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対米包囲網 第8章 対米包囲網 2 地獄を突き抜けた者たち

 みなさん、おはようございます、こんにちは、こんばんは、お疲れさまです。

 クアラルンプール。





 イギリス軍物資集積所。


 ジットラ・ライン要塞陣地を陥落させ、破竹の勢いで南下する大日本帝国軍と、パシフィック・スペース・アグレッサー軍に対し、マレー半島に駐留するイギリス軍は、シンガポール防衛のために、クアラルンプールを最終防衛線とし、兵員、武器、兵器、糧食等を使用できる補給路をフルに活用して、次々とクアラルンプールに輸送していた。


 その物資集積所の1つとして使用されている、駅の構内に、兵員や糧食を満載した列車が、入構してきた。


「久し振りに、美味い紅茶が飲めるな。それに、美味い食べ物も・・・」


 構内で、警備の任務に就いている兵士が、表情を綻ばせながらつぶやいた。


「・・・ついでに、食い扶持も増えたがな・・・」


 一緒に、任務に就いている同僚は、彼ほど素直に喜べないらしく、ムスッとした表情を浮かべている。


 彼の視線の先には、続々と下車してくる大勢の兵士たちの姿があった。


「ただでさえ食糧が、不足しているというのに・・・」


 現在、クアラルンプールは、深刻な食糧不足に陥っている。


 クアラルンプール防衛のため、兵員が増強されたことにより、当然食糧も大量に消費される。


 それに伴い、大量の物資が必要とされているにもかかわらず、大日本帝国軍の侵攻によって、流通が各所で寸断され、生活必需品、医療品、特に食糧が入ってこないのだ。


 そのため、市街地の市場に行っても、ほとんど食料品が売られておらず、たとえあっても、クアラルンプールに住む、一般の民衆が買えないほど、値段が高騰している。


 その上、戦火の拡大によって、周辺の地域に住んでいた大勢の民衆が、クアラルンプールに避難してきている。


 当然、以前から住んでいた民衆と、避難してきた民衆との間で、様々なトラブルが発生し、双方の人々の不満は高まり、略奪や、暴動等が横行し、治安も悪化している。


 事態を憂慮した、クアラルンプール司令部は、軍の備蓄食糧を民衆に分配しているが、焼け石に水の状態であった。


 それに、限りある軍の食糧を分けている事に、不満を感じている将兵も多い。


 民衆に、食糧を分け与える為、割を食っているのは、彼らだからだ。


 そういった不満から、些細な事で民間人に暴行を働き、MP(憲兵)に逮捕される兵たちも、少なからずいた。


「不景気な顔をするな。そんな、顔をしていると幸運の女神に、そっぽを向かれるぞ」


「・・・妙だと、思わないか?」


「何が?」


「これまで、鉄道での物資輸送は、何度となく日本軍に付いた抵抗勢力の妨害で、失敗している・・・輸送トラック等の陸上輸送や、空輸で、何とか凌いできた状態だ。今回に限って、何事も無いなんて、おかしいと思わないか?」


 同僚は、何か引っかかるものを感じるらしく、表情が冴えない。


「そりゃ、上の連中が色々と対策を、考えてくれたからだろう。気にしすぎだ」


 兵士は、同僚の肩をポンポンと叩く。


 その時・・・


 凄まじい轟音と共に、列車が引き裂かれるように爆発する。


「「なっ!!?」」


 何が起こったのか理解する前に、その兵士と同僚は、爆風と炎の渦に巻き込まれた。





「ジ・エンド・・・」


 轟々と炎を上げる駅舎の様子を、双眼鏡で確認している1人の人物がいた。


「道中は、徹底的に外部からの襲撃には、警戒していただろうが・・・まさか、輸送列車そのものが、最初から腹に爆弾を抱えていたとは思わなかった・・・という所かな・・・」


 その片手には、起爆コードを打込んだ、携帯電話が握られている。


「全然容赦ない。卑劣、極悪、非道、鬼畜、悪魔、サイコパス・・・」


 その背後で、同じように双眼鏡を覗いていた小松(こまつ)(あい)()2等陸尉は、思い付く限りの悪口をつぶやいていた。


 本人が、そんな言葉で傷つく事が無い事が、わかっていての罵詈雑言であった。


「極力、民間人には被害が及ばないようにする。と、いうのが前提なら、直接軍施設のみを攻撃し破壊する。戦術の基本だろう?上空から軍施設を目標に、ボトボトと爆弾やミサイルを落としても、100.パーセントそれを実行するのは不可能。なら、腹の中から破壊する。実に、スマートだと思わないかい?」


「・・・・・・」


 どこが!?と、言いたかったが、グッと堪える。


「方法は、鉄道が軍事行動の輸送手段として使われていた頃からあった、ベッタベタな手法だけれどね。線路に爆薬をセットして列車が通過するのに合わせて、ドカン!と、やるのが多いかな。鉄道輸送の場合、駅舎が兵站の拠点となるから、列車そのものを乗っ取って、突っ込ませて駅舎でドカン!とかね。昔の戦争映画のネタとしても、あったかな?個人的に、どうして敵役は、いつもドイツ軍なのか疑問なのだけどね。連合国も枢軸国も、やっている事は、大して変わりない。正義と悪の対決の構図なんて、お子様向けのヒーロー物か、お年寄り向けの時代劇くらいで、現実にはあり得ない。単に、勝つか負けるかの違いだけ・・・それを、いかにもな肩書きを背負った偉い人っぽいのが、『正義が!!悪が!!』なんて喚いているのは、実に滑稽で下らないし、馬鹿馬鹿しい・・・誰かが、そういった、自分カッコいいって、勘違いしている人たちに、ちゃ~んと、教えて上げなきゃ。『アンタ、バッカじゃないの?』って・・・」


(まったく、だからサイコパスはっ・・・!!)


心の中で小松が絶叫する中、嬉々とした満足そうな笑みを浮かべた人物は、小松に振り返る。


「こういった、残酷な光景を見るのは嫌って顔だね、3人目。まあ・・・君の場合、半分位は、お天道様に顔向けできる立場だから、そうだろうけれど・・・お天道様に背いて、地獄の底にいる我々みたいなのがいるから、表にいる人たちが、やっている行いが、真っ当に見える・・・そうじゃないかい?」


「・・・5人目・・・アンタ・・・」


「さて、次行ってみようか。あっ、そうそう、3人目。8人目に、報告ヨロシクね」


 自らの手で、軍人とはいえ、多くの人間を殺傷したという事が、わかっているのか、いないのか・・・


 いや、わかっていて平然としている。


 狂気と言えばそれまでだが、何かを破壊する事に、昏い悦びを見出す悪鬼。


 何しろ、この人物は過去、『平成の爆弾魔』と呼ばれたテロリストだ。


 ただし、思想や主義に、まったく興味の無い相当な変わり者の・・・である。


 そんな人間を、8人目が、どうやって引き込んだのか、小松は知らない。


 少なくとも、金や脅しで丸め込めるような、単純な人間では無い事は、確かである。


 小松が知っているのは、逮捕され、最高裁で死刑判決を受けたこの男は、司法取引で、国家治安維持局防衛部外部0班に配属されたという位である。


 自分が、自衛官としても人間としても、道を外れた存在だという事を自覚している小松でも、これが仕事であっても、大勢の人命が失われた光景を見て、胸がムカムカするのを抑えられるものでは無い。





 イギリス軍施設内の倉庫が建ち並ぶ一画では、フェンスと鉄条網に仕切られた外側で、分配される食糧を貰い損ねた民衆たちが、僅かばかりの食糧を、わけて貰おうと、周囲をウロウロしている姿が、見られる。


 それを、フェンスの内側で嫌そうな表情を浮かべて眺める、歩哨に立っている警備の兵士たちの姿があった。


「・・・まったく・・・上の連中は、何を考えているのだか・・・俺たちでさえ、真面な食事を、ずっと取れていないっていうのに・・・あんな連中にまで、食糧を分けてやるなんて・・・」


「言うな、飢えた民衆が、一斉に暴動を起こせばどうなるか・・・隣国のフランス革命を、思い出せ」


 窘める口調で語る、同僚も、表情では文句を言っている兵士と同じ考えである事が窺える。


「あ~あ。いっその事、あいつ等全員纏めて、日本軍に送りつけてやったらどうだ?日本軍の糧食を、連中が食い尽くしてくれれば、日本軍の進軍速度も鈍るだろう」


 下っ端のぼやきは、いつの時代も、何処の国でも、あまり大差は無いだろう。


 これで、少しのガス抜きが出来るなら、度を過ぎなければ有りではある。





「食事だ」


 別の兵士が、紅茶の入ったカップを載せたトレイと、ジャムが塗られたパンを盛ったトレイを持ってきた。


「また、これか?」


 口々に文句を言いながら、兵士たちは、パンと紅茶のカップを手に取る。


「これなら、捕虜収容所の捕虜どもの方が、ずっと美味い物を食っているぞ」


 ブツブツ言いながら、パンを囓り、紅茶を飲む。


「何だ!これは!?紅茶味の湯じゃないか!!」


「こんなのは、パンじゃない!!ジャムが塗られた犬のエサだ!!」


「こんな物が食えるか!!!」


 1人の兵士は、腹立ち紛れに、地面にパンを叩きつける。


 ポロン・・・


 苛立っている兵士たちの耳に、弦楽器の音が聞こえた。


 ポロン・・・ポロン・・・ポロロン・・・ポロン・・・


 兵士たちが振り向くと、フェンスの側でボロボロのフードを纏った、子供くらいの背丈の人物が、木と竹を組み合わせて作ったらしい、奇妙で粗末な形の竪琴らしき弦楽器を、奏でていた。


 その曲は・・・


 日本人には、白黒とカラーで、同じ映画監督が映画化した映画の作中で使われた事でも知られている、イングランド民謡であった。


 映画では、ラストの合唱のシーンと合せて、包囲したイギリス軍と包囲された日本軍の兵士たちが、合唱するというシーンで使われていたが・・・


 その、奏者は中々の腕前ではあったが、今の兵士たちに、曲に聴き惚れる心の余裕は、無かった。


「うるさいぞ!!このガキ!!何処かへ、行ってしまえ!!」


「・・・・・・」


 怒鳴られた事に怯えたのか、奏者は曲を奏でるのを止めた。


「まあ待て、食べ物欲しさに、大道芸人の真似事でもしているのだろう」


 先ほど、地面にパンを叩きつけた兵士が、パンを拾い上げ、フェンスの外に放り投げる。


「・・・・・・」


 奏者は無言で、足下に落ちたパンを拾った。


「腹を空かした野良犬には、人間の残飯がお似合いだ!」


 蔑みの籠もった、目と声で、兵士は言い捨てた。


 ガラーン!!


 竪琴が、地面に落ちて音を立てる。


「・・・昔、日本のテレビのCMで、こんなCMがあった・・・食べ物を、粗末にすると・・・お化けがでるぞ・・・と・・・『勿体ない~』って・・・」


「「「!!!」」」


「貴様は!!?」


 信じられない事に、かなりの高さのあるフェンスを、助走無しで飛び越えた小柄な人物は、兵士たちの目前にいた。


 低い態勢の腰の辺りから、一条の青白い光が迸る。


「グガッ!?」


「カハッ!?」


「ガッ!?」


 一瞬で3人が、なぎ倒された。


「ひぃっ!!化け物!!?」


 悲鳴を上げかけた兵士の顎を、女性と思しき細く繊細な手が掴む。


「安心なさい。峰打ちだから、死んではいない。まあ、アバラの2、3本は、いっているかもね。後送されて、軍病院で美味しい物でも食べなさい。ただし・・・貴方は、食べ物を粗末にした罰で、流動食でも食べて、食べ物の有り難さを、思い知りなさい!!」


 ゴキッ!!!


「グガァァァ!!!」


 顎の骨が砕ける音と、兵士の悲鳴が響き渡る。





「ミスった・・・」


 倒れた兵士たちを見下ろしながら、小柄な人物は、つぶやいた。


「ちょっと!!8人目!!何を、やっているのですか!!警備兵に気付かれないように、コッソリ食糧庫から、食糧を盗み出す手筈だったでしょうが!!」


 インカムから聞こえる声に、8人目は反論する。


「盗み出すって、人聞きの悪い!!運び出すと、言いなさい!!」


「どっちも、一緒です!それより、悲鳴を聞きつけた警備兵の一団が、そちらに向かっています。速やかに撤収して下さい!!」


「・・・・・・」


 8人目は、少し考え込む素振りを見せる。


「警備兵は、後どの位で、ここへ来る?」


「後1分・・・いや、2、3分程かと・・・」


「じゃあ、作戦変更!催涙ガス弾及び、閃光発音筒用意!この際、徹底的に混乱させて!」


「そんな、無茶苦茶な!!」


「いいから、いいから。警備兵の足止め、ヨ・ロ・シ・ク・ね!」


「年甲斐もなく、ブリッコをしてもイタいだけです!どうなっても、知りませんよ!!」


「大丈夫、大丈夫。始末書は、後で纏めて本庄さんに、押し付けるから」


 ドサクサ紛れに、とんでもない問題発言をして、8人目はフェンスに突進する。


 そのまま、フェンスを縦横無尽に切り刻んだ。


「みっなさ~ん!!ここから、倉庫に入れますよ~!!さあ、遠慮なく中の物を、ジャンジャン持って行っちゃって下さ~い!!」


 場違いなほど、明るい声を張り上げて、とんでもない事を叫ぶ。


 その声を聞きつけた民衆たちが、一斉に施設内に雪崩込んできた。





「・・・しかし・・・リーダー格が、一番好戦的って、どうなの・・・?」


「相当ストレスが、溜まっていたんだろう・・・タイムスリップして1年半と、ちょっと。地味な仕事しか出来なかったからな・・・」


「まあ、そもそも発端となった、食べ物を粗末にしたヤツが悪い。班長の逆鱗に、触れちまったからな・・・」


「お喋りは、そこまでだ。招かれざるゲストがやって来た。歓迎の花火を打ち上げるぞ」


「OK!!スタンバイ!スタンバイ!」


「催涙弾発射!!」


 ボシュ!!ボシュ!!


 少し、気抜けた音と共に、予め配置に付いていた班員が、ガス筒発射器から催涙ガス筒P型を発射し、別の場所から閃光発音筒が、投擲される。





 悲鳴を聞きつけて、駆け付けてきた警備兵たちは、惨状を目の当たりにして、唖然となった。


 破壊された、フェンスから侵入してきた民衆たちが、倉庫の扉を壊し、中の物資を次々と運び出しているからだ。


「クソッ!応援を呼べ!!」


 誰かが、叫ぶ。


 とてもではないが、人数が違いすぎて、自分たちだけでは対処出来ないと判断したからだ。


 1人が、有線電話の受話器に飛びついた。


 そこに、転がってきたガス筒や、閃光発音筒が破裂し、目や耳を覆ってもがき苦しむ者や、激しく咳き込む者が続出した。



 


 場を混乱させるだけ混乱させて、当の主謀者である8人目は、悠々と混乱の場を後にした。


「はい、お待たせ。撤収!撤収!」


「「「・・・・・・」」」


 班員たちから、微妙な非難の視線を浴びても、何処吹く風といった風情である。





 撤収するために、ガントラック化したハンヴィーに乗り込んだ一同は、クアラルンプールを後にする。


「あ~・・・お腹空いた・・・」


 ボソッとつぶやいて、8人目は懐からパンを取り出し、ちぎって口の中に放り込む。


「・・・それ、落っこちていた、パンじゃ・・・?」


 誰かが、口に出す。


「大丈夫、大丈夫。3秒ルールが、あるじゃない」


 地面に落とした食品も、3秒以内に拾えば食べても大丈夫とかいう、根拠のないルールだが・・・


 落ちていたパンを、投げられた時点で、既に3分以上は経っているのではと、誰も突っ込まなかった。


「確かに、小麦の質が落ちている。それに、発酵に失敗したのか、イースト菌が足りなかったか、多すぎたか、かなりいい加減に材料を混ぜているのか、食感も味も悪い。兵士が怒るのも無理ないかな?でも、文句を言うのは間違い。ちゃんとした食べ物は、食べられているのだから・・・徹底的に、流通を寸断したけれど、さすがは大英帝国の名は、伊達じゃないというトコロかな。しぶとい・・・」


 二口目を口に入れながら、8人目はつぶやく。


「兵糧攻めだけで、イギリス軍が音を上げると思っていたのですか・・・?」


「まさか。だから、東南アジア中に、遅効性の毒をばらまいたのだから。支配者は、ただ搾取をするだけ・・・本当に、東南アジアの国々に、明るい未来を築くのは、誰なのか・・・それに気付けば、自ずと答は出るものよ」


「・・・時間が、かかりそうな話ですね・・・」


「そうかな?1、2ヶ月前に、南東諸島であった事は、連合国軍の情報統制の網をかいくぐって、各植民地の親英派だった人々にも確実に伝わっている。それに、石垣君が上手く援護射撃として良い仕事をしてくれたし。さてさて、本当の敵は誰でしょう?って、なるのは自然でしょう」


 ジットラ・ライン攻略前にあった、不正規戦闘の事を言っているのだろうが、8人目の言葉は、石垣に高い評価を付けているように感じられる。


「例の馬鹿弟君ですか?8人目、貴女の[大和]酒保店長配属の、本当の目的は、彼の監視だったのでは?」


「そうだよ。五十嵐局長からの指示でね。順風満帆な人生を歩んできた人間は、些細な躓きで、簡単に道を外れる・・・彼に、その兆候が見られれば、即座に排除せよ・・・と。判断は、任せるとね」


「・・・と、いうことは・・・?では、問題無し。という事で、そろそろ本格的に、こちらに復帰を?」


 何となく、嫌そうな表情と、声だ。


「ん~と・・・。もう暫くは、監視を続けるつもり。石垣君は、言ってみれば孵化しようと、自分の卵の殻を一生懸命内側から突いている雛鳥みたいなものだから・・・もうちょっと、成長する所を見てていたいなって、思っている。さしずめ私は、雛の孵化を助ける親鳥みたいに、卵の外側から殻を突いて、突いて・・・たま~に、転がしたり、落としたり・・・」


 いや、落としてどうする?


 どうやら、とんでもない相手に、気に入られてしまったらしい石垣に、同情する空気が周囲に流れる。


「では、そろそろ[信濃]に、お帰りに?」


「何か、もの凄~く、嬉しそうに聞こえるのは、置いておくけれど・・・親英派の民衆と、植民地を支配している層の間に、細い溝を穿つ事は出来た。後は、それが広がるのを助長させるだけ。取りあえず、私の役目は終ったかな。後は、任せても良いかな?」


「「「良いとも!!!」」」


「・・・聞いた事のある台詞だけれど・・・何か、言われると、腹立つ・・・」


 ハンヴィーに、乗車している班員全員に、ハモって言われて8人目は、ムスッとした表情で、チャッカリと回収した竪琴を爪弾き始めた。

 対米包囲網 第8章をお読みいただきありがとうございます。

 誤字脱字があったと思いますがご了承ください。

 次回の投稿は2月19日を予定しています。

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