表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
追放された器用貧乏、隠しボスと配信始めたら徐々に万能とバレ始める~闇堕ち勇者の背信配信~(WEB版)  作者: 広路なゆる


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

27/111

27.立地

「クガ……悪かったな……」


「え……?」


「その……お前をあんなやり方で追放しちまってよ」


「あぁ……悲しかった」


「っ……! そうだよな……本当すまん……」


「だがよ……クガ……よかったな……」


「えっ……?」


「ユリアは裏でクガが背信者になったーー!って、ぎゃーぎゃー騒いでたけどよ、いいんじゃないか? 吸血鬼と堕勇者」


「……」


「確かに俺達が思い描いていたものとは少し違ったけども……ダークヒーローみたいで少し憧れる……」


「……」


「そういえば、剣聖も人殺したら、堕剣聖になれるんかな……なんて、ははは……」


「っ……」


セラは久しぶりに笑顔を見せる。

高校時代、クガに初めて声を掛けてくれた笑顔そののままに……



クマゼミと別れ、クガは帰途につく。

魔物の街のアリシアの仮住まいへ……


その道中、アリシアはやっとクガに話し掛けることができた。


「なぁ、クガ……結局のところ、(セラ)の思いを受け入れることにしたのか?」


セラの思い。すなわち、クガをクマゼミから解放するということ。


「…………いや、微妙だな……」


「え……?」


「……」


クガは少し沈黙する。


だが……口を開く。


「……そうだな……何者かが何者でもないと感じていたなら、あっちに戻っていたかもな」


「……? っ……! ……~~~」


アリシアは結局、またしばらくクガに話し掛けられなくなってしまった。





「クガよ! そろそろ現場視察に行こうか」


 吸血鬼の切り替えは早い――。

 翌日、アリシアはクガにそんなことを言う。


「現場視察ってなんだ?」


「なにって、忘れたのか? これを……!」


 そう言って、アリシアはクガに例のメモを見せる。

 それはSS級ボスになるための条件が列挙されたメモである。

 クガはその内容を今一度、確認し……。


「ひょっとして……これか……?」


「あぁ! そうだ」


 どうやら二者の認識が一致したようだ。


 =========================

【SS級ボスになるには】

【済】侵略者を三〇人狩る

【済】A級パーティを狩る

 ・S級パーティを狩る

【済?】眷属を従える(S級ボス)

 ・ボスの城を構える         ← これ

 ・SS級ボスの枠を空ける

 =========================


「うーん、どこにしようかなー」


 アリシアは何かを考えるように目線を天井に向ける。


「ちなみに築城場所の指定はあるのか?」


 クガはアリシアに質問を投げかける。


「特にないな。どうせSS級ボスになったら城ごと移転するから、まぁ、結局、仮住まいみたいなものだ」


「そうなのだな」


「ちなみに、クガはどういう場所がいい?」


「え……? まぁ、基本的にはどこでもいいが……」


「まぁまぁ、そう言わずに君の希望を聞かせてくれよ」


「うーむ……」


 クガはしばし考える。


「そうだな……あえて言うなら、こういう空が見える穏やかな場所がいいな」


「なるほどなるほど……」


 アリシアはうむうむと頷いている。そこで、クガは少し疑問に思う。


「アリシアは……」


「ん……?」


「アリシアは吸血鬼だよな?」


「ん……? あ、あぁ、そのようだ」


「そのようだ……って……まぁ、それはいいとして、やはり日の光や十字架が苦手だったりするのか?」


 魔物の街に関していえば、割と日の光の下も普通に歩いているがとクガは思う。


「確かに×(バツ)はあまり好きではない。どちらかというと(マル)の方が好きだ」


「……?」


「それに、日焼けするのは好きではない。将来、シミになるというしな。だから、外出時はこの日焼け止めクリームをくまなく塗っている」


 アリシアはどこから取り出したのか……チューブ状の物体を見せながら言う。


「……」


 いや、そういう問題ではないのだが、とクガは思う。


「まぁ、クガが明るい場所がいいというならば、ひとまず上層ダンジョンに行ってみるか……」


 アリシアは呟くように言う。


「ちなみに、イビルスレイヤーの件は気にしなくていいのか?」


「イビルスレイヤー……?」


「あのアラクネを討伐していた奴らのことだ……」


「あぁ! あいつらね……。あいつらが来たときに、気持ちよく返り討ちにするためにも、すんごい城を建てないとな!」


「……そうか」


 それから、アリシアとクガは上層ダンジョンへと向かい、いくつかの階層を視察する。


「ここなんていいんじゃないか?」


 アリシアがそう言ったのは上層43層、湖畔エリアだった。

 そこは湖があり、周囲を森で囲まれた静かな雰囲気のエリアであった。


「……いいと思う。……とても」


 クガもその静かで趣がある雰囲気をとても良いと感じていた。


「……!」


 アリシアは意見が合ったことが嬉しかったのか、自然と目が細くなり、口角が上がる。


「よし! じゃあ、ちょっと他の者達にも意見を聞いてみるか!」


「え……?」


 アリシアはクガの反応を気にすることなく、指輪をはめた右手を前に出す。

 そして、その中指の契約の指輪がぼんやりと光り出す。


「「「「「「わんおわんおー」」」」」」


 ワープエフェクトの中から、きりっとした表情の柴犬コボルト達が現れる。


「よく来てくれたな!」


 アリシアは機嫌がいいのかにこりと微笑む。


「ほら、クガも……」


「え……?」


 そうか……俺も呼ぶのか……とクガ。

 アリシアが促してくるとは少し意外であったが……。


「わかった」


 ……こんな感じか……?

 クガもアリシアを真似て、右手を前に出す。

 アリシアのしなやかな指とは異なり、ごつごつした中指の指輪であるが、ぼんやりと光るのは同じである。


「えぇええ? そっちぃい? 出してほしかったのは、ドローンの方だよぉ!」


 と、アリシアが素っ頓狂な声をあげる。


「……!?」


 そっちか……! とクガは思うが、もう遅い。

 ふわっとした白銀の髪の少女が(ひざまず)いた状態で現れる。前回、ひどく傷んでいた薄着のワンピースであったが、今回は綺麗な状態であった。


「……クガさま」


 人狼のグレイは第一声、俯き気味にぼそりとクガの名前を口にする。


「え……?」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
【小説】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0CW1L7CHY/

【コミカライズ】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0D3MDN76J

【作者新作】
<新作のリンク>

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ