな木の建物があった。


「ここは・・・大きな神社・・・・・・?」


ポツリとそう言うと


「アタゴ神社の本殿だ。

 双葉ーちゃんはここの巫女頭でな。

 みーばぁの巾着から小銭出して賽銭箱に入れて、規定の手順を踏むと目的の場所、一番最初に入れた札の場所に跳べるんだ」


何と言う・・・・・・


「昔はな、境内に生えてる樹木の葉しか使えなかったんだが、今は専用の札で可能になったんだ。

 社と御神体と札、そしてその巾着があって可能となるとんでもない面白アーティファクトだな」


 さらりと説明されるが、ものすごいことなんじゃなかろうか・・・・・・?


「巾着を持って敷地に入ると最初の鍵が開き、巾着の中にあった小銭に着いた僅かな力の欠片と拝殿で本スイッチが入ってーって感じですかね・・・?」


 通常同時使用ができないというアーティファクト。


 仕組みを想像したらこんな感じかな、と思いついたことをぽろりと呟くと


「まさにその通り」


 上手く切り替えてこんな仕組みを作ることもできるのか・・・!


「さ、ご挨拶に行くぞ。」


 本殿の前を通り過ぎて、社務所だろう所へ向かう。


 御守り等を受ける場所を表とすると、そこにいた巫女さん姿の人に軽く会釈してぐるっとまわって裏の方へと向かう。すると社務所の倍くらいの大きさ、本殿よりは小さめだろう平家があった。


 引き戸の玄関の前に来ると、強いアーティファクトの気配がある。


「この建物、多分店と同じタイプのクゥさん作防犯アーティファクトで守られてますね・・・?」


「良くわかったな、そうなんだ。双葉ーちゃんに依頼されて作ってったんだそうだ。」


 引き戸の枠についてるスマホくらいの大きさのレプリカに大吉さんが触れると、ピーンポーンと音が響き、中からパタパタと誰かが走ってくる音が聞こえてきた。


改めまして。おやすみいただきまして、ありがとうございました!

ムズムズしていた、大吉とクゥのエピソードをひとまず完結まで持っていきましたので、再開させていただきたく(^^)




本日明日明後日と、大吉とクゥの出会いの物語

【アーティファクトはあたしが作ったハンドメイド作品⁈】を、24時間耐久レース(?)で只今改稿を加えつつ投稿しております。


もしよろしければ、そちらの方も見てやってください(*´꒳`*)

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