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真紅の旗 其れは革命の色 序章 急転

 みなさん、おはようございます、こんにちは、こんばんは、お疲れさまです。

 ドイツ第3帝国首都ベルリンにある大日本帝国大使館で、表向きは大日本帝国陸軍中佐の身分で、駐在武官として派遣されている、菊水総隊陸上自衛隊の新居孝彦(にいたかひこ)2等陸佐は、ベルリンで販売されている、複数の主要新聞社の新聞に、目を通していた。


 新聞のトップ面には、イギリス首相であるウィンストン・レナード・スペンサー・チャーチルと、ドイツ第3帝国総統のアドルフ・ヒトラーが、永世中立国であるスイス連邦の郊外で、会談した事が報じられていた。


 大西洋のイギリス領であるフォークランド諸島が、サヴァイヴァーニィ同盟軍同盟海軍の1個艦隊クラスの奇襲攻撃で陥落し、ドイツの同盟国であるアルゼンチンが、彼らによって攻撃を受けた事により、第2次世界大戦のヨーロッパ戦線は、大きく変化した。


「新居2佐。スイス連邦の独英会談所から、チャーチル首相と、ヒトラー総統の演説が始まります」


 新居の部下である2等陸尉が、報告する。


「ああ」


 新居が返事をすると、2つのラジオから、イギリス英語とドイツ語が、流れた。


「親愛なるドイツ国民諸君。本日、私は重大な書面に署名した。長らく続いたイギリスとの戦争が終結した。私とチャーチル首相は、講和協定に調印し、正式にドイツ第3帝国国防軍最高司令官として、ドイツ第3帝国の首相として、戦争終結を宣言する」


 ヒトラーの声が、ラジオから聞こえた。


「我々は、これまで数多くの血と涙と汗を流し、今日までヨーロッパ、大西洋で戦争を繰り広げてきた。決して降伏しないという信念と、ジョンブル魂に恥じない精神を持ち、フランス、北アフリカ、北大西洋の各地で戦い続けた。しかし、時代は我々にさらなる試練を与えた。現在、大西洋と太平洋で、我々の想像を絶する超兵器を保有した、謎の軍事勢力が、猛威を振るっている。ここで、市井や軍務内、政務内で流れている噂を、イギリス首相として正式に認める。彼らは、[スペース・アグレッサー(宇宙からの侵略者)]である。彼らの軍事行動は計画的侵略であり、未曾有の危機と、私とヒトラー総統は共通の認識をした。そして、共に世界を守るため、ドイツ第3帝国との講和協定に署名した」


 ラジオから発せられるチャーチルの言葉は、とても力強い演説だった。


 放送は、これで終わりでは無かった。


「本日の我々からの放送は、2つの意味がある。1つは、長らく続いたイギリスとの戦争終結により、ヨーロッパでの戦争終結の宣言。そしてもう1つは、大西洋に現れたスペース・アグレッサー軍を撃退するため、ここにドイツ、イギリス、イタリア、アメリカによる4ヶ国連合軍を結成する事である。ヴェルサイユ条約機構軍に加盟する各国には、4ヶ国連合軍の指揮下に入り、大西洋に出現しているスペース・アグレッサー軍への軍事行動への参加、及び軍事支援を、強く要望する」


 ラジオ放送は、ここで終了した。


「何という事だ」


 新居が、つぶやいた。


「ある意味では、重大な事態が発生した」


 新世界連合軍連合陸軍所属のカーテローゼ・オリガ・バルツァー大尉が、事態を冷静に受け止めた口調で、つぶやいた。


「最悪の場合・・・連合国と枢軸国を、我々は相手にしなくてはならない」


 新居が、最悪のシナリオを予想する。


「ですが、2佐、大尉。我々は、そうなる事を予想して、準備してきました。この状況下で枢軸国が我々の敵になっても、傷だらけの連合軍では、我々の勝利に揺るぎはありません」


 新居の部下である2尉の主張に、カトリーナ・フェリチェ中尉が、ため息をついた。


「貴官は、何もわかっていない。連合国と枢軸国が連携し、我々との全面戦争だけで、終わると思うか?」


「それは、どういう事ですか?」


 2尉が、首を傾げる。


「サヴァイヴァーニィ同盟軍が、それを黙って傍観していると思うか?」


 新居の適格な台詞に、彼は、「あっ!」と叫んだ。


「そうだ。我々が、連合国と枢軸国と全面戦争をしている間に、サヴァイヴァーニィ同盟軍は地盤を固めて、武力が半減したニューワールド連合軍に、全面戦争を挑んで来る可能性もある・・・」


 バルツァーが、深刻な表情で、つぶやく。

 真紅の旗 其れは革命の色 序章をお読みいただきありがとうございます。

 誤字脱字があったと思いますがご了承ください。

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